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地番と住居表示の違い、住居表示から地番の調べ方

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先日、法務局で取得できる公図(法14条地図)について書きました。土地や建物を特定、示すするものには、地番や家屋番号、住所、居所、所在地、住居表示などたくさんのものがあります。

今回は地番と住居表示について説明してみたいと思います。

参考:公図とは?法14条地図との違いは何?

地番と住居表示

郵便物などを送るときに住所を調べますよね。このとき、「〇〇市◇◇1丁目2番3号」という表記の住所と「〇〇市◇◇45番地」という2パターンの表記があることに気付くと思います。試しに今年届いた年賀状の送付先などを見てみてください。東京などの都市部では、「〇〇市◇◇1丁目2番3号」の表記が多く、これを住居表示といいます。そして地方では、「〇〇市◇◇45番地」といった地番を元にした表示が多いことに気付くんじゃないでしょうか。

住居表示:「〇〇市◇◇1丁目2番3号」

地番:「〇〇市◇◇45番地」

地番とは

地番は、土地の単位(一筆:いっぴつ、ひとふで)ごとに、付された符号であって、権利の客体となる土地を特定するためのものです(不動産登記法35条)。

不動産(土地)の登記簿(今は全部事項証明書といいます)を取得するためには、土地の地番が必要となります。

住所などの建物(事務所や工場も含みます)の表示は、地番を元として決められることが慣習となっています。

東京タワーの登記

この、東京タワーの登記を例にすると、地番(407番6)の土地上に存在している建物なので、住所は「港区芝公園4丁目407番地6」となります。

しかし、この地番が住所となる表記では不都合がたくさん出てきました。建物は一つの土地(一筆の土地)上に存在している訳ではなく、複数の土地上に存在している場合もあります。また、新しい道路の開通や分筆などにより、その土地がどこにあるのかを特定するのが困難になってきました。

この地番の不便さを解消するために制定されたのが昭和37年の住居表示に関する法律です。

住居表示とは

住居表示は、町を分かりやすくしたり、郵便物を配達しやすくすることを目的にした制度です。住居表示は全国一律で施行されている訳ではなく、都市部を中心に住居表示が施行されています。区画整理事業などが行われるとあわせて住居表示がなされることが多いです。

住居表示が施行されるとどうなるのでしょうか。また東京タワーで説明してみます。住居表示施行後では次のように住所が変わります。

住居表示前:港区芝公園4丁目407番地6

住居表示後:港区芝公園4丁目2番8号(新しい住所)

住居表示では、建物を町名・街区符号・住居番号で表示します。

町名:芝公園4丁目

街区符号:2番

住居番号:8号

街区とは、道路や河川などの恒久的な施設により分断された一団の区画をいいます。住居番号は街区の中の建物ごとに付された符号です。

住居表示は建物(その他の工作物を含む)ごとに付されます。

住居表示に関する法律 第2条(住居表示の原則)

市街地にある住所若しくは居所又は事務所、事業所その他これらに類する施設の所在する場所(以下「住居」という。)を表示するには、都道府県、郡、市(特別区を含む。以下同じ。)、区(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の20の区をいう。)及び町村の名称を冠するほか、次の各号のいずれかの方法によるものとする。

一 街区方式 市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によって区画した場合におけるその区画された地域(以下「街区」という。)につけられる符号(以下「街区符号」という。)及び当該街区内にある建物その他の工作物につけられる住居表示のための番号(以下「住居番号」という。)を用いて表示する方法をいう。

二 道路方式 市町村内の道路の名称及び当該道路に接し、又は当該道路に通ずる通路を有する建物その他の工作物につけられる住居番号を用いて表示する方法をいう。

地番と住居表示のまとめ

住所(建物の所在)は、地番を元に付されていましたが、都市部では地番の細分化などにより地番と建物の位置が判然としなくなってきました。従って都市部を中心として住居表示といって、新しい住所がつけられました。

ここで間違えていけないのは、法務局で管理している土地の書類(全部事項証明書)は、住居表示が施行されても、地番で管理されているということです。

住居表示はあくまで建物のためのものなので、地番の重要性は変わらないのです。

そして、気をつけなければいけないのは、法務局で土地の登記簿(全部事項証明書)を取得するためには、住所(住居表示)だけでは取得できず、地番を把握していることが必要なのです。

住居表示から地番を調べる方法

住居表示から地番を調べる方法は主に4つ

  1. 法務局(登記所)で確認
  2. 市役所で確認
  3. ブルーマップで確認
  4. 登記情報提供サービスで確認

法務局(登記所)で確認する方法

一番簡単なのは法務局で確認する方法です。実際に法務局に行って確認しても良いですし、電話でも教えてくれます。「住居表示から地番を教えて欲しい」「地番を照会したい」などとお願いすると、担当の窓口で調べてくれます。

私などは登記は後述するネットで取得することが多いので、現地(法務局)には行かず電話で確認することが多いです。

参考:法務局|管轄のご案内

市役所で確認する方法

住居表示は市町村で整備事業が行われることから、市役所、町役場などで担当の部署があります。総務などの部署で扱っていることが多い気がしますが、市役所によってマチマチなので受付にてご確認ください。

担当窓口で住居表示から地番を教えてくれますが、役所によっては「分からない」と言われたり、たらい回しにされたりします。結構対応が役場によって異なるんですね。

私も「ここは大丈夫」という市は、市役所で確認することがありますが、慣れない担当者だと時間がかかったりする場合もあるので、たまにしか市役所では確認しません。

下の画像は横浜市のホームページにあった、住居表示と地番の対照表です。

横浜市|住居表示実施地区旧新対照表(例示)

ブルーマップで確認する方法

地図会社の大手、ゼンリンでは住宅地図上に、公図に基づく公図界、公図番号、地番がブルーで記入された、ブルーマップを販売しています。

これがあれば、冊子の地図で簡単に地番を確認することができます。しかし、ブルーマップは高く1冊(市区町村単位が多い)数万円します。国会図書館では閲覧することもできますが、国会図書館は東京本館(千代田区永田町)と関西館(京都府相楽郡精華町精華台)にあるのみなので、普通の人は身近にはありませんね。

地元に根差した不動産屋であれば、一冊手元に持っていたりしますが、それ以外の人にはちょっと敷居が高い調査方法です。

登記情報提供サービスで調べる方法

インターネット上で全部事項証明書と取得できるサービスが「登記情報提供サービス」です。

URL:登記情報提供サービス

このサービスでは、登記官の認証文や登記官印は付されず、法的な証明力はないものの、自宅や会社にいながらにして登記を確認することができます。不動産に携わるものならば誰でも使用しているぐらいの頻度の高いサービスですが、この中に「地番検索サービス」も備えられています。

全地域が対応区域となっていないのがまだ残念な点ですが、ネット上の地図を見ながら地番を確認することができるので、対応区域であれば一番便利な方法です。

住居表示から地番を調べる方法のまとめ

4つの種類の地番の調べ方を書きました。普段から「登記情報提供サービス」を使用している専門家であれば、まずはこの方法を試してみましょう。

ネットでの登記取得は考えていない方、調べたい地域が登記情報提供サービスの対応区域でなかった場合は、法務局で確認が一番確実です。

法務局といえば、昔は職員の対応の悪さがひどかったものですが、最近は事務作業が民間に委託されていたりすることもあり、かなり親切です。

ブルーマップでの調査、市役所での調査は、偶然ブルーマップがあった場合や市役所に行くついでに聞いてみたい。程度の認識でOKだと思います。

 

 

 

 

具体的に東京タワーで説明したいと思います。

参考:東京タワーの登記はどうなってる?謄本を取ってみました。

東京タワーの住所は、「東京都港区芝公園四丁目2-8」です。

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