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代替地の読み方はだいがえち?だいたいち?

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公共用地を取得する際には、金銭でその用地を買収する場合と、その用地の変わりに土地を提供することがあります。

後者の場合に提供する土地のことを代替地と言います。

代替地
道路等の公共事業のために必要な土地(公共事業用地)を提供していただいた方に、金銭に換えて、その土地の代わりに提供する土地のことをいう

公共事業のために土地を譲り渡した場合、譲渡所得から5000万円を控除することができますが(5000万円の譲渡所得の特別控除)、代替地を提供した人も事業用地提供者、代替地提供者、起業者の三者契約をすることにより1500万円の特別控除が受けられます。

用地買収の現場では、代替地の提供により土地を取得するケースはかなり多く見られます。

この代替地という制度ですが、呼び方が「だいたいち」なのか「だいがえち」なのかが迷ってしまいます。普通に読むと「だいたいち」なんですが、用地補償の担当者と話しているとほとんどの方は「だいがえち」と呼ぶんですよね。

代替地の読み方はだいがえち?だいたいち?

調べてみると正式には「だいたいち」と呼ぶようです。「だいがえ」と読んでしまったら、重箱読み(音読み+訓読み)になってしまいます。

ですので、「だいがえち」という読み方は、通俗的な業界用語のようなものなんでしょうね。

似たような言葉があると、読み方をわざと変えて読むことがありますが、その類のものかもしれません。

似たような言葉でわざと読み方を変えて読むケースとしては市道と私道なんかがそうですね。

市道と私道の読み方

正式に読むとどちらも「しどう」です。でも市道か私道かは不動産を調査する上で、とても重要なことで、市道と私道を間違えてしまうと損害賠償にもなりかねません。

そこで役所で調査をするときや、業者間では、市道のことを「いちどう」、私道のことを「わたくしどう」と読んで区別することが多いです。

権原の読み方

もう一つ例をだすと、権原も変わった読み方をする単語です。普通に読むと「けんげん」ですね。しかしけんげんと読んでしまうと、権原か権限かが判然としません。

そこで法律関係者の間では口頭では「けんばら」とよく呼ばれます。

まとめ

「だいがえち」という呼び方も実務の便利さから、「だいたいち」に変わって「だいがえち」と呼ばれるようになったんだと推測できます。

言葉の使い方にうるさい国交省のホームページにも下のように「だいがえち」と書いてあるものもありました。

2016-08-17_20h09_26

引用:国土交通省八ッ場ダム工事事務所

不動産業界の業界用語を以前調べようとしたら、面白いサイトがありました。私は実際不動産の売買をしている訳ではないので、知らない単語も多かったですが面白いですね。

参考:知っていると役立つ!?不動産業界で飛び交う隠語25選




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