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国交省「土地総合情報システム」に不正アクセスで個人情報4000強が流出。

更新日:

6月6日に国土交通省の運営するサイト「土地総合情報システム」の一部機能に不正アクセスがありました。もう2日前のことですし大々的に報じられていましたのでご存知の方も多いですよね。

土地総合情報システム

参考土地総合情報システム

6月22日現在、土地総合情報システムのホームページはエラーが表示されて見ることができません。いつ復旧するかは目途が立っていないようですね。

悪いことをしようとする人々はサイトの弱いところを探して突いてくるので、こればかりは国交省が悪い悪いとばかりは言えない気がしていました。でも報道を見ていると、6月2日には異常を見つけていたようですね。

システムで使われているソフトの脆弱性が指摘されたため、同省は3月に管理を委託している都内のシステム会社に改善を指示。6月2日に同社がウイルスチェックをした際、サーバー上に不審なファイルがあるのを確認した。

引用:日本経済新聞|土地取引情報最大20万件流出か 国のシステムに不正アクセス

6月6日に不正アクセスがありましたので、4日前にはその兆候があったことになります。そしてその兆候に気付いていたんですね。

土地取引の適正価格での売買に資するために私たち不動産鑑定士も日々仕事をしている訳ですが、監督官庁である国交省がこれではお恥ずかしい限り。鑑定士協会連合会が同じことをしたら、国交省は激怒してどなりこんできたことでしょう。

今回流出した情報は次の2つ。

  • 不動産取引価格アンケートの回答
  • 所有権移転登記情報

不動産取引価格アンケートの回答

不動産取引価格アンケートの回答は、土地の主に買い主がその売買についてのアンケートに回答したものです。内容は多岐にわたりますが、今回はその回答情報が流出したようです。

回答内容は、氏名(法人名)、契約日、取引価格などで、流出したのは最大4335件

個人がどこの土地をいくらで購入したのかというのは、まわりの人にはあまり知られたくない個人情報ですね。それが流出してしまったようです。そもそもこの取引価格アンケートは回答義務がありません。このアンケートの回答率は3割程度だったと記憶しています。

回答をしてくれた3割の人々は、この情報を扱う国を信頼して、個人情報を開示してくれたんですよね。この事件がきっかけとなって、回答率が下がらないことを祈るばかりです。

所有権移転登記情報

こちらの所有権移転登記情報は法務局(登記所)でも入手できる内容のものです。流出した登記情報は、登記原因日、地番、地目、面積などで、登記名義人(所有者など)は流出していないようですね。

流出件数は最大で19万4834件。ニュースで個人情報が20万件流出!と大袈裟に書かれているのは、こちらの「所有権移転登記情報」の流出件数をとらえてのことです。

所有者や価格などが流出している訳ではないので、悪用もしづらく影響は少ないものと考えていますがどうなんでしょうか。

国交省の報道発表

国交省では次のように今回の流出事件を発表していました。

「土地総合情報システム」における不正アクセスおよび情報流出の可能性について

国土交通省では、「土地総合情報システム」(※)のひとつの機能である「不動産取引価格アンケート回答(電子回答)」サイトにおいて、第三者による不正アクセス及び同サイトにおける情報が流出した可能性があることが判明しました。

1.不正アクセスによる情報流出の状況
アプリケーションフレームワークであるApache Struts2(アパッチ・ストラッツ ツー)の脆弱性を利用した不正アクセスが発生し、「不動産取引価格アンケート回答(電子回答)」サイトに悪意のあるプログラムが仕込まれ、調査の結果、本年4月7日から6月2日までに同サイト上で作成された不動産取引価格アンケート回答の情報(氏名・法人名、契約日、取引価格等。最大4,335件) が、流出した可能性があることが判明しました。
なお、同サイト上には、他に、登記所等においても入手可能な情報ではありますが、売買等を原因とする所有権移転登記情報(登記原因日、地番、地目、面積(登記名義人の名称を除く)。最大194,834件)についても、流出した可能性があります。

2.サイトの状況
2017年6月2日16時に「土地総合情報システム」の電子回答システムを緊急停止しているところです。
なお、郵送でいただいている「不動産取引アンケート回答」については、情報流出は一切ありません。「土地総合情報システム」上の「不動産取引価格アンケート回答」以外の各機能のサービスの提供は継続しています。

3.今後の対応
現在、個人情報流出の有無について調査を実施し、システム監視の強化及び再発防止のための対策を検討しているところです。

※「土地総合情報システム」について
国土交通省では、国民の生活の安定向上と国民経済の健全な発展に欠かすことのできない適正な地価の形成等を図るため、公示地価の判定等様々な土地政策を推進しています。このためには、不動産取引の実例をできる限り多く収集し、蓄積することが不可欠なことから、公示されている登記情報に基づいて、その取引の価格等に関するアンケート調査である「不動産取引価格アンケート」を実施しております。

今後の対応で、「個人情報流出の有無について調査」と書いていますが、これはどういうことなんでしょうね。不動産取引価格アンケートの回答については完全に個人情報に該当し、これが流出していると騒がれているのに、個人情報流出が無かったということはありえるんでしょうか?

個人情報
個人情報保護法 「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。) をいう。

まとめ

国交省の事業として我々不動産鑑定士も色々と動いていることがあるんですが、今回の騒動の影響を一部受けてしまっています。土地総合情報システムが閲覧できないことから地価公示価格や地価調査基準地価格なども閲覧することができません。不便ですね。

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