H28年度の鑑定評価モニタリングの立入検査結果が発表されました。

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参考:不動産実務TIPS|FACEBOOKページ


若干鮮度が落ちてしまったネタですが、平成28年の鑑定評価モニタリングの結果が公表されました。

国土交通省では、鑑定評価モニタリングの一環として、「不動産鑑定業者を対象とする立ち入り検査実施要綱」及び「不動産鑑定業者に対する立入検査の実施方針」に基づき、不動産鑑定業者への立入検査を実施しています

URL:不動産鑑定評価等の適正な実施について(平成29年3月31日付け)

昨年の公表結果に関する記事はこちらです。

参考:H27年度の鑑定評価モニタリングの立入検査結果が発表されました。

モニタリング検査の概要

平成28年7月から10月にかけて、合計50業者の事務所に地方整備局等の検査官が立ち入り、法令順守状況や鑑定評価等の実務の状況の確認、鑑定評価書の審査を実施しました。地方整備局等による検査に加えて、全国統一的な観点から、本年度の検査対象となった合計50業者に係る鑑定評価書(合計94通)については、本省でも集中的な審査が実施されています。

審査の結果、計50業者のうち、40業者の業務に関し、改善を要する点が見受けられたため、行政指導が実施されています。

昨年までは行政指導がなされた業者数は公表されていませんでしたが、今年からは業者数が公表されています。

その数、なんと40社。50業者中の40社なので、8割が鑑定評価に問題があったと指摘されていることになります。

モニタリングの対象となった評価目的

全ての不動産鑑定評価がモニタリングの対象となる訳ではなく、鑑定評価の依頼目的によって重点的にモニタリングされます。モニタリングの対象となる依頼目的は次の3つ。

  • 証券化対象不動産の鑑定評価
  • 財務諸表の作成に係る鑑定評価
  • 資産評価に係る鑑定評価

参考:国土交通省|鑑定評価モニタリングについて

どのような評価目的が多く審査対象となっているかまとめてみました。証券化不動産が重点的だった昨年までとは異なり、今年は財務諸表や資産評価を目的とした鑑定評価が重点的にモニタリングの対象となったようです。

合計すると50業者になりませんが、1業者については法令順守等の確認のみ実施されたようです。なんで1業者だけ特別なんでしょう?鑑定業者において特別な1業者って考えて、頭に浮かぶのは最大手のあの会社しかないんですけど、どうなんでしょうね。

改善の内容について

改善の内容については、不動産の鑑定評価における各手順において多種多様な指摘がなされているので、全部はまとめません。気になったものだけ記載していきたいと思います。

収益還元法の収益費用項目

「修繕費」「プロパティマネジメントフィー」「資本的支出」について区分を誤って認識しているものが見受けられた。

費用項目については、依頼者からも質問の多い事項です。この項目とこの項目はどう違うの?ダブルカウントじゃないの?などと突っ込まれます。特に古い不動産鑑定士だったりすると不勉強な人も多く、費用項目について無知な人も多かったりしますね。

独自の費用項目を設けて評価をしている例を私も見たことがあります。

継続評価において個別格差率を変更した。

更地の評価において、対象確定条件の設定に当たって、継続的な評価であるにもかかわらず、合理的な理由なく、個別格差率を変更したものが見受けられた。

ここで気になったのは、継続評価の案件については前年の評価書も確認しているという点です。その年に発行された鑑定評価書のみがモニタリングとなると思っていたんですが、継続評価においては前年の評価書とも比較してチェックがなされるようです。

ちなみに、個別格差率は毎年同じでなければいけないというものでもありません。あくまで説明が乏しかったことが指摘されているだけです。

更地評価は高圧線下地の減価は行わない。

更地の評価において、高圧線下地として減価しているなど、鑑定評価の条件との整合性が取れていないものが見受けられた。

これは私も知りませんでした。更地評価の場合は、高圧線下地としての減価を行ってはいけないんですね。更地の工場地など、高圧線がとおっているケースはいくらでもあると思うんですが、このような場合も高圧線下地としての減価はしていけないんでしょうか。

よく分からないです。

モニタリング結果をうけた連合会の対応

国土交通省がモニタリングをすると、不動産鑑定士の業者団体である不動産鑑定士協会連合会にも通知・改善要請がいくんですが、連合会はその対応をしなければなりません。今回連合会が行った対応は大きく次の5つです。

  1. 鑑定評価モニタリング結果の周知徹底
  2. 研修の実施
  3. 業務実施マニュアル「業務実施の留意点(仮称)」の作成
  4. 鑑定評価監視委員会によるモニタリングの実施
  5. 倫理規定の周知・強化

まとめ

モニタリング結果をみて、私も毎年鑑定評価をする際に気をつけなければいけないと身を引き締めるんですが、正直よく分からない部分も多いんですよね。

例えば、「説明が不十分なものが見受けられた」などという改善内容がよくあるんですが、どこをどこまで書けば良いかなどは具体的な指針があるわけではありません。何が正解か分からないまま鑑定評価を行って、いきなり「これはダメですよ」と叱られるわけです。困っちゃいますね。

我々不動産鑑定士には事細かくお叱りがあるんですが、不動産屋さんが行う価格査定についてはほとんどノータッチです。そもそも宅建士は仲介を前提にしない価格査定をすることは法律違反ですが、世の中には不動産屋さんの価格査定書が調停など公の場においても横行しています。

価格(鑑定料)が高いから不動産屋さんの価格査定書をお願いせざるを得ないと調停の関係者は言いますが、鑑定士が不動産の価格をだすと、かみっぺら1枚、2枚では済まされないんですよね。結果書類の枚数は増え、評価料も安くはできなくなってしまいます。

不動産鑑定士は法令を遵守した上で、違法な価格査定書と戦わなくていけないんですが、どのようにして戦えば良いんですかね。

完全に愚痴でした。

過去の立入検査の改善要請は、国土交通省のホームページのこちらまとめてあります。

URL:不動産鑑定業者の業務に関し改善すべき事項(平成27年以前)

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