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路線価が消滅?H29年の発表で路線価の無くなった市町村を調べてみました。

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先日相続税路線価の発表がなされました。

銀座の一等地は更に価格が高騰。バブルの頃に迫る勢い?いやいやバブル越え?などと報道されたことも記憶に新しいかと思います。そんな相続税路線価ですが、年々予算が削られています。華やかなニュースの影に隠れて、路線価が無くなっている市町村が増えてきているんです。

この国税庁が公表する路線価ですが、相続税や贈与税の計算基準となるものです。しかし、実際は取引の指標にも使われており不動産業者さんなどでは時価の把握に路線価を使っています。課税目的が名目なのですが、実質上は色んな目的で利用されているんですね。

しかし路線価の敷設されない市町村が増加しているようです。今回は実際に路線価の無い地域が増えてきているのかを調査してみました。

調査方法

平成28年の路線価と平成29年の路線価を比較し、市町村が無くなっているものをピックアップしています。ですので、同じ市町村内で路線価のエリアが狭くなっている事象については把握していません。

札幌国税局

北海道

H28:33市+札幌市(10区)→H29:変更なし

仙台国税局

青森県

H28:8市町→H29:7市(1市町減少)

無くなった市町村

岩手県

H28:12市町→H29:変更なし

宮城県

H28:20市+仙台市(5区)→H29:19市+仙台市(5区)(2市町減少)

無くなった市町村

秋田県

H28:9市→H29:8市(1市町減少)

無くなった市町村

山形県

H28:12市→H29:11市(1市町減少)

無くなった市町村

福島県

H28:16市→H29:14市(2市町減少)

無くなった市町村

関東信越国税局

茨城県

H28:26市町村→H29:21市町村(5市町減少)

栃木県

H28:17市町村→H29:変更なし

群馬県

H28:15市町村→H29:11市町村(4市町村減少)

無くなった市町村

長野県

H28:23市町村→H29:18市町村(5市町村減少)

埼玉県

H28:48市+さいたま市(10区)→H29:46市+さいたま市(10区)(2市町村減少)

無くなった市町村

新潟県

H28:17市+新潟市(8区)→H29:13市+新潟市(7区)(4市町村と1区減少)

無くなった市町村

東京国税局

東京都

H28:27市町村+東京特別区(23区)→H29:変更なし

千葉県

H28:38市町村+千葉市(6区)→H29:37市町村+千葉市(6区)(1市町村減少)

無くなった市町村

神奈川県

H28:27市町村+川崎市・相模原市・横浜市(28区)→H29:変更なし

山梨県

H28:15市町村→H29:変更なし

金沢国税局

富山県

H28:11市町村→H29:変更なし

石川県

H28:11市町村→H29:変更なし

福井県

H28:11市町村→H29:変更なし

名古屋国税局

愛知県

H28:48市町村+名古屋市(16区)→H29:変更なし

岐阜県

H28:23市町村→H29:20市町村(3市町村減少)

無くなった市町村

静岡県

H28:21市町村+静岡市・浜松市(9区)→H29:変更なし

三重県

H28:14市町村→H29:変更なし

大阪国税局

大阪府

H28:38市町村+大阪市・堺市(31区)→H29:変更なし

奈良県

H28:24市町村→H29:変更なし

和歌山県

H28:21市町村→H29:変更なし

滋賀県

H28:14市町村→H29:変更なし

京都府

H28:19市町村+京都市(11区)→H29:17市町村+京都市(11区)(2市町村減少)

無くなった市町村

兵庫県

H28:35市町村+神戸市(9区)→H29:変更なし

広島国税局

鳥取県

H28:4市町村→H29:変更なし

島根県

H28:8市町村→H29:変更なし

岡山県

H28:11市町村+岡山市(4区)→H29:変更なし

広島県

H28:15市町村+岡山市(8区)→H29:変更なし

山口県

H28:13市町村→H29:変更なし

高松国税局

徳島県

H28:11市町村→H29:変更なし

香川県

H28:8市町村→H29:変更なし

愛媛県

H28:15市町村→H29:13市町村(2市町村減少)

無くなった市町村

高知県

H28:10市町村→H29:変更なし

福岡国税局

福岡県

H28:23市町村+福岡市・北九州(14区)→H29:変更なし

佐賀県

H28:8市町村→H29:変更なし

長崎県

H28:15市町村→H29:14市町村(1市町村減少)

無くなった市町村

熊本国税局

熊本県

H28:15市町村+熊本市(5区)→H29:変更なし

大分県

H28:9市町村→H29:変更なし

宮崎県

H28:9市町村→H29:変更なし

鹿児島県

H28:13市町村→H29:変更なし

沖縄国税事務所

沖縄県

H28:12市町村→H29:変更なし

まとめ

数えてみたところ、実に47の市区町村で路線価が無くなっていました。市として路線価は無くなっていないものの、路線価のエリアが狭くなっているものも含めるとかなりのエリアで路線価が無くなってしまっているんでしょう。

路線価が減少した市町村まとめ

地図にしてみました。減少が一番多いのが5区市町村の茨城県、新潟県、長野県です。赤が濃い方が減少が多い県になります。こうやってみると仙台国税局と関東甲信国税局管内の県での路線価減少が著しいですね。関西方面ではあまり減少していないという結果も顕著に表れています。

 

路線価減少はなぜ起こる?その理由。

この路線価の見直し(削減)、平成24年の財務省予算執行調査でやり玉にあげられ、路線価という制度の効率性に難がありと判定されたことからはじまっています。

この予算執行調査に関しては、昨年に書いた記事が詳しいので是非こちらをお読みください。

H28年、相続税路線価の無くなった市町村はあったのか?を調べてみました。

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相続税路線価が無くなってどうやって課税するかというと、市町村が評価している固定資産税の評価額を使って課税します。これって正直虫のいい話で、市町村は自分たちの財源で固定資産の評価を行っています。それを国が勝手に活用するという話です。市町村で良いものがあるので国はやらないよ。でも使わせてね。っていうことなんですね。

ただ乗りも甚だしいです。市町村に補助金など渡すことは考えていないんでしょうか。

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