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屋根付きの車庫は登記可能?壁はどの程度必要なのか。

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先日、建物登記の3要件「定着性」「外気分断性」「用途性」についての説明記事を書きました。もし読まれていなければ、前記事を是非最初にご覧ください。

建物が登記できる要件は何?3要件「定着性」「外気分断性」「用途性」を説明します。

不動産の登記を調べているとき、建物が登記されていないことって多々ありますよね。建物が現実に存在するのに建物の登記がないのには色々な理由があります。 では、そもそも建物として登記ができるようになるには、 ...

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今回は具体的な問題です。屋根付きの車庫は登記可能でしょうか?

屋根付き駐車場は、建物としての要件である外気分断性があるといえるのか?

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屋根付き車庫の外気分断性

前の記事にも書きましたが、建物と認定し得るためには外気分断性が必要です。

つまり、雨露をしのぐための屋根や外気を遮断するための周壁又はこれに類するものによって外気を分断し、そこに人貨が滞留するための空間が必要だということです。外壁による外気分断性については必ず必要という訳ではなく、もう少し柔軟に判断されています。

「停車場の乗降場又は荷物積卸場」や「野球場又は競馬場の観覧席」については、周壁がなくても上屋や屋根があれば建物として認められるとされています。

なぜ周壁がなくても建物として認められるのか

「停車場の乗降場又は荷物積卸場」や「野球場又は競馬場の観覧席」はなぜ周壁がなくても建物として認められるんでしょうか。

これは単純に周壁を四方に設けることがその用途上難しいからです。しかし、人や物体が滞留する場所で、屋根さえあればその用途性を損なうことはないと判断されるので、停車場の乗降場、荷物積卸場、野球場又は競馬場の観覧席は屋根が無くても建物として認められるのです。

では、似たようなものにアーケード付き街路(公衆用道路上に屋根覆いを施した部分)や給油目的で中社に利用するきのこ型の建造物は建物として取り扱わないのが相当とされています(昭和36・9・12民事甲第2208号民事局長回答)。

これはアーケード付き街路などがそもそも、人貨の滞留を目的とした建造物では無いからです。つまり単に人の通行や車の一時停車を目的とする施設なので、建物としての要件を満たさないと考えられています。

このように「外気分断性」と「用途性」は単独で判断するものではなく、関連付けて要件を満たすかどうかを考える必要があります。

屋根付き車庫の外気分断性・用途性

では冒頭の問題、屋根付き駐車場は、建物としての要件である外気分断性があるといえるのか?について考えてみたいと思います。

車庫という用途を考えた場合、住宅と同じレベルでの周壁までは必要ないと考えるのが一般的でしょう。更にいえば、自動車を保管する目的だけ考えれば、周壁等がなくとも十分にその利用目的を果たし得るとも考えられます。

しかし、全く壁のない車庫を建物として認定してしまうと、建物としての支配権がどこまでに及ぶかが物理的に確認できないこととなってしまいます。そもそも物置だって、屋根さえあればその目的は果たし得るという解釈もできてしまうかもしれませんね。

そのため、駐車場と言う利用目的を考慮にいれても、少なくとも三方に周壁があることが車庫には必要とされています。

車庫として登記するためには少なくとも三方に周壁が必要

 

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