先日清水寺の登記を紹介しましたが、今回は奈良県の法隆寺です。
法隆寺の境内の広さは約18万7千平方メートル、金堂、五重塔を中心とする西院伽藍は現存する世界最古の木造建築物群と言われています。
法隆寺の建築物群は法起寺と共に、1993年11月に「法隆寺地域の仏教建造物」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されており、これは姫路城とあわせて日本初の世界遺産(文化遺産)認定となります。
聖徳太子(厩戸皇子)ゆかりの寺院としても有名ですね。
法隆寺の登記
法隆寺の登記は金堂を主である建物として、附属建物が6棟登記されています。法隆寺には国宝の建築物でさえ19棟あるはずですので、登記が分かれているんでしょうね。
法隆寺は金堂、五重塔を中心とする西院伽藍と夢殿を中心とする東院伽藍に大別されます。伽藍(がらん)は、僧侶が集まり修行する清浄な場所の意味であり、後には寺院または寺院の主要建物群を意味するようになりました。
では調べてみた登記を一つずつ記載してみたいと思います。
主である登記|金堂
- 所在:生駒郡斑鳩町法隆寺山内873番地
- 家屋番号:90873番の1
- 種類:金堂
- 構造:木造瓦葺重層建
- 床面積:283.07㎡
- 原因及びその日付:年月日不詳新築
金堂(こんどう)は本尊を安置する仏殿のことです。
建物の中には、聖徳太子のために造られた金銅釈迦三尊像(飛鳥時代)、その左右には太子の父である用明天皇のために造られた金銅薬師如来座像(飛鳥時代)、母である穴穂部間人皇后のために造られた金銅阿弥陀如来座像(鎌倉時代)、それを守護するように樟で造られた日本最古の四天王像(白鳳時代)が、邪鬼の背に静かに立っています。そのほか木造吉祥天立像・毘沙門天立像(平安時代)の諸像が安置されています。
まさに法隆寺の核となる建物ですね。
登記の中では重層建というのはかなりのレアな表記じゃないでしょうか。
法隆寺の建物の種類(名前)は法隆寺ホームページ記載の名称とほぼ同様なのでそれぞれの建物の特定が比較的容易です。
引用:法隆寺|境内図
附属建物1|五重塔
- 種類:五重塔
- 構造:木造かわらぶき五層建
- 床面積:116.36㎡
- 原因及びその日付:空白
金堂のとなりに配置されているのが五重塔です。清水寺の三重塔は「木造瓦葺三重造平家建」と平家建の登記でしたが、法隆寺の五重塔は「木造かわらぶき五層建」と五層建と珍しい登記となっています。
附属建物2|中門
- 種類:中門
- 構造:木造かわらぶき重層建
- 床面積:103.00㎡
- 原因及びその日付:空白
西院伽藍への入り口となるのが中門です。扉の左右には金剛力士像(奈良時代)がそびえ立ちます。
附属建物3|西院廻廊
- 種類:西院廻廊
- 構造:木造瓦葺平家建
- 床面積:1059.70㎡
- 原因及びその日付:空白
まわりをぐるりと取り囲む回廊部分です。
附属建物4|大講堂
- 種類:大講堂
- 構造:木造瓦葺平家建
- 床面積:557.12㎡
- 原因及びその日付:空白
仏教の学問を研鑽したり、法要を行う施設として建立された講堂です。延長3年(925)に落雷によって焼失し、正暦元年(990)に再建されています。
附属建物5|西院鐘楼
- 種類:西院鐘楼
- 構造:木造瓦葺平家建
- 床面積:46.18㎡
- 原因及びその日付:空白
鐘楼(しょうろう・しゅうろ)は鐘つき堂です。
附属建物6|経楼
- 種類:経楼
- 構造:木造瓦葺平家建
- 床面積:45.45㎡
- 原因及びその日付:空白
経楼(きょうろう)は経蔵(きょうぞう)、経堂(きょうどう)などとも呼ばれます。経典を納める建物を指します。
まとめ
法隆寺の登記はいかがだったでしょうか。同じような歴史的建築物でも清水寺とはずいぶんと登記が異なりますね。調べてみると色々な発見があり楽しいです。
前回調べた清水寺と同様ですが、誤字等の可能性もありますので、どこかに引用される方は自分で登記を取得していただければと思います。