2017年9月20日、都道府県地価調査の結果が各都道府県の県報にのり、発表されました。
さて、平成29年の地価はどうなったのでしょうか?大都市圏では上昇傾向が見られましたが、その傾向は続いたのでしょうか?地方圏ではまだ下落しているところが多かったですが、反転して上昇にまで至ったのでしょうか?
国土交通省の運営する土地総合情報ライブラリーの公表資料をもとに、日本全体の地価の動向をまとめてみたいと思います。
参考 土地総合情報ライブラリー|平成29年都道府県地価調査の概要
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平成29年地価調査の概要
過去一年の地価の動向は次のとおりです。
平成28年7月以降の1年間の地価について
- 全国平均では、全用途平均は下落しているものの下落幅の縮小傾向が継続している。用途別では、住宅地は下落しているものの下落幅の縮小傾向が継続している。商業地は昨年の横ばいから上昇に転じた。工業地は昨年の下落から横ばいに転じた。
- 三大都市圏をみると、住宅地は東京圏・名古屋圏でほぼ前年並みの小幅な上昇を継続している。商業地は総じて上昇基調を強めている。工業地は名古屋圏を除き上昇基調を強めている。
- 地方圏をみると、地方四市では全ての用途で三大都市圏を上回る上昇を示している。地方圏のその他の地域においては全ての用途で下落幅が縮小している。
もっと簡単にしてみます。
全国の地価動向
全国平均の数字です。
住宅は下落、商業地は上昇(昨年は横ばい)、工業地は横ばい(昨年は下落)
都市圏の地価動向
三大都市圏ではどのような動きをしているのでしょうか。
住宅地(東京圏・名古屋圏)は小幅な上昇、商業地は更なる上昇、工業地は名古屋圏以外は上昇
地方圏の地価動向
三大都市圏以外の地方圏ではどのような地価動向となったのでしょうか。
地方4市(札幌・仙台・広島・福岡)では三大都市圏以上の上昇、その他の地方圏では全用途で下落(下落率は縮小)
遅れて上昇しはじめた地方4市が、三大都市圏以上の上昇傾向を示しています。
このような地価上昇の背景としては次がいわれています。
住宅地上昇の背景
雇用情勢の改善が続く中、住宅取得支援政策等の施策による需要下支え効果もあって、地価は総じて底堅く推移。
商業地上昇の背景
以下の背景から、不動産需要は旺盛で、地価は総じて堅調に推移。
- 外国人観光客の増加などによる店舗、ホテル需要の高まり
- 主要都市でのオフィス空室率の低下などによる収益性の向上
- 都市中心部における再開発等の進展による繁華性の向上
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地価が上昇した地点はどこ?
地価公示や地価調査が発表になると話題になるのが、地価の上昇地点です。
今年一年でもっとも地価が上昇した場所は京都市伏見区でした。下に地図を添付しましたが、伏見稲荷大社の目の前の通りですね。稲荷駅のすぐ近くです。昨年までは三大都市圏の中心市街地が最高上昇地点でしたが、京都駅前からも少し離れた旧来からの商業地(観光地)といったところですね。
基準地番号 | 所在地 | 価格(H29.7) | 変動率 |
伏見5-1 | 京都市伏見区深草稲荷御前町89番 | 350,000 | 29.6% |
ホテル需要というよりも、観光客の増加による投資が盛んといったことでしょうか。京都府の資料をみると、外国人観光客の人気も高いことが要因のようです。
伏見区では、外国人観光客に人気の高い伏見稲荷大社近くの地点(伏見(府)5-1)が29.6%の上昇で、京都府内商業地の上昇率1位となった。
京都府は平均変動率でも商業地では全国トップでした(住宅地の平均トップは沖縄県)。
まとめ
地価調査の結果が発表されたばかりなので、とりあえず概要をなぞってみました。賃貸向けの新規融資額が減少したというニュースもあったりして、やや不動産投資にも陰りが見えてきたのかな?と思っていましたが、まだまだ不動産投資は活発なようです。
今後、特徴的な地価の変動を見せた地域についてもまとめてみたいと思います。