住宅の畳の敷き方にはルール(決まり事)があります。
また、寺院や旅館などは住宅と違った畳の敷き方をします。まずは畳の敷き方の基本的な考え方(祝儀敷きと不祝儀敷き)について説明して、それぞれの部屋の大きさ(間取り、4.5畳間、6畳間など)に応じた畳の敷き方を図を用いて具体的に説明していきたいと思います。
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祝儀敷きと不祝儀敷きとは?
畳の合わせ目は十字にならないように敷くのが一般の住宅の基本的なルールです。
畳の合わせ目を十字にしない
このルールに則った畳の敷き方を「祝儀敷き」といい、反対に合わせ目が十字になるような畳の敷き方を「不祝儀敷き」といいます。
具体的な敷き方の例は後で説明していきます。
祝儀敷きと不祝儀敷きの使い分けはどうなってる?
一般の住宅は祝儀敷きをします。
葬儀など縁起の悪いときには不祝儀敷きをします。昔は家でも葬儀があるときには畳を敷きなおした(祝儀敷きから不祝儀敷へ)ようですが、今はそのようなことはしなくなりました。
不祝儀敷きは、寺院仏閣や旅館の大広間でも行われる畳の敷き方です。
畳の敷き方のまとめ
一般的には祝儀敷き。葬式の場、寺院や旅館の大広間は不祝儀敷き
寺院仏閣や旅館の大広間はなぜ不祝儀敷き?
これにはきちんとした理由があり、大勢の人(参列者や宿泊者)が集まる寺院仏閣や旅館の大広間では、ほとんどの人が同じ方向に向かって座ることが多いので、畳も同じ方向が良いとされています。
理由としては、移動のしやすさや畳の傷みにくさです。特に旅館などの大広間では畳替えなどをするときに畳が同じ方向に敷かれていた方が作業がしやすいので、不祝儀敷きがされます。
寺院仏閣については、そもそも葬式が多く行われるので不祝儀敷きがなされます。
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畳の敷き方の具体例
三畳間の畳の敷き方
一間 × 一間半の三畳間の畳の敷き方です。
四畳半の畳の敷き方
一間半 × 一間半の四畳半の畳の敷き方です。
六畳間の畳の敷き方
二間 × 一間半の六畳間の畳の敷き方です。
八畳間の畳の敷き方
二間 × 二間の八畳間の畳の敷き方です。
十畳間の畳の敷き方
二間 × 二間半の十畳間の畳の敷き方です。
十二畳間の畳の敷き方
二間 × 三間の十二畳間の畳の敷き方です。
その他の畳の敷き方のルール
床の間と畳の関係
畳と床の間は平行になるように敷きます。床の間は上座になるので、畳の縁があることは相手に失礼になります。
部屋の入口と畳の関係
部屋の入口と畳は平行になるように敷きます。入り口から入るときに、畳の目が進行方向になるようにするためです。
切腹の間と茶室の畳の敷き方(四畳半)
四畳半の部屋の特殊なものには切腹の間と茶室があります。
切腹の間と茶室の畳の敷き方は似ていますが、どちら周りで畳が敷かれているかが異なります。
切腹の間をこのように畳を敷くにはきちんと理由があり、切腹した人を真ん中に置き、事が終わった後に畳替えを真ん中だけで済ませることができるからです。
茶室は北側に床の間が置かれることが一般的です。中央の半間の畳は「炉畳」と呼ばれます。
まとめ
何気なく日々接している和室ですが、実は色々なルールがあることが分かったと思います。
また、地域によっては畳の大きさが異なります。これについては別記事「1畳は何平米(㎡)?畳の種類とサイズをまとめてみました。」にまとめていますので、是非参考にしてみてください。