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[書籍紹介] 週刊エコノミスト 固定資産税を取り戻せ!全国で相次ぐ徴収ミス

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先日のエコノミストの特集が「固定資産税を取り戻せ!全国で相次ぐ徴収ミス」という刺激的なタイトルの特集でしたので早速読んでみました。

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最初に

今回の特集は6月7日特大号に組まれたもので、23Pにもわたり税理士や、鑑定士などの不動産業者へのインタビューからの記事、そもそもの固定資産税の総論的なまとめが紹介されています。

詳しい内容を紹介しても仕方ないので、記事の項目をさらりと流す形で記事を紹介していきたいと思います。

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固定資産税を取り戻せ!

まず冒頭で固定資産税が現在の税収の中でいかに安定した財源となっているかを説明し、またその評価方法の複雑さ、複雑さからくる徴収ミスについて指摘しています。市役所などの市町村担当者は数年に一度に異動してしまうので、不動産のことについてはほぼ素人です。そしてようやく評価について分かってきたところでどこかほかの部署に異動してしまうのが実情です。

税のスペシャリストである税理士も固定資産税については専門としている人が少ないのが現状です。鑑定士もそうですが、最近は相続税をビジネスチャンスとして相続税を専門に扱う税理士は増えました。しかしながら固定資産税は税の還付額も少ないですし、申告納税方式なので業務としてのうま味がないと言われています。そもそも不動産や建築に詳しい税理士が少ないので、専門として勉強をするには範囲が広すぎてやりきれないっていうところもあるんでしょうね。

REITなどの大規模事務所ビルでは建物のチェック項目が多すぎて建物の評価をするのがとても大変です。記事には評価額の算定までに2年近くかかるなんてことも紹介されていました。大規模事業ビルの評価方法の見直しについては、以前東京都の取り組みを紹介しました。

東京都、固定資産評価法の見直しへの議論を開始

先日ニュースを見ていたら、面白そうな記事がありました。 都、固定資産評価法見直しへ議論開始 東京都は21日、大規模な事業用ビルの固定資産評価法の見直しに向けた有識者検討会の初会合を開いた。都心で増える ...

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固定資産税の基礎知識

冒頭で現在の問題点を指摘した上で、そもそも固定資産税の仕組みってどうなっているの?というところがまとめられています。

書籍の内容

  • そもそも「固定資産」って?
  • 税額はどうやって決まる?
  • 評価額を決めるのは誰?
  • 誰が税気を納めるの?
  • 土地の評価法は?
  • 家屋の評価法は?
  • 償却資産の評価法は?
  • 疑問や不服がある場合は?
  • 滞納するとどうなる?

固定資産税の仕組みの外観を基礎的なところからうまくまとめられています。固定資産税の評価額は実は他の税金の算出にも使われています。都市計画税や登録免許税などですね。

固定資産税評価額が影響する税

  • 都市計画税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 相続税・贈与税

私の固定資産税”3つのチェックポイント”

課税される側の人間(納税者)として、どのような点をチェックしなければいけないのかがまとめられています。通常納税者は納付書が届けばその金額を納付するだけです。しかしながら課税する側の担当者もそこは人間。たまには誤りもありますので、納税者でも自分に課されている税金が正しいのかをチェックすることが必要ですね。

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課税明細書

毎年春になると市町村から納税通知書と課税明細書が届きます。都市計画税も同じように課税されるので、固定資産税と都市計画税の納付書はセットになっていますね。

固定資産税は現況をもとに課税されるので法務局での登記とはやや数量や地目などが異なっている場合があります。実際の不動産の現況と課税明細書を照らし合わせてチェックします。

土地

土地については地目や数量が問題になることが多いでしょうか。実際農地として使用しているのに宅地として課税されている。または縄延びや縄縮みがあって登記と現況の数量(大きさ)が異なっているのに、登記の数字が安易に採用されいる場合には現況に直すことも可能です。

家屋・償却資産

家屋や償却資産については、素人ではなかなかどうチェックして良いのか分かりませんね。庭に置いてあるだけの物置がたまに課税されていたりする場合もあります。これについては判断が難しいですが、疑問に思う構築物があったのなら課税担当者に確認することも必要でしょう。

こうして取り戻した6事例

実際に固定資産税が見直されたケースが6事例、大規模ビルから個人用住宅までの幅広い事例が紹介されています。

  1. 不要な増点補正
  2. 資材量を過大評価
  3. 建物と設備を二重課税
  4. 廃業後も事業所として課税
  5. 地目に誤り
  6. 地蔵堂は減免される

地目の誤りについては、不動産鑑定士にも市役所担当者から相談があったりするケースですね。特に雑種地については判断が難しいものが多々あります。

納骨堂は非課税か割れる判断

コラムのようなかたちで納骨堂が課税の対象となるのかならないのかについて書かれています。普段は考えたことがなかったんですが、掘り下げてみると色々な考えがあるんですね。

海外とはこんなに違う!

海外との制度比較です。

海外での固定資産の評価方式の違いなどが紹介されています。税収についても書かれているんですが、総税収に対する割合は減少傾向にあるものの他の国と比較すると高いんですね。

匿名座談会「現場関係者が内幕を語る」

ここは内容は触れませんが是非読んでいただきたいですね。固定資産税というブラックボックスが現場でどのように扱われているのか。本当か嘘かは分かりませんが、課税担当者や税理士、自治体OBによる匿名座談会が記事になっています。

空き家にはペナルティー「固定資産税は大幅増税に」

よく話題になる空き家問題ですが、固定資産税の側面からも空き家対策を行なおうということで、空き家でも適用されていた住宅用地の特例が認められなくなることになっています。

人口減少社会の中、多方面から空き家対策をしていかないといけないですね。

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まとめ

久し振りにエコノミストを購入して読んでみたんですが、固定資産税という身近な題材だったこともあり、小一時間でさくっと読めてしまいました。

固定資産税は大半が不動産に賦課される税金ということで不動産鑑定士は評価の面や地目の認定など色々な場面で携わる機会が多い税金ですね。鑑定士にとっても頭が痛いことも書かれていますが、素直に受け止め今後の業務に生かしていきたいものです。

amazonのリンクを貼っておきますが、Kindleの電子書籍版になるのでご注意下さい。

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