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アパートの建築費はいくら?坪単価の相場は?(最新)

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私は不動産鑑定士という不動産を評価する仕事をしているんですが、最近アパート・マンションの収益物件の評価を数棟行っていました。

その際、アパート、マンションの建築費用、坪単価の相場を調べました。

鑑定評価上は付き合いのあるゼネコンにヒアリングして教えてもらったりしていたんですが、統計ではどのようになっているのかが気になったので、国土交通省の発表している住宅統計調査を調べてみました。

URL 国土交通省|建築着工統計調査報告(平成29年計分)

平成31年1月末に新しい統計結果が公表されるまでは、最新の統計に基づいています。

分析に使用している統計データは2015年の住宅着工統計、「34.(新築住宅)利用関係別、構造別、建て方別(住宅の工事費)/戸数、床面積、工事費予定額、1戸あたり工事費予定額、1平米あたり工事費予定額」になります。

一戸当たりの工事費予定額は、建築主別、資金別、構造別の3種類が公表されていますが、木造や鉄骨造など構造の違いによる建築単価の相場を調べるために構造別を採用しています。

工事費予定額の種類

  • 建築主別…国等の地方公共団体、会社、会社でない、個人
  • 資金別…民間資金住宅、公営住宅、住宅金融支援機構住宅、都市再生機構住宅
  • 構造別…木造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、コンクリートブロック造

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構造別のアパート・マンションの建築単価

国交省の統計資料(住宅着工統計)をもとに、貸家の共同住宅を構造別にまとめたのが下の表です。

構造 戸数(戸) 床面積(㎡) 工事費(万円)
総計 271,451 11,775,310 247,152,764
木造 75,256 2,519,358 42,157,072
SRC造 2,324 114,547 2,835,806
RC造 106,171 5,049,341 109,865,736
鉄骨造 87,361 4,077,060 92,021,358
CB造 84 3,474 62,195
その他 255 11,530 210,597

県別にも公表されていますが、全国の数字を採用しています。建築単価と坪単価のみを抜き出して表にしてみました。

戸建てのアパートなどもあるので、実際の共同住宅はもっと戸数が多いですが、年間27万戸も建築されているんですね。

アパート・マンションの建築単価・坪単価

アパート・マンションの建築単価・坪単価を計算してみました(平成29年最新)。

構造 建築単価 坪単価
木造 167,333 55.3万円
鉄骨造 247,567 81.8万円
鉄筋コンクリート造 217,584 71.9万円
鉄骨鉄筋コンクリート造 225,705 74.6万円
コンクリートブロック造 179,030 59.2万円
その他 182,651 60.4万円
合計 209,891 69.4万円

木造は坪55万円程度、鉄骨造などは坪82万円

下の数字は2年前、平成27年の統計結果です。

構造 建築単価 坪単価
木造 164,319 54.3万円
鉄骨造 213,297 70.5万円
鉄筋コンクリート造 214,510 70.9万円
鉄骨鉄筋コンクリート造 213,707 70.6万円
コンクリートブロック造 144,295 47.7万円
その他 162,826 53.8万円
合計 204,532 67.6万円

全体的に建築費が上がっていることがわかりますね。

実際には建築単価は間取りによっても異なります。1Kの単身者用と3LDKのファミリー向けのマンションではやはり異なりますよね。1Kの方が壁や建具、設備が増えるので単価は高くなる傾向にあります。

アパート・マンションの平均的な大きさ

せっかくなのでもう少し分析してみます。平成29年に建てられたアパートの平均的な一戸の大きさを計算してみました。

間違えていけないのは、住宅着工戸数で発表されている戸数は、棟数ではありません。10戸のアパートが1棟あれば、それは10です。

構造 広さ(一戸当たり)
木造 33.4㎡
鉄骨造 49.2㎡
鉄筋コンクリート造 47.6㎡
鉄骨鉄筋コンクリート造 46.6㎡
コンクリートブロック造 41.4㎡
その他 45.2㎡
合計 43.4㎡

構造別の数字を見てみると、木造だけ小さく、その他は大きいことが分かります。木造は35㎡なので単身者用が多いことが分かります。その他の40㎡半ばですと、1LDKや2DKぐらいの大きさでしょうか。

木造は単身者向けが多く、S造などはファミリー向けが多い

一戸当たりの大きさでいうと、県別の数字も分析してみたいですね。東京などの都心と田舎ではどのぐらい大きさが違うんでしょうか。田舎の方が広そうな気もしますが、東京の方がファミリー向けの物件が充実している気がするので、案外東京の方が一戸当たりの大きさが広いかもしれません。

建築工事費予定額には何が含まれるのか

建築着工統計調査報告の建築工事費予定額を分析してみましたが、そもそも建築工事費予定額にはどこまでの建築費が含まれるのでしょうか?

建築工事費予定額とは?

  • 主体工事の工事費
  • 建築設備(建築基準法第2条第3号の定義によるもの)の工事費

主体工事については、建物本体の工事費用なので問題ないと思います。建築設備とは何でしょう?建築基準法の定義を確認してみます。

建築基準法第2条第3号(建築設備)

建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。

つまり、建物を利用するために一体となって機能する設備一式です。空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備、エレベーターなどが設備に該当します。

受水槽や浄化槽などが設けられているアパートもありますが、これらも含みます。受水槽や浄化槽は通常建物の外(地中など)にありますが、建築物と一体として設けられる設備は含むという扱いになります。

建築工事費・建築設備に含まれないもの

土地代はもちろんのこと、土地造成費と外構工事費は建築工事費には含まれません。

アパート・マンション1棟を建築するのにいくらかかるのか?

建築工事費に設備が含まれることが分かったので、アパート・マンションを建築するのにいくらかかるのかを計算してみたいと思います。

単価が異なるので木造と軽量鉄骨造(統計では鉄骨造に含まれる)を例に試算してみます。

木造アパートの建築費

8室(8戸)程度の小規模なアパートを想定します。

タイプ 1K 2DK
広さ 25㎡ 40㎡
建築単価 165,000円 165,000円
1室の建築費 413万円 660万円
室数 8戸 8戸
総建築費(1棟) 3,300万円 5,280万円

軽量鉄骨造アパートの建築費

次に軽量鉄骨造のアパートの建築費です。木造よりも鉄骨系の共同住宅の建築の方が多いです。

タイプ 1K 2DK
広さ 25㎡ 40㎡
建築単価 210,000円 210,000円
1室の建築費 525万円 840万円
室数 8戸 8戸
総建築費(1棟) 4,200万円 6,720万円

まとめ

アパート・マンションを建てるための目安の金額が分かったでしょうか?

実際はこの建築費に、土地代や造成費、外構工事が必要となります。その他は、登記費用や火災保険料、設計料もかかります。




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