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不動産登記法第76条第1項の規定により移記とは何か。

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「不動産登記法第76条第1項の規定により移記」と書いてある登記を見ることがあります。

下の全部事項証明書は、東京タワーの登記ですが、「不動産登記法第76条第1項の規定により移記」と書かれていますね。

さて、「不動産登記法第76条第1項の規定により移記」とはどういう意味なんでしょうか?

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不動産登記法第76条第1項の規定により移記とは

気を付けなくてはいけないのは、平成17年3月に不動産登記法は改正されているということです。

ここでいう不動産登記法第76条第1項は旧法での条文となります。

旧不動産登記法 第七十六条

  1. 登記用紙ノ枚数過多ニシテ取扱不便ト為ルニ至リタルトキハ其登記ヲ新用紙ニ移スコトヲ得
  2. 前項ノ場合ニ於テハ表題部及ビ事項欄ニ移シタル登記ノ末尾ニ同項ノ規定ニ依リテ登記ヲ移シタル旨及ビ其年月日ヲ記載シ登記官捺印スルコトヲ要ス
  3. 第一項ノ規定ニ依リテ登記ヲ移シタルトキハ前登記用紙ヲ閉鎖スルコトヲ要ス
  4. 第一項及ビ第二項ノ規定ハ表題部又ハ各区ノ枚数過多ニシテ取扱不便ト為ルニ至リタル場合ニ之ヲ準用ス
  5. 前項ノ規定ニ依リテ登記ヲ移シタルトキハ前ノ表題部又ハ各区ノ用紙ハ之ヲ閉鎖シタル登記用紙ト看做ス

旧仮名遣いなので読みづらいですが、要約すると、「枚数がたくさんの登記は新しい用紙に移しても良いですよ」と書かれています。専門的にいうと「枚数過多による移記登記」のことをいいます。

不動産登記は、年月が経てばたつほど登記事項が増えていきます。

旧不動産登記法の下では、まだバインダー式の登記簿で実際に紙に登記情報が書かれていました。今のようにコンピューター化されていなかったんですね。

用紙をどんどん増やすのは大変なので、枚数が増えすぎたときは、新しい用紙に移すことが認められていました。

ちなみに現在の改正不動産登記法第76条第1項の規定はこちら。

不動産登記法 第76条(所有権の保存の登記の登記事項等)

  1. 所有権の保存の登記においては、第59条第三号の規定にかかわらず、登記原因及びその日付を登記することを要しない。ただし、敷地権付き区分建物について第74条第2項の規定により所有権の保存の登記をする場合は、この限りでない。
  2. 登記官は、所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、職権で、所有権の保存の登記をしなければならない。
  3. 前条の規定は、表題登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をする場合について準用する。

移記登記とは全く関係ありませんね。

現不動産登記法「記録事項過多による移記」とは

現在の不動産登記法にも似たような規定があります。

それが、不動産登記規則第6条の「記録事項過多による移記」です。

不動産登記規則 第6条(記録事項過多による移記)

登記官は、登記記録に記録されている事項が過多となったことその他の事由により取扱いが不便となったときは、登記を移記することができる。この場合には、表示に関する登記及び所有権の登記であって現に効力を有しないものも移記することができる。

現在はコンピューター化により、登記事項は記録されていますが、現在でも登記記録があまりに多くなったときは、新しい登記に移記することが認められています。

まだ私は「不動産登記規則 第6条による移記」登記は見たことはありませんが...

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