不動産鑑定士が不動産実務に役に立つ情報(TIPS)を綴ります

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専門書は高い。本棚にある高かった本を徹底レビュー。

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いきなりですが、専門書って高いですよね。一般的に2,000~3,000円くらい、高いものだと5,000円近くするものがざらにあります。値段を確認せずにレジに行ったら、手持ちが足りなくて仕方なくカードで...なんてことも何度か経験しています。

今日は本棚に眠っている(きちんと読んでいないものも数冊...)高かった本と実際買って良かったかどうかを書いてみたいと思います。

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高かった書籍ベスト7!(ワースト?)

実際書棚の全部の本を確認したわけじゃなく、この本高かったよなーというものを見繕って書いています。ですので、実はもっと高かった。なんて本も眠っているかも知れません。

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25,200円|建物の鑑定評価必携―建物実例データ集

文句なしの一位です。タイトルに必携と書いてあるとおり、鑑定評価に携わる者であればほぼ間違いなく持っている書籍ではないでしょうか。

内容は、建物の再調達原価(いくらで建物を建てられるか)が豊富な実例とともに紹介されているデータ集です。戸建て住宅や事務所ビルからはじまり、病院や公民館、小学校などの特殊な用途(種類)の建物の実例が記載されているので、実務においては欠かすことのできない資料です。

建物の鑑定評価必携―建物実例データ集

建物の鑑定評価必携―建物実例データ集

26,400円(11/21 12:15時点)
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同じような書籍に外構や工作物に特化した実例データ集もありますが、こちらも高く、23,760円もします。買った当時はまだ消費税が5%でした。似た書籍ということで建物実例のみをランキング対象としました。

建物の鑑定評価必携 外構・工作物実例データ集

建物の鑑定評価必携 外構・工作物実例データ集

「建物の鑑定評価必携」編集委員会
24,200円(11/21 20:54時点)
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16,200円|不動産投資分析―不動産の投資価値とファイナンス

絶版となっているんでしょうか。新品の書籍はamazonにはありませんでした。不動産金融工学の第一人者川口有一郎さんの著書ですね。出版された2006年頃は不動産金融工学などの学問が流行っていましたね。最近はあんまりみかけなくなりましたがどうなんでしょう。

私が関心を無くしてそのコーナーに立ち寄らなくなっただけの気もしますが。

900頁にわたる書籍なので全部は読んでいません。1万円を超える本なのにもったいないことしてますね。

不動産投資分析―不動産の投資価値とファイナンス

不動産投資分析―不動産の投資価値とファイナンス

デビッド ゲルトナー, ノーマン G.ミラー
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7,776円|不動産関係訴訟 (専門訴訟講座)

民事法研究会から出されている専門訴訟講座というシリーズの一冊です。編者には不動産鑑定ではお馴染みの澤野順彦さんも携わられています。

中身は結構面白くて、不動産売買からはじまり、借地・借家、危険負担や立退き料、競売等の紛争実例、賃料増額などの様々なケースについて法的なアプローチから判例とともに説明が加えられています。

気になる章は全部読みましたし、この本は買って損はなかったなと感じています。しかし実務でそんな案件がくるのかっていうとそれは別問題で素養をつけるためって感じでしょうか。

7,776円|執行官実務の手引

執行官向けの書籍になります。内容は執行官制度の創設からはじまり、事務や手続きの内容。職務である民事執行についての包括的な書籍です。執行官に聞いたことはないんですが、執行官は必ず持っているような書籍なんでしょうか。

私がこの書籍を買った理由は、執行官って面白そうだなって思っていた時期があったというのもありますし、評価人として不動産競売に携わっていると執行官とは関係性を密にする必要があります。ですので、不動産の現況調査とはどんなものなんだろうと興味が沸いたからです。執行官や執行官を目指す人でなくても、不動産競売に携わる不動産鑑定士なら、現況調査報告書と評価書の理解を深めるという意味では有意義な書籍かと思います。

執行官実務の手引

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6,912円|不動産―専門弁護士養成連続講座

弁護士向けの書籍になるんですが、不動産の領域に特化して重要な問題をとりあげて解説をした書籍です。元々は東京弁護士会が専門の弁護士を養成するために開催した講座の会議録のようですね。会議録をまとめて実務者や学者のために発行した書籍です。

サブリースの判例など有名な判例についても書かれていますし、4章には「不動産評価・鑑定の知識と実務の動向」として森島義博さんが鑑定評価についても書かれています。「鑑定士によって評価額に違いが出るのはなぜか」なんてことも書かれていてとても面白いですね。

5,184円|Q&A 表示に関する登記の実務〈第2巻〉合筆登記・地積更正・地目変更・地図訂正

「表示に関する登記の実務」は第1巻~5巻までのシリーズでその他に筆界特定制度についての別冊があります。

2巻は土地についての合筆登記、地積更生、地目変更、地図訂正の4項目について183問もの実例とともに紹介・説明が加えられています。評価の仕事をしていても実際の現況地目を判定するときはかなり迷うときがあります。そんなときにこの書籍をみるとだいたいはケーススタディーで同じようなケースが紹介されています。

ですので私が読むのはほとんどが地目変更(宅地の認定や農地の転用など)についての章です。知人からこれ何?と地目についての相談の電話がたまにかかってくるんですが、この本を持っているおかげでほとんどが答えることができています。

4,860円|Q&A 表示に関する登記の実務〈第4巻〉建物の表題登記・建物の増築の登記

先ほどの本の建物の表示登記についての第4巻になります。

こちらも185問のQ&A形式の説明となっているのでとても分かりやすい本です。建物として認定されるためにはどのような要件が必要か、複数の構造の場合の表記の仕方、床面積の認定についてや、主である建物か附属建物かどちらにすべきかなどの建物についての基本的な悩みをほとんど解決してくれます。

4,320円|新版 不動産有効活用のための 建築プロジェクトの企画設計・事業収支計画と投資採算評価の実務

基本的にはデベロッパーなどの開発事業者向けにどうやって収支計算を行って投資採算性を評価するのかを書いた書籍です。不動産の評価をやっていると収益還元法や開発法の適用などでコストを積算する必要があります。不動産鑑定士は実際に開発に携わっているわけではないので、造成費、解体工事費、維持管理費や水道光熱費、修繕・更新費などといっても慣例に基づいた数字を使っているにすぎません。実際の市場ではどのような数字が用いられているんだろう?と疑問に思うことが多いんですが、各項目について算出方法や算出例を紹介してくれているので、数字の検証をするときに役に立ちます。曖昧な文章ではなくきちんとした数字で紹介してくれているのがありがたいですね。新版では介護付き有料老人ホームの開発についてが加えられました。

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まとめ

ベスト7って書いたんですが、数えてみたら8冊ありましたね。

専門書は高いんですが、業務として不動産に携わる以上は様々な知識に触れておく必要があります。条文や数字などを覚えておかなくても、ここに書いてあったと何となく覚えておくだけで実際に問題に直面した時に何らかの解決策が出てくることも多いです。

特に専門書は多い部数を刷っているわけではないですし、すぐに絶版になってしまいます。書籍を見かけたときに気になって、数年度に買おうって思っても本自体が売ってないことが多々あります。

仕事で使うものですし気になったら即購入。ぐらいがちょうど良いのかもしれませんね。ま、積読(つんどく)なってしまうものも多いですが...




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