木耐協の調査によると、平成12年5月以前の木造住宅は90%超の住宅(木造在来工法)が耐震性が不足しているとの結果が出ています。
特に旧耐震基準建物といわれる昭和55年以前の建物に関しては98%以上の住宅が耐震性に問題があります。
ここまで深刻化している耐震性不足。では、耐震補強工事・リフォームはいくらかかるのでしょうか?
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耐震性不足とは?
工事・リフォームに触れる前に、耐震性不足とはいったいどのような状態なんでしょうか?
問題があるかどうかの判断は大地震が起きたときに倒壊するかどうかを判断基準にしています。大地震とは建物が建っている間に遭遇するかどうかという極めてまれな地震(数百年に一度起こる震度6強クラスの地震)をいいます。
建築基準法の考えでは、大地震の時には人命を守る。中地震の場合には建物という財産を守ることを安全上の目標としています。
ここで中地震とは建物が建っている間に何度か遭遇する可能性のある地震(震度5強程度)をいいます。
先の問題のある98%についてもうちょっと詳しく見ていきましょう。
倒壊しない:0.12%
一応倒壊しない:1.75%
倒壊する可能性がある:11.23%
倒壊する可能性が高い:86.91%
旧耐震基準の住宅では約87%の建物が倒壊する可能性が高いと判断されています。昭和56年以降の新耐震基準の住宅(平成12年以前)についても約63%の建物が倒壊する可能性が高いということです。
一昔前であれば大地震なんて起こることなんて無いと高を括っていましたが、東日本大震災や最近の熊本地震など頻繁に地震が起きている昨今では、地震の恐怖が他人ごとではないんじゃないでしょうか。
自分の家が耐震性不足なのかを簡単にチェックするためには
中古住宅を購入するとき、または長く住んでいる自分の家が耐震性が十分なのかどうかを判断するには、詳しくは一級建築士などの専門家の調査が必要です。
しかし、専門家にお願いまでしなくても、自分で簡単に地震に強い建物かどうかを見極める方法があります。
別記事「建物の耐震性を簡単に調査・見分けるコツ[不動産調査]」では、どのような住宅が地震に弱いのか、自分の住宅の耐震性を見極めるコツを書いています。
専門家にお願いする前に、まずは自分でチェックしてみてはいかがでしょうか。
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建物の耐震性を簡単に調査・見分けるコツ[不動産調査]
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そこで求められるのが耐震改修工事です。では耐震改修工事はいくらぐらいかかるのでしょうか?
耐震改修工事の費用
もちろん正確な費用を出してもらうには建物の耐震診断をしてもらう必要があります。
一般的にはいくらぐらいの費用がかかっているのでしょうか?日本建築防災協会の調査では一番多いのが100~150万円の工事費用のようです。
先ほどの木耐協でも耐震補強工事の調査をしています。旧耐震と新耐震でわけて数字がだされています。
旧耐震基準建物の耐震工事
- 耐震補強工事の平均施工金額 :169万3,287円
- 耐震補強工事の施工金額中央値 :150万0,000円
- 平均築年数 :37.26年
旧耐震(昭和56年以前の建築)の住宅であれば、100万円後半が耐震工事費用の相場だといえます。
旧耐震は、100万円後半の費用がかかる!
新耐震基準建物
- 耐震補強工事の平均施工金額 :134万6,704円
- 耐震補強工事の施工金額中央値 :110万0,000円
- 平均築年数 :20.47年
木耐協の調査の方が詳しく調査がなされていますが、ほぼ同様の水準ですね。
新耐震基準の住宅であれば、100万円前半あれば耐震補強ができそうです。
実際の耐震補強工事するにはいくら必要?
では、実際に耐震補強工事を考えたとき、100万円~200万円で足りるのでしょうか?
耐震リフォームの実例を調べてみても、ほとんどは総額500万円以内に収まっていますが、2割弱は500万円~1,000万円の費用をかけてリフォームしています。
なぜでしょうか?
耐震補強をする際に、家の間取りの変更、内外装のリフォームなどの耐震性とは関係のないリフォームも、一緒におこなうケースが多いからです。
耐震補強を考えるような住宅はそれなりに築年数が経過したものです。
耐震性以外にも、クロスや天井、建具などが傷んでいるケースが多いです。
耐震補強工事と内外装などのリフォーム工事を別に行うよりも、一緒に工事してしまう方が、手間も少ないですし、何より価格を安く抑えることができます。
耐震工事をするときは、リフォーム工事も一緒にした方がリーズナブル!
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耐震補強工事については、自治体で各種の補助を出している場合も多いです。あわせてリフォーム会社にご相談ください。