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森友学園の建築費問題。小学校・体育館の建築費用はいくら?価格を検証してみます。

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森友学園の問題ですが、新たに建築費用がいくらかかったのかが問題となっていますね。毎日毎日新たな問題がでてきています。

学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市の国有地を購入し、現地で4月の開校を目指している小学校舎・体育館の建築費について、国が補助決定時に15億円前後とした一方、学園は府私学審議会に7億5600万円と報告していたことがわかった。二つの額に倍の開きがあり、府教育庁は学園に説明を求める方針。

引用:毎日新聞DIGITAL|森友、建築費2通り 国査定15億円、府には半額で報告

建築予定の小学校の校舎・体育館について、補助金を求める国に対しては約15億円と申請していたのに対し、府私学審議会には7億5600万円と報告していたようです。

不動産のスペシャリスト、さくら事務所の長嶋修もこんなtweetをされていました。

スペシャリストになると、高い安いの判断が簡単にできるんでしょうが、凡人にはできません。色々な資料をもって一般的にはどのくらいの金額がかかるのかを調べてみたいと思います。

小学校の校舎・体育館の概要

構造は鉄骨造、しかし外壁や廊下に木を多く使い木造校舎に見えるように設計するような凝った作りとなっているようです。小学校などの校舎は一般的にはRC造(鉄筋コンクリート造)が多いので、一般の小学校とは異なるようです。

大きさは、2階建て(一部3階)、延べ床面積は5,796㎡です。

価格を検討する場合、単価に直してみるのが一番簡単な方法です。15億円と7億5600万円をそれぞれ延べ床面積(5,796㎡)で割って建築単価を出してみます。

15億円:197,472円/㎡(坪65万円)

7億5600万円:130,435円/㎡(坪43万円)

価格は高いのか?安いのか?

上の金額だけでは、これが高いのか?安いのか?なんとも言えません。では、ここで一つ建物価格についての資料を用いて検証してみます。

使う資料は建設物価調査会の発行している「建物の鑑定評価必携」です。不動産鑑定士であれば必ず持っている一冊です。住宅からはじまり、事務所、工場、病院など色々な建物の実例データが記載されており、実際どのくらいの価格がかかったかが載っているデータ集です。

建物の鑑定評価必携―建物実例データ集

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建物の鑑定評価必携

学校のデータ集のほとんどがRC造なので、S造は一つ幼稚園の建築実例があったのみです。延べ面積は1,000㎡弱なのでやや小さい2階建ての建物です。

幼稚園(S造):247,000円/㎡(坪82万円)

その他、RC造ではありますが小中学校のデータをあげてみます。2つの事例ですが、工事費の分布の中では低位に位置する事例です。つまりちょっと多数のデータの中では安めの事例だということです。

小中学校(RC造):142,000~161,000円/㎡(坪47~53万円)

もう一度森友学園の建築価格を記載します。

15億円:197,472円/㎡(坪65万円)
7億5600万円:130,435円/㎡(坪43万円)

上の建築実例の価格を見てみると、15億円の方が正しいのかな?という気がしますね。

建築着工統計調査

もう一つ統計資料を使ってみます。次に使うのは毎年1月末に国土交通省から公表される建築着工統計調査・住宅着工統計調査です。

URL:国土交通省|建築着工統計調査報告(平成28年計分)

記事も書いていますので、合わせてお読み下さい。

参考:建築着工統計調査(H28年)に見る用途別・構造別の建築単価

この中の調査項目の中には学校の校舎もあり、建築費の調査がなされています。床面積と工事費(予定額)が記載されていますので、予定工事費を床面積で割ることにより学校の建築単価を計算することができます。

まとめてみます。

学校の校舎の建築単価

木造:258,414円(坪85万円)
SRC造:315,238円(坪104万円)
RC造:274,254円(坪91万円)
S造:235,597円(坪78万円)

いずれも森友学園の15億円の建築単価197,472円/㎡(坪65万円)よりも高いですね。同じS造の建築単価は235,597円の統計結果となっています。

まとめ

実際に建物の仕様がどうなっているかなど、詳しいことを知っている訳ではないので森友学園の建築費、15億円と7億5600万円がどちらが正しいかを判断することはできません。

しかし、上であげたデータから見ると、7億5600万円という金額は結構安い金額だと分かると思います。単なる鉄骨造(S造)ではなく、木をふんだんに使った凝った造りをしているとのことなので費用もそれなりに多くなると思います。それなのに7億5600万円(坪43万円)で建築することができるの?という気がしますね。坪43万円の建築単価ですと、住宅でもローコスト住宅しか建築することができません。

報道を見ていると理事長さんはかなりの発言力を持った方のようなので、鶴の一声でゼネコンを安く使うことも可能なのかも知れませんが...

今日はこの変で。




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