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間口とは?その測り方は?隅切りの扱いや建築基準法についてまとめてみました。

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不動産を扱っていると、間口という言葉をよく聞きます。

辞書をひくと、

間口(コトバンク)

  1. 土地・家屋などの正面の幅。表口。「間口二間(にけん)の店」⇔奥行き。
  2. 研究・事業などの領域。「商売の間口を広げる」「間口の広い学者」

と書かれています。不動産業でいう間口とは1の意味の「土地などの正面の幅」を指します。

単に出入りする幅が広いか狭いかという意味ではなく、間口次第では、土地に建物が建築できなくなってしまうこともあります。

そのため、間口は重要な調査の一つです。今回は間口について説明したいと思います。

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間口とは?

土地の間口は、接道長さとも言い換えることができます。つまり、敷地が主たる街路に接する部分の長さです。

もっとも単純な例で考えると下の図の矢印の部分です。

間口次第で建築不可能な土地に!

図で2m以上と書きましたが、土地に建物を建築するためには、道路に2m以上接していなければなりません。これを接道義務と言います。

接道義務に関しては、別記事「接道義務とは?都市計画外もかかる?接道の要件は?などを徹底解説します。」にて詳しく解説しています。

大事なことなので2度書きますが、間口が2m以上なければ、その土地には建物を建築することができません。建築不可能な土地となり、土地の資産価格もかなり安くなってしまいます。

建物を建てるためには間口が2m以上必要!

また、一定規模の共同住宅などは、更に広い幅の間口が必要になることもあります。こちらも接道義務の記事に解説しています。

参考 接道義務とは?都市計画外もかかる?接道の要件は?などを徹底解説します。

間口の測り方・測定方法

色々な例で、間口の測り方を説明していきます。

一般的な考え方に基づいて間口の測定方法を紹介していますが、絶対の測定方法を示すものではありません。接道義務を満たすかどうか怪しい土地の調査に当たっては、建築確認の担当課の窓口で、どのような測定方法をするのかを確認してください。

旗竿敷地の間口

旗竿敷地の間口は、路地状部分の幅で測定します。

似た例ですが、次のような敷地の場合はどうでしょう?道路との接面部分は2m以上ありますが、建物を建築する部分に至るまでの通路で1.8mとなっています。これでは接道義務を満たさないので建築不可の土地となります。

水路が敷地との間にある土地

道路と敷地の間に水路がある場合の間口はどう考えればよいでしょうか。この場合は、土地の幅を測定するのではなく、橋の幅を測定することになります。また、水路を占有する場合は、別途水路管理者(市町村や土地改良区など)への水路占用許可が必要となります。

水路だと思っていても、道路の一部(道路側溝)として扱われる場合もあります。合わせて道路管理者に確認します。

進入部分が2カ所ある場合

旗竿敷地の変形になりますが、進入部分(路地状部分)が2か所ある場合、一つでは2m無いが合計すると2m以上になる場合は、接道義務を満たすでしょうか?間口はつながった直線で2mであることが必要ですので、この場合の間口はあくまで1m。接道義務を満たさないので建築不可の土地となります。

隅切りがある場合の間口

隅切りがある場合、間口はAとBのどちらになるでしょうか。これはAの長さを測ることになります。

行き止まりの道に接する敷地

位置指定道路などの行き止まりの道の一番奥の土地の場合、下の図のとおりの間口となります。

次は特殊です。

1mと1mで2m以上接しているような気がしますが、間口は足し算をしません。斜めの矢印の幅が間口となります。

間口の狭い広いによるメリット・デメリット

通常、間口が狭いとデメリットが大きく、価値も減少します(減価します)。

つまり、住宅地の場合は、間口が狭いことは出入りの便、採光、通風等の面で不利になります。建物や駐車場の配置の面でも制限が大きくなります。商業地の場合も住宅地と同じ点で不利になります。商業地はお客さんの視認性や車・人の出入りの容易さなどが土地の価値を決める上での重要な要因となります。郊外店などでは特に駐車場の設置が重要になることから間口の狭さは大きな減価になります。

反面、間口が広いことによる減価は、一般的には特段ありません。奥行や面積との複合的な要因を考えると減価も考えられます。

間口が2m未満の土地は要注意!

間口が2m未満の土地は、建築不可能な土地となります。

建物が建てられない土地となると、価値も半減。場合によってはそれ以上の減価かもしれません。

正確に間口を測定して、購入した土地が家が建てられなかった!なんて事故がくれぐれもないようにお気を付けください。




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