不動産の鑑定評価書をみると、よく書いてある言葉が「地縁的選好性」です。不動産鑑定士と話していても、"ちえんてきせんこーせー"なんていう分かるような分からないような言葉を使いますね。
ちょっと地縁的選好性について説明していきたいと思います。
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地縁的選好性の意味
まずはこの言葉を分解して調べていきたいと思います。
地縁
住む土地に基づいてできる縁故関係
つまりは長く住むことによってできてくる人間関係。これは血縁のある親戚だけじゃなく、血縁じゃない特別な人間関係も含みます。
選好
他よりもあるものを好むこと。
引用:weblio辞書|選好
まとめます。
地縁的選考性の意味
人は住んでいるとその地域の人と色んな関わりがうまれます。それが地縁ですね。不動産を選ぶとき、例えばアパートを引っ越すときにはそんな地縁を頼りにして、ゆかりのある地域を選びがちですよ。それが地縁的選好性です。
鑑定評価の中では人的関係性だけではなく、その地域そのものも含んで使われることが多いです。人間関係を頼りにして好むだけじゃなく、その地域の雰囲気やお店、住んでいたことによる慣れ、知識なんかが不動産を選ぶときの判断に大きな影響を与えます。
地縁的選考性の具体例
例えばでですが、静岡出身の人が東京に出てきたとき、どこに家を借りるかを調べると東京の西側を借りる人が多いと言われています。自然と静岡に近い側の東京を選ぶということです。
もちろん、実家が静岡にあって利便性の観点から東京の西側を選ぶというのも理由の一つとして考えられますが、それだけではないようです。自然と無意識のうちに地元に近い場所に住みたいという気持ちが作用しているんでしょうね。
鑑定評価基準の中での表現
住宅地の同一需給圏
同一需給圏は、一般に都心への通勤可能な範囲に一致する傾向がある。ただし、地縁的選好性により地域的範囲が狭められる傾向がある。
引用:不動産鑑定評価基準
よく使う地縁的選好性ですが、この箇所のみでの登場なんですね。意外でした。