不動産の物件広告には駅からの徒歩距離「徒歩○○分」といった記載が書かれています。
しかし、実際に住み始めると「そんな時間じゃ駅に着けない!」「もっと時間がかかる!」「契約したいがために少ない時間を書いてるんじゃない?」などと疑問を持つ方も多いようです。
今日は物件広告の駅距離の記載について解説します。
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駅距離の記載にルールはあるの?
駅距離の記載にルールはあるの?と思いますよね。
もちろんあるんです。
公正取引委員会による「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」の5章(表示基準)の第10条(物件の内容・取引条件等に係る表示基準)に記載されています。
不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第5章10条(10)
徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。
※赤字太字は筆者
道路距離80メートル=1分 ( ※端数は切り上げ )
80という数字は宅建試験や色々な場で使われる数字なので覚えておいた方が良いでしょう。
徒歩所要時間をみる上での注意点
歩く速さは人によってさまざまです。遅い人もいれば速い人もいますので、公正取引委員会の告示する基準によって表示されます。
裏をかえせば、一定の基準で表示されているだけで、個々人の差は考慮されていないということです。歩く速さが遅い人は、この徒歩所要時間よりも時間がかかるでしょうし、逆の場合は早く着くことも考えられます。
また、徒歩所要時間は単純に道路距離で測定されています。
道路距離を測定するにはgoogleマップなどで簡単に測定できますね。中には直線距離を同時で測定してくれるサイトも存在します。
参考 直線距離と道路距離を同時に測れるサイト(R1web)をご紹介します。
道路距離はあくまで、水平距離なので坂道などの高低差は考慮されていません。丘陵地などの物件などは表示よりも時間がかかってしまう可能性があります。
また、信号待ちや踏切、歩道橋なども考慮されていません。開かずの魔と呼ばれるような踏切がある場合、なかなか信号が変わらない幹線道路を横断するような場合などは表示よりも時間がかかるでしょう。
大きな敷地はどこで測定する?
大規模なマンションなど敷地が大きい場合は、どこから道路距離を測定するかによって徒歩時間も変わってきます。どこから測定するかは基準が存在していないので、駅からもっとも近い点から測定している場合、又はマンションの入り口から測定している場合があります。
当然のことながらマンション内の移動は考慮されていないので、例えば高層階の最上階の部屋だった場合は、表示時間よりも多くの時間がかかります。
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自転車の時間は?
最後に自転車について触れたいと思います。最近は自転車で通勤や通学する人も増えましたね。不動産広告の基準では、「自転車による所要時間は、道路距離を明示して、走行に通常要する時間を表示すること。」とされています。
徒歩にも言えることですが、実際に走ってみて、どんな道がとおりやすいのか、歩きやすいのかを、買う人・借りる人が体感してみるのが一番ですね。
不動産屋さんは実際歩いていない場合も多いので、案外知らないものです。