国土交通省の発表する建築着工統計調査・住宅着工統計調査のデータを用いて、用途別・構造別の建築単価(全国)をまとめてみました。
注 最新の建築着工統計調査・住宅着工統計調査は毎年1月末に発表されます。平成30年1月末までは平成28年度が最新となります。
この統計調査では建築戸数(棟数)と建築面積、建築予定額の3つが公表されているので、建築予定額を建築面積で割ることによって建築単価の概算を算出することができます。
建築着工統計
- 建築戸数(棟数)
- 建築面積
- 建築予定額
建築予定額については以下の注釈がつけられていますが、概ねの概算価格を調べる上ではかなり参考になる数字です。
引用:国土交通省|建築動態統計調査
この調査の補足的な調査として補正調査というものがある。建築着工統計調査の工事費予定額はあくまで建築工事届け時点の予定額であり、完成した時点では工事額が異なることが多いので、建築投資額の実績をとらえる場合は、工事費予定額に補正調査の結果を利用する必要がある。
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建築単価
住宅の用途は居住専用建築物と居住専用準住宅に分けられて調査されています。分析に当たっては、一般的な住宅を想定し、居住専用建築物のみで数字を扱っています。
用語の説明
- 居住専用建築物|専ら居住の用に供せられる建築物をいう。
- 居住専用準住宅|専ら居住の用に供せられる建築物で個々の炊事施設を有しない建築物をいう。
その他、住宅のほか、使途として、「事務所」「店舗」「工場及び作業場」「倉庫」「学校の校舎」「病院・診療所」「その他」の建築単価を計算しています。それぞれの用語の説明については国土交通省のHPに詳細がまとめられています。
平成28年(最新)の建築単価
最新の建築単価は以下のとおり
木造住宅は166,601円/㎡なので坪55万円です。鉄骨造(軽量鉄骨造含む)は坪73.5万円なので若干高めというイメージでしょうか。
鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は昨年に比べて高くなりました。事務所であれば、坪110万円(RC造)、坪132万円(SRC造)となっています。
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平成27年の建築単価
どうでしょう?感覚的なものとほぼ一致するんじゃないでしょうか。一般住宅については坪55万円(165,801円/㎡)となっています。
軽量鉄骨造は鉄骨造に含まれています。軽量鉄骨造(鉄骨造)の一般住宅の建築単価は坪72万円(218,249円/㎡)ですね。ちょっと高い気がします。鉄骨造の括りに含まれていますので、重量鉄骨造の一般住宅の建築単価がどのくらい平均を押し上げてしまっているのかが気になるところです。
また鉄骨造の店舗の建築単価が坪54万円(161,840円/㎡)となっているのはちょっと安いのかなと感じますが、みなさんはいかがでしょう?
建築単価の推移
平成27年と平成28年の建築単価から、前年と比べて建築単価が上がったのか、下がったのかを調べてみます。
木造はやや安くなっていますが、その他鉄骨造、鉄筋コンクリート造などは建築単価が上がっている傾向がみてとれます。
一部、大幅に建築単価が変動している箇所もありますが、そもそも棟数が少ないものです。工場、倉庫のRC造、SRC造は少ないので、極端に高いもの、安いものが一棟あるだけで平均がかなり異なってきます。学校の校舎も棟数は少ないですが、仕様が似通っているからでしょうか。建築単価には工場ほどの変動はありませんでした。
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まとめ
この統計を使えば、県別の建築単価の指数や年次別の指数も作成できますし、一般住宅の平均的な大きさとその推移もまとめることができます。
都道府県別の木造住宅の建築単価、床面積、建物総額を分析した記事も書いたので是非ごらんください。東京を100とした場合の都道府県別の建築単価指数も記載してあります。
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建設工事に関する資材価格及び工事費等の価格実態調査
建築単価については、書籍では建設物価調査会のものが詳しいです。国土交通省のデータでは木造住宅を建てるときのおおまかな建築単価を知ることができますが、各部材の単価は分かりません。
建設物価調査会のものでは、石膏ボードやH形鋼、セメントなど各資材の価格を知ることができます。webでも調べることができますし、毎月書籍としても発行されています。
また、簡単なものでは以下のような書籍もあります。