平成28年地価公示が3月22日に発表されました。我々不動産鑑定士にとっては、胃が痛い時期がようやく終わったという感じでしょうか。
下世話な私としてはどこが一番高いのか、どこが一番安かったのかが気になりますね。ということで調べてみました。
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平成28年地価公示
まずは地価公示という制度について簡単に説明してみます。
地価公示とは?
昭和44年(1969)施行の地価公示法に基づいて、適正な地価形成のために、全国の標準地の価格を国土交通省が毎年公示するもの。また、その制度。売買実例価額や不動産鑑定士等による鑑定評価価額などを基に国土交通省の土地鑑定委員会が判定する。
何でもベスト1
2番じゃ駄目なんですか?そう駄目なんです。何でも1番じゃないと駄目なんです。ということで、色々な1番を調べてみました。
高価格
平成28年地価公示で最も単価が高かった地点はどこでしょうか。最高地点はここ10年変わっていないんですね。一時は同額首位となったときもありますが、最近は不動の一位、銀座4丁目5-6(中央5-22)です。山野楽器銀座本店がある土地ですね。
金額は何と40,100,000円/㎡、坪単価にすると1億3千万円です。畳み2帖分で1億越えとはさすがですね。前年比は18.6%のプラスです。
正直この地点の担当は嫌ですね。注目度が高過ぎてしり込みしちゃいます。誰が担当しているのかな?と調べてみたところお一人は連合会でも活躍中の名だたるお方でした。もう一人は全く知りませんでした。
ずっと2位に甘んじていた丸の内ビルディングは今回は3位となりました。2位に浮上してきたのは銀座5丁目の銀座ソニービルです。
銀座といえば、最近坪2億円の取引があった!と記事にしましたね。
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低価格
では反対に最も地価の安い場所はどこでしょうか。調べてみたら何と北海道にありました。札幌駅から車で1時間半程度、厚真町(あつま)というところです。人口は5000人を切っていますね。市街化調整区域ということもあって、周りは田んぼばかり。取引の指標としてこの地点必要?と思わず言ってしまうくらい田舎です。
価格は570円。小学生の月のお小遣いぐらいでしょうか。昨年に比べて3.4%の下落を示していました。
上昇率
一番高いところと一番安いところを調べてみました。では昨年に比べて最も価格が上昇したところはどこでしょうか?
最も上昇した地点は大阪にありました!大阪で最も高い梅田駅周辺ではなく、心斎橋の御堂筋沿いの地点、心斎橋筋2丁目8-5です。上昇率の2位も大阪市の中央区(道頓堀)でした。
前年比で45.1%。ほぼ1.5倍ですね。これが続けば監視区域に指定されちゃうんじゃない?っていうぐらいの上昇です。
理由を調べてみたら、インバウンドの影響でホテル、商業地の投資が活発化しているようですね。上昇率10番目までの地点の6地点が大阪市が占めています。その他はリニアの新駅が予定されている名古屋駅周辺や、こちらもインバウンドで好調の金沢駅周辺も上がっているようです。
一方、全国の商業地で地価の上昇率が最も高かったのは、「大阪市中央区心斎橋筋2丁目」で、去年よりも45.1%上昇しました。大阪市の中心部では、外国人観光客の急増を受けたホテルや店舗向けの土地の需要の高まりが地価を押し上げ、今回、上昇率の上位10の地点のうち6地点を大阪市が占めました。
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下落率
では最も価格が下落した場所はどこでしょう。ピンときますか?私は全く分かりませんでした。答えは静岡県の焼津市です。
価格は37000円/㎡なので坪12万円ほどです。地方都市にしてはそれなりの価格ですね。下落率は8.9%の下落です。5年前くらいですと2桁の下落は当たり前のようにあったので、最も下落したといってもそんなに落ちてないなって感じてしまいますね。
場所としては静岡市のお隣です。なんでそんなに下落しているのかは分からないんですが、何かあるんでしょうか?南海トラフのこともあり沿岸部は人気が無いのかな?と考えてみたんですが、ほかにも似たような場所はたくさんありますよね。お隣りの静岡市の地価も安くなってきたので、競合して相対的に人気が薄くなってしまったんでしょうか。
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まとめ
いかがだったでしょうか?私は最高価格地点だけは分かりましたが、その他は全く分かりませんでした。自分が業務を行っている範囲内の地価しか興味をもっていなかったんですが、日本全体でのポジショニングを考えた上で、評価をするっていうのも大事な視点かもしれませんね。
平成28年7月時点の地価調査についてもまとめています。こちらもご覧ください。