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平均変動率の計算の仕方、間違ってない?平均の計算法をおさらいしてみます。

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地価公示・地価調査などの公的土地評価でも平均変動率という言葉がたくさん使われていました。

A地点は昨年より△2%の地価下落、B地点では△4%なので2地点の平均変動率は△3%です。といったものですね。復習するまでもなく、この平均はA地点とB地点の単純平均(算術平均)を計算することとなります。

計算過程

(△2%+△4%)÷2=△3%

では次の問題ではどうでしょう。

A地点は昨年(平成27年地価公示)では△4%の地価下落、今年(平成28年)は△2%の下落でした。さて、平均変動率は前と同じ△3%で良いでしょうか?

答えはNOです。

期間の概念が入ると算術平均では対応できなくなります。ではどのように平均を計算すれば良いのでしょうか。

 

平均の種類

平均、へーきん。と簡単に言いますが、様々な種類の平均が存在します。最初の問で計算した平均は最も単純で、最もポピュラーな平均です。この平均を算術平均と言います。

算術平均(相加平均)

算術平均(さんじゅつへいきん、arithmetic mean)または相加平均(そうかへいきん)は、統計量のひとつ。数学および統計学における標本空間の代表値のひとつであり、一群の数をひとつの数値で表すために用いる。

引用 wikipedia|算術平均

もう一つの有名な平均として幾何平均(きかへいきん)があります。

幾何平均(相乗平均)

幾何平均(きかへいきん、英: geometric mean)または相乗平均は数学における平均の一種で、数値群の代表値である。多くの人が平均と聞いて思い浮かべる算術平均と似ているが、それぞれの数値を足すのではなくかけ、その積の冪根(数値がn個ならn乗根)をとることで得られる。

引用 wikipedia|幾何平均

相加平均は足して割ることで計算するのに対して、相乗平均は掛けて累乗根をとることで計算します。

掛けて累乗根をとるが分かりづらかったですね。昔懐かしの平方根(√)というものです。

具体例をあげて計算

定義だけ話しても分かりづらいですよね。具体例をあげて計算してみたいと思います。

2016-03-31_14h53_17

青森市の地価が次のように推移しています。

青森市の地価推移(仮定)

  • H26年、80,000円
  • H27年、60,000円(△25%)
  • H28年、90,000円(+50%)

弘前市は下記のとおりです。

弘前市の地価推移(仮定)

  • H27年、50,000円
  • H28年、60,000円(+20%)

あくまで仮定なので、その地域と実際の地価は無関係です。

平成28年における青森市と弘前市の平均変動率は前述した計算方法で計算することができます。変動率を足して2で割るだけですね。

(50+20)÷2=35

+35%が平均変動率です。

青森市はH27年は△25%の下落、H28年は+50%の上昇でした。ではこの平均変動率はどうでしょうか。算術平均で計算してしまうと+12.5%((△25+50)÷2)となってしまいます。平成26年から平成28年までの2年間に地価は80,000円から90,000円となっています。2年間で12.5%の上昇(90,000÷80,000-1)なのに、平均も12.5%というのはおかしいですね。

期間を考慮したときは算術平均は使えません。幾何平均を使います。

0.75×1.5の平方根=1.060660

つまり、2期間の平均変動率は6%の上昇となります。検算をしてみましょう。端数があるので数字はぴったりにはなりませんが、

検算

80,000円×1.06×1.06=89,888円(概ね90,000円)

平成26年の価格から平均変動率を用いて平成28年の価格を求めることもできます。

まとめ

株価の計算もそうなんですが、前期30%上昇で今期もさらに40%の上昇!のように期間での平均を計算する場合には幾何平均を使うことを覚えておきましょう。

当たり前でしょ?もちろんやってるよ。

なんて方も多いと思いますが、意外と算術平均で計算している方も少なくないのです。

まとめてみると、「合計の意味での本質を保持する平均」は算術平均「成長率や変動率などの、掛け算の意味での本質を保持する平均」は幾何平均を使います。

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