windows10にバージョンアップしてから、いつの間にか変換できていた漢字が使えなくなっているのが分かりました。
辻という文字であれば、シンニョウの点が1つのものもありますが、windows10(IMEパッド)で変換しても点が2つのものしか変換されません。
楢という文字であれば、右上が[/ \]とハの字のものが通常ですが、[\ /]と逆になっている文字もありますね。
祇園も通常変換される漢字は[示氏]ですが、昔は[ネ氏]という漢字も使われていたようです。
辻・楢・祇園
その他にも色々ありますが、地名や人名ですと正確な表示をしないといけないので、当用漢字じゃないからといって安易に置き換えることはできません。
そこで異字体が使えるようにするwindows10(win8でも同様に使えます)の設定方法を説明したいと思います。
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楢・辻を変換する設定方法
windows7での設定
windows7ではきちんと表示できるようにしていたんですが、その設定方法はマイクロソフト社が配布しているフォントパッケージをインストールするというものでした。
参考 Windows 7 および Windows Server 2008 R2 向け JIS90 互換 MS ゴシック・明朝フォントパッケージについて
JIS90互換フォントパッケージというものをマイクロソフトが配布しており、これをインストールすれば異字体を簡単に使うことができたのですが、どうもwindows8からJIS90互換フォントの提供をやめてしまったようです。
参考 マイクロソフト、JIS90互換フォントの提供はWindows 7で最後
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win8/10での設定
なんでフォントの提供をやめてしまったんだろう?と思っていたんですが、「IVS(Ideographic Variation Sequence)」という仕組みを採用したからのようです。
IVSとは文字符号としては同一視される漢字の、細かな字形の差異を特別に使い分けるための仕組みのことを言います。つまりは漢字に差異があっても同じ漢字と認められるものはパソコン上は同じ漢字として扱って表記としての差異を使い分ける仕組みのようです。
では設定方法を説明していきます。
画面の通常右下に通知領域がありますので、IMEパッドを右クリックしてプロパティを開きます。
そしてプロパティをクリックですね。
次は詳細設定を選びます。
次に、「変換」タブにある「詳細設定」をクリックします。
「変換」の詳細設定画面が開きます。
変換文字制限は通常上のようになっています。
IVS(Ideographic Variation Sequence)を含む文字を制限する
これによって異字体の変換が制限されてしまっているんですね。ですので
変換文字を制限しない
にチェックを入れましょう。
後は。「OK」ボタンを押して終了です。
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[\ /]の楢
楢という文字も[/ \]と[\ /]の2種類が変換されるようになりました。
しんにょうの辻
辻もシンニョウの点が1つのものと2つのもの
[ネ氏]の祇
祇園も[示氏]と[ネ氏]がこのとおり
気を付けなくてはいけないのは、環境依存文字となりますので、データの受け渡しの際にはデータの受け取り手の環境によって、[ネ氏]で渡したつもりでも相手には[示氏]となって受け取られる可能性があることです。
印刷用やPDF出力用として活用したいですね。
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まとめ
文字については調べ出すと奥が深く、きちんと理解しようとするとかなり難しいのであきらめてしまったのですが、時代ごとに使われる漢字が違うことによってこんなことになってしまっているようですね。
yahoo!知恵袋に詳しい方が説明しているものがあったので参考までにURLを貼っておきます。
参考 yahoo!知恵袋|楢」という漢字の右側の上が、「八」ではな…
東京都かつしか区と奈良県かつらぎ市は通常変換すると葛飾区と葛城市となり、漢字が同じとなってしまいます。しかし正式には漢字が異なります。
奈良県の葛城市は通常では変換されない文字の方を採用しているんですね。
きちんとしていないと気になってしまう私としては正式な文字を使いたいところですが、正直面倒だなという感じですね。
ちなみに、漢字を葛城と「下の部分がL+人」としても、字体の違いを理由に行政手続を拒絶しないことを葛城市は表明しているようです(葛飾区も同様)。
2004年10月1日に合併して新しい葛城市ができたようですが、なんで一般的な漢字を採用しなかったのか...と思いますね。
葛という文字だけみても、異字体がこんなにたくさんあるようです。
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エクセルでIVSを使うには
最後にエクセルなどのオフィスのソフトでIVSの異字体の使い方について説明します。
オフィス2013からはIVSに対応しているので、そのまま異字体を変換して使用することができますが、オフィス2010などの古いバージョンでは□が表示されてしまい変換画面では異字体がでても文字を入力することができません。
Microsoft Office 2007、Microsoft Office 2010を使っている場合には、「Unicode IVS Add-in for Microsoft Office」というアドインをインストールしてすると異字体を使うことができます。
参考 Unicode IVS Add-in for Microsoft Office
マイクロソフトが提供しているものなので安心してお使いください。
参考 『Unicode IVS Add-in for Microsoft Office』を提供