おはようございます。不動産鑑定士のreatipsです。
先日所属する日本不動産鑑定士協会連合会(以下協会)からのアンケートがきました。アンケートは毎年配布している鑑定手帳を今後どのようにするかについてです。
鑑定手帳は会員である不動産鑑定士に毎年無料で1冊配布され、それ以上欲しい人には有料頒布されてます(1冊700円)。会員数は5500人程度なのでそれだけで400万円弱をばらまいていることになります。
アンケートの詳しい内容は、鑑定手帳を実際使っているかどうかからはじまり、何か載せてほしい情報はあるかどうか、鑑定手帳の代わりにスマホアプリを作成する案がでているがどう思うか、有料ならいくらなら購入するかどうか、というものです。
鑑定にスマホアプリは必要か
鑑定手帳は使っていないので廃止してもらっても構わないというスタンスなんですが、代わりの案としてのスマホアプリは少々疑問が残ります。
そもそも60代・70代が牛耳っているこの業界でスマホアプリなんて需要があるんでしょうか?自分のまわりを見渡してみて、スマホアプリを使う人が多いとは思えません。
もし開発するとしてもどのようなスマホアプリを開発するんでしょうか。どんなアプリだったら使いたいかなって考えたんですが、こんなアプリだったら使いたい!と思えるものは思い当たりませんでした。
なぜなら仕事をする上でスマホってそんなに使わないんですよね。出張したときの交通案内、カレンダー、名刺管理、そのぐらいでしょうか。もう既に十分なぐらい便利なアプリが開発されていますね。ここに鑑定独自のアイデアを付け加えたアプリはできるでしょうか。いやなかなか難しいんじゃないかと思います(反語)。
私が望むとすれば、鑑定に使える情報を集めたサイトでしょうか。我々が行っている地価公示・地価調査のデータだって過去の廃止地点の詳細を調べるのには手間がかかります。すべてをデータベース化してくれたらどれだけ楽なんだろうって思います。鑑定をする際に欠かせない距離の測定にしたって、店舗や小学校・最寄駅などの施設を保存しておいて、評価地点をクリックすると全部データが出てくれるなんてシステムがあったら便利ですね。REA-NETあたりにこんなものがあったような気もしますが...
競売の落札価格情報を全部収集してGoogleマップ上にプロットしてくれたらそれはありがたがられるでしょう。国税庁の公売物件の募集価格をプロットするのも面白そうですね。こういったことは手間がかかりますが、これこそ協会がやるべきことなんじゃないでしょうか。400万円鑑定手帳にかけるんだったら人ひとりを張り付けて、有意義な情報を収集・公開してほしいものです。
鑑定アプリの紹介
最後に鑑定に使えそうなアプリをいくつか紹介したいと思います。
まずは大阪府不動産鑑定士協会が社団化20周年記念行事として作成したスマホアプリ「鑑定の友」です。
URL:大阪府会|鑑定の友
先日、鑑定コラムを書かれている田原拓治氏がコラムの中で日本で上昇率トップだった大阪の地価公示地点を見に行った記事を書かれていましたが、このアプリがあれば迷うことなく見れたんじゃないかと思います。
参考:鑑定コラム|1490) 地価上昇率1位の土地の店前は中国観光客があふれている
次に地図と連動して路線価や地価公示情報、小学校区などの情報を確認することができるアプリ「i国土Ⅱ 【路線価・用途地域・登山・防災アプリ】」です。
URL:iTunes|i国土Ⅱ
路線価や小学校区情報などは有料ですが、出先で少し調べるには便利なアプリです。
まとめ
鑑定手帳の行く末はどうなるか分かりませんが、集めた会費は有効に使っていただきたいですね。なによりもまずは協会ホームページで有料頒布している研究報告はすべて無料でPDFダウンロードできるようにしていただきたいと思ってるんですがいかがでしょう?