鳥取県と島根県って何が違うんでしょうか。
っていうと失礼な書き始めになってしまいますが、正直区別がつかないですよね。
そんな分かりづらい島根県と鳥取県を統計データの面から考察して、どのように違うのかを浮き彫りにしてみたいと思います。
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島根県と鳥取県の覚え方。どっちがどっち?
データ分析をする前に、島根県と鳥取県の覚え方です。
2つの県が並んでいても、どっちが島根か、鳥取かが分からない人も多いんじゃないでしょうか。
覚え方を調べていると、語呂合わせで覚えている人がほとんどでした。語呂合わせを2つ紹介します。
佐藤さんにうっとり
まずは「佐藤さんにうっとり」という語呂合わせでし。
地図を見てみると「左に島根で、右に鳥取」になっていますね。
左島右鳥 → 「さとうさんにうっとり」
若干強引な気もしますね(笑)
しまねっとり
次は、「しまねっとり」
この「しまねっとり」も「佐藤さんにうっとり」に負けじと強引です。
左から島根鳥取になっているので、
しまねとっとり → しまねっとり
この強烈なワード「しまねっとり」をそのまま覚えてしまえば、左から島根鳥取と分かりますよね。
何も考えず、「しまねっとり」という単語を覚えましょう。
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島根と鳥取の人口比較
まずは統計の基礎中の基礎、人口を比較してみましょう。
統計は平成28年10月1日現在の確定値です。
鳥取県 | 島根県 | |
人口 | 570千人 | 690千人 |
人口増減率 | △0.64% | △0.68% |
高齢化率 | 33.1% | 30.4% |
島根県の方が鳥取県よりも12万人ほど多いです。
人口はしまね県の勝ち
69万人、57万人という人口がどれほどかが分かりづらいかもしれないので、東京23区の最大の区、世田谷区の人口と対比してみましょう。
県でありながら、鳥取県・島根県は世田谷区に人口で負けています。
そして、この鳥取県と島根県、47都道府県の中で人口はワースト1・2の県です。
全国に占める割合は約0.5%と東京都の20分の1です。
鳥取・島根の高齢化率
鳥取県、島根県ともに高齢化率は30%を超えています。
日本でもっとも高齢化率が高い都道府県は秋田県の34.7%(平成28年10月)ですが、島根県の33.1%は、秋田県、高知県(33.6%)に次ぐワースト3です。
鳥取・島根間の人口異動
鳥取県・島根県の間の人口の異動はどうなっているんでしょう。
鳥取県民が島根県に移動することが多いのでしょうか。逆に島根県民が鳥取県に移動することが多いのでしょうか。
平成28年の年間の数字を分析します。
元 | 先 | 総数 |
鳥取県 | 島根県 | 1,342人 |
島根県 | 鳥取県 | 1,350人 |
何も面白くないですが、ほぼ同じ数字となりました。
しかし、生産人口の中心である30~40代は島根県へ行き、60歳以上は鳥取県へ行く人数が多いという傾向はありました。
なんでしょう。鳥取県の方が高齢者に優しいんでしょうか?
高齢化率は鳥取県よりも島根県の方が高いのが現状ですが、この人口異動を考えると、ちょっとずつ差が縮まっていくんでしょうか。
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鳥取・島根の代表的な都市
鳥取市・米子市
県庁所在地である鳥取市、そして米子空港のある米子市が人口10万人を超える都市です。
松江市・出雲市
島根県の県庁所在地である松江市、人口20万人いることから2018年4月には中核市に移行します。
次いで、出雲大社のある出雲市です。山陰地方では、松江市、鳥取市に次ぐ3番目の人口を誇ります。
鳥取と島根の観光統計
鳥取といえば「鳥取砂丘」、島根といえば「出雲大社」などの有名な観光資源がありますね。
鳥取と島根の観光統計の数字はどうなっているのでしょうか。
県外からの観光客
入込客数は宿泊はほとんど人数に変わりはありませんでしたが、日帰りの数字はかなり違いますね。
出雲大社のある島根県の方が1.5倍ぐらい人気のようです。
項目 | 鳥取県 | 島根県 | |
入込 客数 |
宿泊 | 1,357千回 | 1,309千回 |
日帰り | 3,879千回 | 5,738千回 |
次に観光消費額もみてみましょう。
観光消費額も宿泊・日帰りともに島根県が上回っています。
単価(宿泊)をみても島根県への旅行者の方が6,000円近く多くお金を使っていますね。
島根県への旅行者は出雲市や松江市のホテル・旅館に宿泊する割合が高く、鳥取県への宿泊者は三朝温泉や皆生温泉(かいけおんせん・米子市)の♨旅館に宿泊する旅行者が多いようです。
項目 | 鳥取県 | 島根県 | |
観光 消費額 |
宿泊 | 28,400百万円 | 34,134百万円 |
日帰り | 26,126百万円 | 30,375百万円 | |
消費額 単価 |
宿泊 | 20,927円 | 26,083円 |
日帰り | 6,736円 | 5,293円 |
外国人旅行者の観光統計
2017年には訪日外国人の数も4000万人を超え、旅行消費額も8兆円を超えたようです。
鳥取県や島根県への外国人旅行者はどうなっているのでしょう?
入込客数は宿泊・日帰りともに鳥取県が上回っています。鳥取県・島根県の観光統計を調べてみたものの外国人旅行者の行先に関する統計はありませんでした。
インスタ映えする鳥取砂丘などが人気なのでしょうか。
項目 | 鳥取県 | 島根県 | |
入込 客数 |
宿泊 | 49千回 | 26千回 |
日帰り | 26千回 | 1千回 |
入込客数と同じように観光消費額も鳥取県が島根県を上回っています。
日本人旅行者と外国人旅行者では、外国人旅行者の方がお金を使うイメージがあったのですが、消費額単価は2万円程度と日本人旅行者と大差ないのは意外でした。
項目 | 鳥取県 | 島根県 | |
観光 消費額 |
宿泊 | 1,040百万円 | 553百万円 |
日帰り | 14百万円 | 11百万円 | |
消費額 単価 |
宿泊 | 21,232円 | 20,953円 |
日帰り | 2,410円 | 13,662円 |
訪日外国人の国籍もまとめてみます。
上位5か国を上から順番に書きましたが、同じ内容となりました。
しかし、内訳を見てみると鳥取県は訪日外国人の4割近くが韓国国籍の人です。島根県では韓国人国籍の割合は12%なのに対して、鳥取県が人気なのが分かります。
鳥取県の訪日外国人の8割がアジア国籍、たいして島根県は6割程度がアジア国籍です。
国籍 | |
鳥取県 | 韓国、中国、香港、台湾、アメリカ |
島根県 | 台湾、香港、中国、韓国、アメリカ |
鳥取県・島根県の土地価格
不動産鑑定士らしく土地価格も調べてみましょう。
県内の最高価格地比較
県内での最高価格地を地価公示・地価調査価格で調べました。
鳥取県 | 島根県 | |
土地価格 | 137,000円 | 166,000円 |
坪単価 | 45万円 | 55万円 |
場所 | 鳥取駅前 | 松江駅前 |
共に駅前が県内の最高価格地でしたが、価格は島根県の松江駅前の方が2割程度高い結果となりました。
市内の人口は松江市(20.6万人)の方が鳥取市(19万人)に比べて1割近く多いですが、県内人口では鳥取県の方が人口が多いです。2割の価格差がどのような要因に基づくのかは興味深いですね。
駅の乗車人員(降車客数を含まない)はどうなっているのかも調べてみました。
2015年の数字ですが、鳥取駅の方が松江駅よりも乗車人員は多くなっています。地価とは逆の数字でした。
駅 | 乗車人員(1日) |
鳥取駅 | 5,358人 |
松江駅 | 4,522人 |
県内の最高住宅地比較
次に、県内で最も高い住宅地の価格水準はどちらが高いのでしょうか。
これも公的価格(地価公示・地価調査)の地価を調べています。
鳥取県 | 島根県 | |
土地価格 | 93,500円 | 84,900円 |
坪単価 | 31万円 | 28万円 |
場所 | 鳥取市東町2丁目 | 松江市学園2丁目 |
番号 | 鳥取住1 | 松江住30 |
住宅地は鳥取県の方が高い結果となりました。県内最高の地価は島根県の方が高かったので、住宅地は逆の結果ですね。
島根県の「松江住30」はマンションや店舗も多い幹線道路沿いの地域なので、住宅地にカテゴライズされていますが純然たる住宅地ではなさそうです。
分譲住宅地のような地点はもっと安いんでしょうね。
松江駅前の地価が高いのでしまね県の勝ち
鳥取県と島根県の比較結果
これまでの比較をまとめてみましょう。
比較してみた「人口」「観光」「地価」について独断で○×をつけてみました。
鳥取県 | 島根県 | |
人口 | × | 〇 |
観光 | × | 〇 |
地価 | × | 〇 |
3連勝でしまね県の圧勝でした。
なんとなく分かりづらかった鳥取県と島根県ですが、少しでもイメージしやすくなったでしょうか。
鳥取砂丘も出雲大社も行ったことがないので、是非今度行ってみたいと思います。