1坪という単位をご存知でしょうか?1坪の読み方は、「ひとつぼ」又は「いっつぼ」と読みます。1坪は、縦横1間の正方形、つまり1間×1間の大きさの面積です。1間は「いっけん」と呼びます。
坪は古くから使われている尺貫法での面積の単位の一つ。間は同じく尺貫法での長さの単位の一つです。
坪(つぼ)と間(けん)
- 坪|面積の単位
- 間|長さの単位
不動産業界や建築業界では、メートル法ではなく尺貫法で会話が行われることが多く、廊下の長さは3間?建坪は20坪?などという言葉が飛び交います。長くこの業界にいると尺貫法による長さや大きさが体に染みついてきますが、特に学生の頃は非常に分かりづらくてなぜメートル法を使って話さないんだろうと思っていました。
今日は少しでも尺貫法を身近に感じてもらえるように、尺貫法の解説をしてみたいと思います。
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坪と平米の換算表は、記事の中ほどにありますので換算だけ知りたい方は下にスクロールしてお読みください。
尺貫法における長さの単位|間・尺
長さの単位としてよく使われるのが先ほど少しできた「間」。そして「間」より小さい単位「尺(しゃく)」です。アルプス百万尺、尺取り虫など、色々な場所で「尺」という言葉は使われいます。
1尺は何メートルなんでしょうか。
1m=3.3尺 つまり 1尺=0.30303030303…m
次に間(けん)です。
1間=6尺 つまり 1間=1.818181818…m
四捨五入によって表記が異なる場合がありますが、通常は「1間=1.81m 又は 1間=1.818m」と表記されます。
メーターモジュールで建てられている住宅もありますが、尺貫法を基にした寸法で建てられている住宅の方がいまだにまだ多いです。1間は畳の長辺の長さですので、8畳間であれば「2間×2間」の大きさと感覚的に理解できるのが尺貫法の優れたところです。廊下の幅は通常半間(はんげん)になっています。
畳の大きさは「1間×0.5間(半間)」なので、畳を2枚並べると「1間×1間」になります。
- 1間=1.82m
- 2間=3.64m
- 3間=5.46m
- 4間=7.28m
長く尺貫法に親しんでいると、このあたりの単位換算は、計算しなくても肌身感覚で覚えてしまっているようになります。
坪、反は何平米?
尺貫法でよく使われる面積の単位は「坪」そして次に「反(たん)」です。1坪の広さを定義します。
1坪=1間×1間 つまり 1坪=3.305785…㎡
通常は1坪=3.3㎡と、簡略化した数字がよく使われます。1坪は1間×1間です。これってどんな大きさかイメージできます?先ほど長さのところで少し触れましたが、畳2枚分の大きさなんですね。
畳2枚分で1坪。つまりは6畳間は3坪、8畳間は4坪ということです。
1反という単位は、都会よりも田舎でよく使われるのかもしれません。農地(田んぼ)は、1枚の田んぼがほとんど1反程度で区切られています。田んぼ1枚で1反部(いったんぶ)、これは覚えておいてほしい知識です。
1反=300坪 つまり 1反=991…㎡
田んぼ一枚で1000㎡弱の大きさです。これは広さの感覚を養う際に役に立ちます。田んぼ一枚より大きいので1500㎡くらいかな?2枚分ぐらいなので2000㎡ぐらいなのかな?と、土地の広さを推定するのに田んぼの大きさを基準に判断することができます。
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坪と平米(㎡)の単位換算
簡単な数字としては、「1坪=3.3㎡」と書きましたが、坪と平米の単位換算をして計算するときは「0.3025」という数字がよく使われます。
不動産登記も以前は尺貫法により表示されていましたが、現在の土地地積や建物の床面積は平米メートルを単位として表示されています。この際に単位換算で使われた数字が「0.3025」です。昭和45年2月23日付法務省民事局第一課長通知によって「土地の地積又は建物の床面積を平方メートルによる単位で表示する場合の換算率及び換算方法等について」が指示されたのです。
1平米=0.3025坪 (121÷400)
3.3という換算率では誤差が大きくなることから、0.3025を使って単位換算をしましょう。
坪と平米(㎡)・畳の換算表
まず1坪、1平米、1畳はどれぐらいの大きさなのかの換算表です。
- 1坪=3.31平米=2畳
- 1平米=0.30坪=0.6坪
- 1畳=0.5坪=1.65平米
坪・平米・畳の換算表を用意しました。また、畳については畳の種類によって1畳の大きさが異なります。別記事「1帖・1畳は何平米?帖と畳の違いと使い分けも説明します。」で分かりやすく解説しているので、また読んでみてください。
坪数 | 平米(㎡) | 畳数(帖数) |
1坪 | 3.31㎡ | 2畳 |
2坪 | 6.61㎡ | 4畳 |
5坪 | 16.52㎡ | 10畳 |
10坪 | 49.58㎡ | 20畳 |
20坪 | 66.11㎡ | 40畳 |
30坪 | 99.17㎡ | 60畳 |
40坪 | 132.23㎡ | 80畳 |
50坪 | 148.76㎡ | 100畳 |
60坪 | 198.34㎡ | 120畳 |
70坪 | 231.40㎡ | 140畳 |
80坪 | 264.46㎡ | 160畳 |
90坪 | 297.52㎡ | 180畳 |
100坪 | 330.57㎡ | 200畳 |
住宅の大きさは30坪~40坪が多いです。平米に換算すると100㎡程度ですね。
土地の大きさは地域によって異なりますが、都心では30坪やそれより小さい住宅地も多いです。地価の安い地方へいくと、中核都市で50~60坪程度。もう少し田舎へいくと100坪程度の住宅も多くなります。
不動産屋さんと話すと「○○坪」や「坪○○円」などと、坪で話しが行われるので、坪がいったい何平米ぐらいなのかをイメージできるようにしたいものです。
坪、間などの尺貫法で書かれた契約書は法令違反?
最後に、計量法について説明したいと思います。
「坪」は、面積を表す単位として取引又は証明に使用できるのでしょうか?単位を規定する法律としては計量法がありますが、計量法では「取引又は証明に使用できる単位」を規制しています。
計量法では非法定定計量単位による取引又は証明に用いられた文書の作成は禁止されています(計量法第2条第2項関連)。
計量法において、面積を表す単位は「平方メートル」と規定されており、これを法定計量単位と読んでいます。「坪」は計量法に定められた面積を表す単位ではなく、これを非法定計量単位といい、取引又は証明に使用することはできません。
何気なく使っていましたが、取引又は証明とは何でしょうか?
取引又は証明に該当する文書の代表例
- 契約書
- 仕様書
- 性能証明書
- 法令に基づき官公庁へ提出する書類
私は不動産鑑定士ですが、不動産鑑定士が発行する不動産鑑定評価書も法令に基づき提出する書類と考えられるので、取引又は証明に該当する文書といえます。また、不動産の売買契約書は当然のように取引又は証明に該当する文書です。
つまり、不動産鑑定評価書や売買契約書などでは、坪を使って文書を作成することは計量法違反となります。
なお、取引又は証明に用いる平方メートルと併せて、取引又は証明に用いない参考値として併記することは妨げない。ただし、例えば「○○m2(○○坪)」のようにかっこ書きなどにより参考値であることを明確にする必要があります。
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尺、間も非法定計量単位です
長さの法定計量単位はメートルです。したがって尺や間は非法定計量単位となりますので、坪と同じ扱いになります。
まとめ
不動産業界では未だ共通言語として使われる坪・尺などの尺貫法の単位。分かりましたでしょうか?
契約書などに坪単価などを参考のために記載している書類をたまに見かけますが、併記の仕方には気をつけたいですね。