不動産鑑定の際の鑑定評価報告書には少なくとも次の事項を記載しなければなりません。
- 鑑定評価額及び価格又は賃料の種類
- 鑑定評価の条件
- 対象不動産の所在、地番、地目、家屋番号、構造、用途、数量等及び対象不動産に係る権利の種類
- 鑑定評価の依頼目的及び条件と価格又は賃料の種類との関連
- 価格時点及び鑑定評価を行った年月日
- 鑑定評価額の決定の理由の要旨
- 鑑定評価上の不明事項に係る取り扱い及び調査の範囲
- その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士等の対象不動産に関する利害関係又は対象不動産に関し利害関係を有する者との縁故若しくは特別の利害関係の有無及びその内容
- その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士等の氏名
それぞれについてもう少し詳細に解説していきます。
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Ⅰ 鑑定評価額及び価格又は賃料の種類
正常価格又は正常賃料を求めることができる不動産について、依頼目的及び条件により限定価格、特定価格又は限定賃料を求めた場合は、かっこ書きで正常価格又は正常賃料である旨を付記してそれらの額を併記しなければならない。
また総論第7章 第2節、Ⅰの1.に定める支払賃料の鑑定評価を依頼された場合における鑑定評価額 の記載は、支払賃料である旨を付記して支払賃料の額を表示するとともに、当該支払賃料が実質賃料と異なる場合においては、かっこ書きで実質賃料である旨を付記して
実質賃料の額を併記するものとする。
Ⅱ 鑑定評価の条件
対象確定条件又は依頼目的に応じ付加された地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件についてそれらが妥当なものであると判断した根拠を明らかにするとともに、必要があると認められるときは、当該条件が付加されない場合の価格等の参考事項を記載すべきである。
Ⅲ 対象不動産の所在、地番、地目、家屋番号、構造、用途、数量等及び対象不動産に係る権利の種類
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Ⅳ 鑑定評価の依頼目的及び条件と価格又は賃料の種類との関連
鑑定評価の依頼目的及び条件に応じ、当該価格を求めるべきと判断した理由を記載しなければならない。特に、特定価格を求めた場合には法令等による社会的要請の根拠、また、特殊価格を求めた場合には文化財の指定の事実等を明らかにしなければならない。
Ⅴ 価格時点及び鑑定評価を行った年月日
後日対象不動産の現況把握に疑義が生ずる場合があることを考慮して、実際に現地に赴き対象不動産の現況を確認した年月日(実査日)をあわせて記載しなければならない。
Ⅵ 鑑定評価額の決定の理由の要旨
鑑定評価額の決定の理由の要旨は下記に掲げる内容について記載するものとする
1 地域分析及び個別分析に係る事項
同一需給圏及び近隣地域の範囲及び状況、対象不動産に係る価格形成要因についての状況、同一需給圏の市場動向及び同一需給圏における典型的な市場参加者の行動、代替、競争等の関係にある不動産と比べた対象不動産の優劣及び競争力の程度等について記載しなければならない。
2 最有効使用の判定に関する事項.
最有効使用及びその判定の理由を明確に記載する。なお、建物及びその敷地に係る鑑定評価における最有効使用の判定の記載は、建物及びその敷地の最有効使用のほか、その敷地の更地としての最有効使用についても記載しなければならない。
3 鑑定評価方式の適用に関する事項.
鑑定評価の三方式を併用することが困難な場合にはその理由を記載するものとする。
4 試算価格又は試算賃料の調整に関する事項.
試算価格又は試算賃料の再吟味及び説得力に係る判断の結果を記載しなければならない。
5 公示価格との規準に関する事項.
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6 その他.
総論第7章、第2節、Ⅰの1.に定める支払賃料を求めた場合には、その支払賃料と実質賃料との関連を記載しなければならない。
Ⅶ 鑑定評価上の不明事項に係る取扱い及び調査の範囲
対象不動産の確認、資料の検討及び価格形成要因の分析等、鑑定評価の手順の各段階において、鑑定評価における資料収集の限界、資料の不備等によって明らかにすることができない事項が存する場合の評価上の取扱いを明示する必要がある。その際、不動産鑑定士等が自ら行った調査の範囲及び内容を明確にするとともに、他の専門家が行った調査結果等を活用した場合においては、当該専門家が調査した範囲及び内容を明確にしなければならない。
Ⅷ その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士等の対象不動産に関する利害関係又は対象不動産に関し利害関係を有する者との縁故若しくは特別の利害関係の有無及びその内容
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