平成28年地価公示の公表資料を読んでいたら、"地価の上昇がみられた個別地点"についての考察が書かれていました。
ほとんどが都市部の話しだなと思って眺めていたら、一つだけ地方のものがありました。それが大分県が誇る全国有数の温泉地の一つ、"由布院"の地価上昇です。
地点は地価公示「由布5-2」商業地の地点ですね。年間にして15.4%の上昇はかなりの強い上げです。以下詳しく調べてみました。
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由布5-2の概要
公表資料による増加要因
温泉地における国内外からの観光客の増加
全国有数の温泉地である由布院地区においては、個性ある街並み形成も相まって、国内外からの観光客が増加しており、物販・飲食店舗の新規出店需要が堅調で、地価は上昇している。
つまりは、大きな要因として観光客の増加、それに伴い物販飲食店舗の出店が相次いでおり、土地の取得も堅調だということのようです。
由布5-2について
場所は由布院駅前のメインストリート、由布見通り沿いの一等地です。路線価を調べてみようと思ったんですが、由布市は路線価が付設されていないんですね。不便です。
由布院は大分空港や大分駅、又は大分ICという大分県のアクセス拠点から約40~60分の距離です。お世辞にもアクセスが良いとはいえませんね。
由布の5-2は市内でも一番地価の高い地点です。
地価の動向
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驚くことに昨年までは上昇していないんですね、昨年はプラスマイナス零と横ばいこの一年でいきなりの急上昇で+15.4%です。
由布院の観光客数
由布市の観光客数は由布市のホームページに資料がありました。
参考 由布市|観光統計情報
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ただ残念ながら平成28年地価公示の価格に影響を与えたであろう平成27年の観光客数の統計は発表されていませんでした。
客数は日帰りと宿泊の合計を記載しています。昨年の段階で外国人旅行客は4割増です。全体の観光客数は0.5%の増加なのでほとんど横ばい程度です。
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地価と観光客数
では、地価の推移と観光客数の統計を合わせてみましょう。平成28年の地価は平成27年の観光客数を元に形成されるので一年ずらして表を作ります。
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って、平成27年の観光客数がまだ未発表なので全然分かりませんね!!
由布市単独の観光客数は公表されていませんが、大分県全体の速報値は公表されています。
県全体の日本人観光客数は平成27年は微減、外国人に関しては6割の大幅増です。由布院は大分県の有数の観光地なので由布でも外国人観光客は増加しているものと推察できます。
しかしながら、地価15.4%増の大きな理由は分かりませんでした。
まとめ
周辺で高い取引の実例がぽんぽん出ていれば、価格上昇の有力な根拠資料となるので2桁上昇もうなづけます。しかし公表されている鑑定評価書をみると、比準価格よりも収益価格の上昇が著しいのが面白い特徴です。
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収益価格単独でみれば、5割近く上昇していますね。
試算価格の調整文を読んでみると、商業地なので取引事例は少ないし、個別性が強いので単価はバラバラ。だけど比準価格っていうのは規範性が高いから比準価格を重視して価格を決定したよ。って書いてありますね。
私にはよく分かりませんがそういうものなんでしょう。