地価公示や地価調査、相続税路線価の評価などで定期的に不動産の価格が評価・公表されています。いずれの事業にも不動産鑑定士が携わっているんですが、そこで注目されるのが不動産の価格は上がったの?下がったの?不動産景気はどうなの?というところです。
そのような公的価格指数とは違いますが、現在各県の不動産鑑定士協会は独自に不動産市況DIというものを調査し、公表しています。
今日は不動産市況DIについてまとめてみました。
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不動産市況DIとは?
まずは不動産市況DIの説明です。そもそもDIとは何でしょうか?DI(ディーアイ)とはDiffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略です。現況や先行きの見通しについての訂正席な判断を指標として収集・分析・加工した指数でして、経済指標等において広く活用されています。
最も有名なID調査としましては、内閣府の景気動向指数が有名ですね。景気動向指数は毎月公表されている、景気に関する総合的な指標ですね。
URL 内閣府|景気動向指数
似たものにCIがあります。CIはComposite Index(コンポジット・インデックス)の略で、景気拡大や後退の速度や程度を表すように作成されたものです。計算過程の紹介は省略しますが、DIは景気局面を把握することができませんが、CIでは景気動向を量的に把握することができる指数です。
不動産市況DIを公表している団体
記事を書いている平成28年6月1日現在で、不動産市況DIを公表している団体は22の不動産鑑定士協会です。各鑑定士協会のホームページからまとめようと思ったんですが、滋賀県の不動産鑑定士協会で既に全国の不動産市況DIの状況がまとめられていました。
滋賀県は岐阜県と並んで不動産市況DIを率先して分析・公表している団体だという記憶がありますね。
せっかくなのでその滋賀県の不動産市況DIを紹介しようと思ったんですが、最新のPDFをホームページからダウンロードして開いてみたところ、エクセルの図表やグラフがぐちゃぐちゃにずれており、公表資料としてはちょっと杜撰なものでした。
そのため割愛します。
まとめ
不動産鑑定士は実際の不動産取引を調べたり、不動産業者へのヒアリングをしたりして不動産価格を決定します。その他一般要因資料(人口動態などなど)も調査するんですが、いかんせんそのような資料を基に価格付けをしていたのでは後追いにしかなりません。
不動産市場は絶えず動いているのに過去の資料でしか判断できないですからね。そんなときに役にたつのが不動産市況DIです。実際取引に携わっている不動産業者の方々に不動産の市況に関するアンケートをし、現在の市況はどうか、はたまた将来的にはどのように予測をしているのかを尋ね、それを加工して指標にすることにより、価格判断の重要な一資料となります。
まだ全国47都道府県のうち、22都県(47%)ということで若干半数を割っていますが、新しく不動産市況DIを公表しようとしている団体もあると聞きます。
不動産価格の精度が上がると国民全体の利益にもなります。このような活動がもっと広がると良いですね。