「階」と「階数」の違いって何でしょうか?
というのも、先日宅建登録実務講習の講師をしているときに、若い生徒さんに「階と階数って何か違いがあるんですか?」と質問を受けました。
何となくは違いを理解していたものの、定義を確認したことがありませんでしたので、早速建築基準法を確認してみました。
階と階数の違い
建築物の床(層)が複数ある場合、それぞれの床(層)を階と呼びます。
階数とは、層の数、階の数のことを指します。
具体的に見た方が理解が早いかと思います。
地上が5階、地下が1階の建物があります。不動産登記では「地下1階付5階建」と表現される建物です。
それぞれの階は、1階、2階、3階・・・となります。建物の階数は6です。
階数については建築基準法施行令で定義されています。
建築基準法施行令 第2条8号(面積、高さ等の算定方法)
- 階数 昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなっている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。
階数に算入しない建築物の屋上部分
一定の要件を満たし、その部分の大きさが水平投影面積がそれぞれ当該建築物の建築面積の8分の1以下であるものは、階数に含めないことができます。
つまり、屋根や柱、壁があるので、形式的には「階」に該当しますが、常時不特定多数の者の利用がなく、用途・機能・構造上、屋上に設けることが適当である部分は階数に含めなくても良いと規定されています。
階数に算入しない建築物の屋上部分
- 階段室
- 昇降機および昇降機の昇降ロビー
- 昇降機用機械室
- 雪下ろし塔屋、時計塔、教会の塔上部分
- 高架水槽、キュービクル等の電気設備機器など
地階について
最後に、地階の定義についても確認しておきたいと思います。
地階は、建築基準法施行令第1条2号で規定されています。
建築基準法施行令 第1条2号(用語の定義)
- 地階 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。