住宅を購入する場合、融資(ローン)を利用するのが一般的だと思います。
では、融資が受けられなくなってしまった場合、つまり審査がとおらなかったときには契約を解除することができるのでしょうか。支払い済みの手付金は取り戻すことができるのでしょうか。
手付金を取り戻すことができるかどうかは不動産売買契約書に融資利用の特約の条項が入れられているかどうかによって異なります。
不動産の売買契約書には、融資利用の特約という条項が入れられていることが多いです。
融資利用の特約とは、ローン条項とも言われますが、このローン条項とはどのような条項、意味なのでしょうか。
ローン条項の条文
ローン条項は次のような条文となっています。
- 買主は売買代金の一部に標記の融資金を利用する場合、本契約締結後すみやかにその融資の申込み手続きをしなければならない。
- 前項の融資が否認された場合、買主は標記の期日内であれば本契約を解除することができる。この場合には、売主は買主に受領済みの金員を無利息にてすみやかに返還しなければならない。
ローン条項とは
不動産は一般的に高額なので融資(ローン)を使って購入するケースがほとんどです
融資を使用する場合、融資利用の特約というものが通常、不動産売買契約書に盛り込まれます。
つまり、一定の期間内に融資が受けられなくなった場合には、買い主側から本契約を解除することができるという特約です。
この融資利用の特約は売り主にとっては、せっかく成立した契約が無効となるので不利な条件となります。
そのため、融資利用の特約の適用期間は1か月以内などと期間が設けられることが多いです。
それだけではなく、「契約成立後5日以内に金融機関に融資の申し込みをする」というような細かい条件が付けられている条文も多くあります。
融資利用の特約による解除では、手付金は戻ってくるのか?
融資利用の特約で、買い主が契約を解除した場合、買い主が売り主に支払い済みの手付金は返ってくるのでしょうか?
これは契約書の内容次第ではありますが、通常「売主は買主に受領済みの金員を無利息にてすみやかに返還しなければならない。」という内容になっていることが多いです。
受領済みの金員とは手付金も含まれるので、手付金は売り主に返還しなければなりません。
手付金が返ってこない場合もある?
融資利用の特約の制限期間を超過してしまった場合、または「契約成立後5日以内に金融機関に融資の申し込みをする」という文言があったにも関わらず、融資の申込を5日以内に行わなかった場合には、融資利用の特約によって解除をすることができません。
この場合、手付解除することになります。
売り主側から解除する場合には、既に支払い済みの手付金を放棄することによって解除が可能になるので、手付金が返ってこないことになります。