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根抵当権とは?抵当権の違いは?不動産登記を示しわかりやすく解説します。

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不動産の登記をみていると、根抵当権が乙区に設定されているものがよくあります。

根抵当権も普通の抵当権と同様、担保物権の一つですが、一般的な抵当権(普通抵当権と呼ぶことがあります)とはどのように違うのでしょうか?

抵当権とは?

根抵当権を説明するには、抵当権の説明が欠かせません。

簡単にはなりますが、抵当権の説明をします。

抵当権は、既に発生した特定の債権を担保するものです。そのため、例えば「1月1日に貸し付けた100万円の貸金債権」のような具体的な債権が存在します。

そして、この債権が消滅する(お金を返すなど)と、それを担保していた抵当権自体も消滅します。

これを抵当権の附従性といいます。

抵当権の附従性は抵当権と根抵当権の違いを理解するのにとても大事な言葉なので覚えてください。

根抵当権とは?

根抵当権は、一定の範囲内の不特定の債権を極度額の範囲内において担保するために不動産上に設定された担保物権です。

民法 第398条の2(根抵当権)

  1. 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
  2. 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
  3. (略)

もう少しわかりやすく説明していきます。

抵当権は特定の債権を担保するものでした。

根抵当権には特定の債権はありません。貸し借りが繰り返し行われるような間柄の場合、貸し借りのたびに抵当権を設定していたのではとても煩雑で、商取引が困難になります。

そこで、継続的な取引関係(貸借関係が何回も起こり、債権額も変動する)から生ずる債権を、契約で決めた上限額(極度額といいます)まで担保する制度が根抵当権です。

根抵当権は特定の債権を担保するものではないため付従性はありません。

つまり、担保債権となっている個々の取引によって生じた債権が弁済されて消滅しても、根抵当権は消滅することがありません。次々に発生する債権を担保するために存続します。

債権の融通性といいます。

根抵当権の登記の具体例

根抵当権を設定するときは担保する債権の範囲を取引の種類によって特定する必要があります。

下の登記で具体的にみていきましょう。

債権の範囲は「金銭消費貸借取引」です。お金の貸し借りですね。

そして、普通抵当権とは違い担保する債権の最高限度額(極度額といいます)を定めます。下の例では極度額は当初が30億円、その後40億円に引き上げられています。

極度額は余裕をもって設定されているのがほとんどです。

極度額が40億円だからといって40億円の債権があるかといえばそうではありません。

根抵当権の元本確定とは?

根抵当権は、変動する債権を担保するものです。

しかし、元本確定という手続きを行うと、確定期日をもって担保する債権が具体的に確定し、それ以降の債権は担保しなくなります。

元本確定は、これ以上新たな取引をしないことを前提に債権額を確定させることです。債権を回収するための予備的手続きと位置付けられます。

そのため、通常の取引状態よりも、取引の状況が良好でない場合に行われるケースが多いです。

たとえば、債務者が破綻したtきに、根抵当権者が信用保証機構から代位弁済を受けるために元本確定を行います。

根抵当権がついた物件を取引する際の注意点

購入しようとしていた物件に根抵当権が付いていた場合、どのようなことに注意しなければならないでしょうか?

基本は抵当権と一緒で、抵当権を抹消した上で取引することが大事です。

しかし、根抵当権は抵当権とは違い複数の債権を担保するものです。根抵当権は住宅ローンなどと違い、繰り返される商取引の債権を担保するために設定されます。一般的には抵当権よりも高額な債権を担保しているケースが多いことから、根抵当権を抹消できるのかは、売主(債務者)によく確認する必要があります。

抵当権と比較して、根抵当権の抹消手続きの方がトラブルが多いので、抹消できるかどうかの確認は念入りに行う必要があります。




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