不動産鑑定士が不動産実務に役に立つ情報(TIPS)を綴ります

不動産実務TIPS

鑑定評価

不動産鑑定士試験の受験者数、合格率の推移と難易度(平成29年最新)

更新日:



不動産関連資格の中で最難関と言われている不動産鑑定士試験。

平成29年不動産鑑定士試験、合格者発表

平成29年10月20日(金曜日)に、監督官庁である国土交通省から平成29年不動産鑑定士試験合格者の発表がありました。

平成29年不動産鑑定士試験合格者の発表
~106名の方が合格しました~

参考 国土交通省|平成29年不動産鑑定士試験合格者の発表について

無事に合格しました方々、本当におめでとうございます。

合格者は増えたのでしょうか?合格率は?難易度は易しくなったのでしょうか?平成29年の試験結果に基づき分析してみたいと思います。

不動産鑑定士試験の概要

この不動産鑑定士試験が平成30年から変わることが予定されています。現行の平成18年から行われている試験制度では短答式と論文式のその2つに合格する必要があります。

まずは現行の試験制度をおさらいしてみます。

不動産鑑定士試験の概要

試験に合格すれば良い訳ではなくこの後1~2年の実務修習が始まります。

H29年不動産鑑定士試験の合格率

難しい難しいと言われている不動産鑑定士試験。では合格率は何パーセントなんでしょうか?国土交通省が発表している不動産鑑定士試験の受験者数・合格者数から2017年の合格率を計算してみました。

短答式は3人に1人程度の合格で合格率32.5%、論文式はやや難しくなって7人に1人程度の合格で合格率14.5%です。

短答式に合格すると、次のステップ論文式に移れるわけですが、短答式合格者には特典があります。次の2年間短答式試験を免除されるのです。短答式試験に合格した年を含めれば、論文式のチャンスが3回与えられる訳ですね。

昨年と比べて合格率は変わったのでしょうか?2016年と比較してみます。

 

  2016年 2017年
短答式合格率 32.6% 32.5%
論文式合格率 14.5% 14.5%

合格率はほぼ変わらず。という結果でした。

難しいと言われる論文式試験でも14.5%なんだから、そんなに難しくないんじゃ?と思った方もいらっしゃるかもしれません。

では不動産鑑定士を目指して、実際に不動産鑑定士になれる人はどれぐらいいるんでしょう?実際には試験後の実務修習もありますが、不動産鑑定士試験だけ考えてみましょう。

申込者数=受験者数ではない!

上の合格率は合格者数を受験者数で割ることで求めていますが、不動産鑑定士試験を目指している人は受験者数よりも多いです。

これも国土交通省が公表しているんですが、不動産鑑定士試験の申込者数は2017年では2,126人(前年比103人増)。実際に試験をうけた受験者数が1,613人なので、申込者の4人に1人は試験を受けることなく諦めていることが分かります。

最終的な論文式試験の合格者数は106人。試験を申し込んだ人に対する割合は5.0%となります。

20人に1人ですから、かなり狭き門であることが分かりますね。

ちなみに、論文式試験は3人に1人が試験を受けていません。短答式試験よりも試験範囲が広く、覚えることもかなり多いですからね。思うように勉強が進まず諦めたんでしょうか。

不動産鑑定士試験の合格率の推移

現行の試験制度になった2006年(平成18年)から2016年までの合格率、受験者数、合格者数をグラフにしてみました。

短答式と論文式を分けています。

短答式試験の推移

論文式試験の合格率推移は下のとおり。特筆すべきは受験者数の激減といったところでしょうか。国土交通省や日本不動産鑑定士協会連合会が不動産鑑定士資格をアピールして受験者の増加を促している理由がよく分かります。

過去からの受験者数・合格率の推移をデータにしてみました。

  短答式試験
受験者 合格者 合格率
2006 4,605 1,160 25.2
2007 3,519 846 24.0
2008 3,002 678 22.6
2009 2,835 752 26.5
2010 2,600 705 27.1
2011 2,171 601 27.7
2012 2,003 616 30.8
2013 1,827 532 29.1
2014 1,527 461 30.2
2015 1,473 451 30.6
2016 1,568 511 32.6
2017 1,613 524 32.5

 

論文式試験の推移

次に論文式試験です。こちらも受験者数は減少傾向。短答式試験合格者のみが論文式試験を受験できる制度なので、短答式と比較すれば減少率は緩やかです。

受験者数は減少しても合格者数はほぼ一定なのが特徴的でしょうか。

過去からの受験者数・合格率の推移をデータにしてみました。

  論文式試験
受験者 合格者 合格率
2006 912 194 10.3
2007 1,164 120 10.3
2008 1,308 132 10.1
2009 1,230 124 10.1
2010 1,130 106 9.4
2011 1,038 117 11.3
2012 910 104 11.4
2013 812 98 12.1
2014 745 84 11.3
2015 706 100 14.2
2016 708 103 14.5
2017 733 106 14.5

不動産鑑定士試験に合格するためには

不動産鑑定士試験に合格するためには猛勉強するしかありません。資格試験の専門学校のホームページを見ると、1800時間~2300時間と書いてありますね。毎日10時間勉強して半年から8か月程度でしょうか。

実際毎日10時間勉強できる環境にいる人は稀かと思います。資格試験に合格するだけの期間で2年程度はみておいた方が良いでしょう。

平成30年の鑑定士試験はどう変わる?

この記事を更新している平成29年6月現在では平成30年の試験内容についてはまだはっきりと決まっていません。新聞報道などで言われているのは次のとおりです。

毎年1回行われる資格試験については、民法や会計学などの知識を問う論文式の2次試験に「科目別合格」を導入し、翌年受験する際には、合格科目の論文を免除。その上で合格後にも研修を受けるよう義務化し、鑑定士の専門性向上を図る。

論文式試験に科目別合格制度を取り入れて、単年に過度な負担がかからないようにするようです。試験の改正については、資格の専門学校などをつうじてきちんと把握しておいた方が良さそうですね。

URL 国土交通省|不動産鑑定士試験実施の改善について

鑑定試験は易しくなるのか?

2017年10月追記です。

鑑定士向けのアンケートなどの情報によると、鑑定士試験の変更・改善は受験者の門戸を開けるための制度改正のようです。単に鑑定士試験を易しくするというものではなさそうですね。

平成30年の受験者さんは、試験は相変わらずの難易度を保つと考えておいた方が良いかもしれません。

第6回不動産鑑定評価制度懇談会(2017.5.31)

国交省が音頭をとる不動産鑑定評価制度懇談会で、鑑定士試験制度についても変更を検討しています。平成30年に間に合うかは分かりませんが、今後検討されている試験変更案としては不動産鑑定士試験における新たな免除制度の導入です。

不動産鑑定士試験における新たな免除制度

つまりり、論文式試験に不合格でも、一定以上の成績を得た科目については、一定期間受験を免除するというものです。現在でも短答式試験については2回免除期間があります。この制度を論文式試験にまで拡大させようということのようですね。

税理士のように科目別合格制度にするのかな?という噂もありましたがどうも違ったようです。

不動産鑑定士試験の勉強方法

もう昔の話なので興味を持たれる方も少ないかと思いますが、私も1年半はみっちりと勉強した覚えがあります。仕事しながらではなく試験だけに集中して1年半です。そうでもしないと、5.0%の壁は突破できないんじゃないでしょうか。

今の資格試験は独学では難しく、独学で受かったという人はほとんど聞きません。資格の学校TACやLEC東京リーガルマインドなどの実績のある専門学校に頼るのが一番だと思います。

→ LEC|不動産鑑定士サイトはこちら

下の記事も書いてます!

参考 不動産鑑定士試験難「易化」で、鑑定士受験者数は増える?




PICK UP記事と広告



-鑑定評価

Copyright© 不動産実務TIPS , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.