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規模の大きな土地・面大地の相続税を安くするには?「地積規模の大きな宅地の評価」

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財産評価基本通達の改正により、「広大地の評価」は廃止され、2018年1月1日からの相続については、「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されました。

500平米(又は1,000平米)以上の土地をお持ちの方は、節税効果の大きい「地積規模の大きな宅地の評価」が適用できる可能性がありますので、相続税に詳しい税理士にご相談ください。

平成29年度税制改正の大綱(平成28年12月22日閣議決定)において、相続税等の財産評価の適正化を図るため、相続税法の時価主義の下、実態を踏まえて、広大地の評価について、現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件を明確化することとされた。

このことを踏まえ、「地積規模の大きな宅地の評価」を新設し、その適用要件については、地区区分や都市計画法の区域区分等を基にすることにより明確化を図った。

なお、これに伴い「広大地の評価」を廃止した。

詳しくは下のPDFに記載されていますが、簡単に分かるようにまとめてみました。

参考 地積規模の大きな宅地の評価(PDF)

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地積規模の大きな宅地の評価とは?

地積規模の大きな宅地の評価を簡単に箇条書きでまとめると次のとおりです。

地積規模の大きな宅地の評価

規模の大きな宅地とは、三大都市圏500㎡以上・それ以外の地域は1,000㎡以上

地積規模の大きな宅地の評価が適用できるのは、「普通住宅地区」と「普通商業・併用住宅地区」

適用できるのは、都市計画法上の容積率(指定容積率)が400%未満(東京都の特別区は300%未満)の地区のみ

規模格差補正率が新設された

規模格差補正率は、「奥行補正」、「側方加算」、「二方加算」、「不整形地補正」、「間口狭小補正」、「奥行長大補正」、「がけ地補正」、「容積率補正」、「私道」、「セットバック」、「文化財」、「造成」、「傾斜地」などの補正と併せて適用することが可能

市街化調整区域であっても、宅地分譲の開発が可能な地域は適用可能

容積率には、指定容積率・基準容積率などがあります。別記事「指定容積率とは?基準容積率とは?使用容積率とは?違いを解説します。」にて解説しています。

規模格差補正率

規模格差補正率は下の計算式によって計算します(小数点以下第2位未満は切り捨てです)。

Aは宅地の地積(規模)です。

BとCは、宅地の所在する地域に応じて、下の表によってそれぞれ異なります。

三大都市圏に所在する宅地

普通商業・併用住宅地区、普通住宅地区に関して、適用可能です。

地積 B C
500㎡以上、1,000㎡未満 0.95 25
1,000㎡以上、3,000㎡未満 0.90 75
3,000㎡以上、5,000㎡未満 0.85 225
5,000㎡以上 0.80 475

三大都市圏以外に所在する宅地

普通商業・併用住宅地区、普通住宅地区に関して、適用可能です。

地積 B C
1,000㎡以上、3,000㎡未満 0.90 100
3,000㎡以上、5,000㎡未満 0.85 250
5,000㎡以上 0.80 500

地積規模の大きな宅地への変更でどうなる?

以前の制度「広大地の評価」では、広大地の判定が難しく争点になっていました。適用要件が明確な「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されたことにより、運用が明確で簡単になるでしょう。

また、「広大地の評価」では、形状などに関わらず規模だけをみた減価でした。「地積規模の大きな宅地の評価」では、不整形などの形状による減価補正も重ねて適用することが可能になりました。

500平米(又は1,000平米)以上の土地をお持ちの方は、節税効果の大きい「地積規模の大きな宅地の評価」が適用できる可能性がありますので、相続税に詳しい税理士にご相談ください。

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