建物の全部事項証明書(通称、謄本)を見ていると、附属建物の築年月日が空欄となっている場合があります。
分からない場合は「不詳」と書かれていますが、どう違うのでしょう?空欄の意味は何なんでしょうか?
スポンサーリンク
建物の新築日が書かれている場所(登記)
建物の新築日(建築年月日)は表題部の「原因及びその日付」に書かれています。
上の例でいうと、「平成20年11月1日新築」と書かれていますね。これが建物の新築日です。
附属建物の原因日が空欄の場合の新築日は?
例で示した建物には主である建物のほかに、附属建物があります。しかし、この附属建物の原因及びその日付は空欄となっていますね。登記の日付は「平成20年11月12日」となっていますが、原因となる日が分からない状態となっています。
このように、附属建物の登記の原因(一般的に建物の新築日)が不明な場合、主である建物の新築日と同じということを意味します。
これは不動産登記実務取扱手続準則にもきちんと書かれています。
不動産登記実務取扱手続準則第93条1項
(附属建物等の原因及びその日付の記録)
附属建物がある建物の表題登記をする場合において、附属建物の新築の日が主たる建物の新築の日と同一であるときは、附属建物の表示欄の原因及びその日付欄の記録を要しない。
主である建物と同じ日に建築された附属建物は、原因及びその日付の欄は空欄で良いと書かれていますね。
新築日が分からないから空欄となっているのではなく、主である建物と同じ日の建築だから空欄となっているのです。新築日が分からない場合は「年月日不詳」という記載がなされます。
主である建物が「年月日不詳」となっており、附属建物が「空欄」となっている場合はどうでしょう?この場合は、主である建物と同じく新築年月日が分からない。つまり「年月日不詳」だということになります。
まとめ
不動産業に従事していると当たり前の知識ですが、不動産登記に馴染みのない人には意外と盲点の知識だったようです。