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宅建業者の評価額根拠説明義務について。きちんと説明してる?

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おはようございます。不動産鑑定士のreatipsです。

先日飲食店舗をやられている方から電話がありました。相談の電話です。内容は今借りている店舗を購入したい。間に入っている不動産業者に話しをしてみたら、どうも価格が高いようだ。この価格について検討したいんだけど素人には分からないので意見が欲しい。というものでした。

話しを聞いてみると、その価格は若干高いかなとは思うものの概ね適正な範囲に入るものでした。

しかしながら、その不動産業者は一つの義務を果たしていませんでした。宅建業法には以下の定めがあります。

宅建業者の評価額根拠説明義務

宅建業法第34条の2第2項

宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。

土地建物の価格は非常に重要な要素となります。売買契約において契約をするかどうかの判断に大きな影響を与えますね。その価格をアドバイスするのは宅建業者として重要な業務の一つです。しかしながら言いっぱなしはいけません。専門家としての責任において、その評価額をどうやって導いたのかの根拠を説明しなければなりません。

評価額の根拠説明義務とでも言いましょうか。

今回の相談事例ではこの義務が果たされていませんでした。買い希望者が価格に納得していないにも関わらず、何の説明もなかったようです。それでは業界あげて士(サムライ)になっても何も変わっていませんね。

不動産鑑定士と宅建士との差はここに大きな違いがあると思います。不動産鑑定士による鑑定評価書はその価格を導くまでのプロセスを大事にします。極力分かりにくいことがないよう、明確なシナリオを描いて評価額を導きます。評価をする専門家なので当たり前のことなんですけどね。

ちなみに今回の相談の件では、鑑定評価を取ることは適切ではないとアドバイスをさせていただきました。取引当事者の片方が鑑定評価書を引っ提げて価格交渉に挑んだとしても話しがこじれるだけです。鑑定評価書は高いですが、不動産の売買に当たって何の法的拘束力もありませんからね。売り主さんからしたら、よく分からない書類を引っ提げて喧嘩をふっかけてきた!としか思われません。

売り主と買い主の両当事者が納得の上で鑑定評価を依頼されるケース以外は極力仕事は受けないようにしています。

仕事を逃すのは正直痛いですけどね...

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