2017年9月に平成29年の司法試験結果が発表されました。最新の記事は下記URLへどうぞ。
先日私が保有している不動産鑑定士資格の試験の合格率や難易度について調べました。
不動産鑑定士試験は受験者数が激減していますが、他の文系資格はどうなんだろう?ということで最高峰の試験である司法試験について概略調べてみました。
司法試験の概要
試験は短答式と論文式の2つの試験から成りますが、両試験は同時期に行われ受験者は2つの試験を受けることになります。
旧試験時は短答式試験合格者が論文式に臨むことが出来る制度でしたが新制度になってから変わっています。
日 | 試験概要 | 試験内容 |
1日目 | 論文式試験 | 選択科目、公法系科目 |
2日目 | 民事系科目 | |
3日目 | 刑事系科目 | |
4日目 | 短答式試験 | 憲法・民法・刑法 |
試験時期は5月中旬。4日間の日程で行われます。試験地は、札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市の7か所です。8高裁のある場所かと思ったら、高松市は除かれるんですね。
司法試験の合格率
資格試験最高峰の司法試験ですが、最新の合格率は何パーセントでしょうか。平成28年の司法試験の合格率は22.9%となっています。
司法試験の合格率の推移
司法試験は現行の新司法試験体制に至るまでは、旧司法試験(2005年まで)だけの時期と新旧が重複的に試験が行われていた時期(2006年~2010年)に分けられます。
現在の施行制度は2011年(平成23年)からで、平成28年で6回目となりました。
グラフにすると分かるとおり、旧司法試験時代は、合格率が3%前後、移行期は徐々に合格率が上昇し一桁後半までいっています。新司法試験になってからは20%半ばとなっています。
司法試験の受験者数の推移
司法試験の受験者数の推移を調べてみました。移行期は新旧司法試験は合わせた数字です。
新司法試験の移行期が始まる2006年の3年前2003年に司法試験の受験者数は最高となります。そのときの受験者数が45,372人。その後減少を続け、完全に司法試験に移行する2011年(平成23年)には前年より半減以上の8,765人になります。その後も減少を続け、平成28年に6,899人になります。最高を記録した2003年と比べると15%まで落ち込んでいるんですね。
司法試験の人気の低下の著しさが一目で分かります。
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合格者数
上のグラフでもピンクで合格者数を示していますが、改めてピックアップしてみます。法曹界の人数の減少が叫ばれて司法制度改革は行われましたが、平成20年に司法試験合格者は最大となり、2,209人です。その後改革の弊害が露呈し合格者数は減少。現在は1,583人となっています。
旧司法試験制度の下では、6~700人の時期が続き、その後1,000人程度まで増え続けましたが、それと比べてもまだ多い合格者数となっています。
日本弁護士連合会(日弁連)の主張ではまだ合格者数は多く、年間1500人程度が適正だと主張していますね。
受験者数・合格者数・合格率のデータ
グラフばかりだったので数字も記載しておきましょう。
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まとめ
不動産鑑定士は10年で受験者数が3分の1となりました。
土地や建物の価格を評価する「不動産鑑定士」の受験者数が減っている。2016年度の受験者数は10年前と比べて約3分の1。合格率約1割という難度に加え、リーマン・ショック後に低迷した不動産市況の影響もあるとみられる。優秀な人材が不足すれば不動産取引や地価調査などに影響が出かねず、国土交通省や業界団体はPRに知恵を絞っている。
引用:不動産鑑定士、10年で受験者3分の1に PR懸命
しかし、最高難易度の司法試験はさらにひどく、7分の1まで減少しているんですね。なぜここまで減少してしまったんでしょうか。難しい割には食えない資格というレッテルを貼られてしまっている現状があるからでしょうか。日弁連も合格者数を減らせ減らせという大号令はかけていますが、受験者数を増やそうという方策はとりたてて考えているようではありません。
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3分の1になったから躍起になって不動産鑑定士をアピールしている鑑定協会。現在の資格者のことを考えて(表向きにはそんなことは言っていませんが)、合格者数の減少を叫んでいる日弁連。同じ資格団体でもスタンスが全然違うんですね。