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建築基準法と道路法の道路の違い。具体例をあげて説明します。

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道路といっても様々な道路があります。

道路には色々ある

  • 建築基準法に定める道路
  • 道路法に定める道路
  • 道路交通法に定める道路
  • 刑法に定める道路
  • その他

中でも、不動産を扱うにあたって厳密に区別しなければならないのが、建築基準法と道路法に定められる道路の違いです。

建築基準法上の道路だけど道路法上の道路ではない。逆に、道路法上の道路だけど建築基準法上の道路には該当しない。さて、みなさんどんな道路か想像できるでしょうか?

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道路法上の道路

道路法では第3条で、道路の種類を高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道と定義しています。

道路の種類 定義
高速自動車国道 全国的な自動車交通網の枢要部分を構成し、かつ、政治・経済・文化上特に重要な地域を連絡する道路その他国の利害に特に重大な関係を有する道路(高速自動車国道法 第4条)
一般国道 高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を構成し、かつ一定の法定要件に該当する道路(道路法 第5条)
都道府県道 地方的な幹線道路網を構成し、かつ一定の法定要件に該当する道路(道路法 第7条)
市町村道 市町村の区域内に存する道路(道路法 第8条)

圧倒的に多いのは、市町村道ですね。割合としては約84.1%を占めます。次いで多いのが約10.6%を占める都道府県道です。

参考 国土交通省|道路の種類(PDF形式)

一般的に使う「道」と「道路」の違いについても別記事「道と道路の違い。建築基準法はどのように規定しているか。」でまとめています。

建築基準法上の道路

簡単に建築基準法上の道路(第42条)をまとめてみました。

法令 呼称 内容
42-1-1 1号道路 国道、県道、市道などの道路法の道路
42-1-2 開発道路 開発許可などにより築造された道路
42-1-3 既存道路 建基法の適用及び都市計画区域に指定される以前から存在した4m以上の道路
42-1-4 計画道路 事業執行が予定され特定行政庁が認めた道路
42-1-5 位置指定道路 道路位置指定による道路
42-2 2項道路 建基法の適用及び都市計画区域に指定される以前から存在した4m未満の道路
42-3 3項道路 土地の状況により4m未満で指定された道
42-4 4項道路 6m区域内の特定行政庁が認めた道
42-5 5項道路 6m区域指定時に現存していた道で幅員4m未満の道
42-6 6項道路 幅員1.8m未満の2項道路

詳しくは、別記事「第42条の道路の種類。建築基準法の道路を調べてみました。」にて、全ての道路を詳細に説明しています。是非参考にしてみてくださいね!

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建築基準法と道路法の道路の違い

それぞれの道路について簡潔に説明したので、具体的に建築基準法と道路法の道路の違いについて説明していきます。

A|道路法の道路であって、建築基準法の道路である道路

まずは、道路法の道路であって、建築基準法の道路である道路です。建築基準法第42条1項1号に次の規定があります。

建築基準法第42条1項1号

道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路

道路法の道路は、建基法の道路ですという規定です。建基法の道路が道路法の道路を内包するような文言になっていますが、例外があります。それは「B|道路法の道路であって、建築基準法の道路でない道路」で説明します。

また、建基法第42条1項1号道路は幅員4m以上の道路に限定されていますが、道路法の道路の中には4m未満のものもたくさんあります。

4m未満の道路法の道路は、建築基準法第42条2項道路(建基法の適用及び都市計画区域に指定される以前から存在した4m未満の道路)として、建築基準法上の道路に該当するものもあります。

道路法の道路であって、建築基準法の道路である道路の主なものは、「建築基準法第42条1項1号道路」「建築基準法第42条2項道路」。

B|道路法の道路であって、建築基準法の道路でない道路

次は、「道路法の道路であって、建築基準法の道路でない道路」です。

建築基準法第43条にこんな規定があります。

建基法第43条の概要

建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。)に二メートル以上接しなければならない。

  • 自動車のみの交通の用に供する道路
  • 高架の道路その他の道路であつて自動車の沿道への出入りができない構造のものとして政令で定める基準に該当するもの(略)

正確にいえば、建築基準法上の道路(建基法42条1項1号)に該当するものの、接道義務を満たさない道路があります。それが、上の「自動車のみの交通の用に供する道路」「高架の道路その他の道路であつて自動車の沿道への出入りができない構造のものとして政令で定める基準に該当するもの」です。

具体的には高速道路ですね。高速道路のような自動車専用の道路は、接道義務を満たさない。つまり家を建てられません。

ここで、当たり前のように接道義務をいう用語を使いましたね。接道義務については記事「接道義務とは?敷地と道路との関係により建築物が建てられない場合があります。」にて詳しく説明しています。

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C|建築基準法の道路であって、道路法の道路でない道路

最後に、「建築基準法の道路であって、道路法の道路でない道路」です。

これは建築基準法の道路の一覧から、道路法上の道路を除けば理解できます。

法令 呼称 内容
42-1-1 1号道路 国道、県道、市道などの道路法の道路
42-1-2 開発道路 開発許可などにより築造された道路
42-1-3 既存道路 建基法の適用及び都市計画区域に指定される以前から存在した4m以上の道路
42-1-4 計画道路 事業執行が予定され特定行政庁が認めた道路
42-1-5 位置指定道路 道路位置指定による道路
42-2 2項道路 建基法の適用及び都市計画区域に指定される以前から存在した4m未満の道路
42-3 3項道路 土地の状況により4m未満で指定された道
42-4 4項道路 6m区域内の特定行政庁が認めた道
42-5 5項道路 6m区域指定時に現存していた道で幅員4m未満の道
42-6 6項道路 幅員1.8m未満の2項道路

主なものとして「開発道路」と「位置指定道路」について概要を説明したいと思います。

「開発道路」は、都市計画法の開発許可により築造された道路のことを指します。開発行為によって道路が築造されることがあります。築造された道路は、道路上の道路として認定を受ける場合もあれば、開発業者がそのまま道路を管理し開発道路として扱われる場合もあります。

道路法上の道路の認定を受けなかった場合は、開発道路として建築基準法第42条1項2号の道路(通称、2号道路)の扱いとなります。

参考 開発道路(2号道路)は私道?幅員などのまとめ

次に、「位置指定道路」です。

市町村道ならば道路法の道路、開発道路ならば都市計画法の道路と、ほとんどの道路は何かしらの法律に基づいた道路です。位置指定道路はこのような法律に基づかない道路で、特定行政庁から位置の指定を受けた特別な道路です。

私道といえば、そのほとんどは位置指定道路を指します。

参考 位置指定道路(5号道路)は私道?その申請と廃道についてのまとめ

また2項道路の中には、赤線と呼ばれて昔からの道だったものも含まれます。これも建築基準法の道路であって、道路法の道路でない道路ですね。

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建築基準法の道路、道路法の道路、どこで調査する?

どんな法令に基づいた道路かどうかは、市役所などの地方自治体で調べます。

建築基準法の道路と道路法の道路では、担当する担当課が異なることが通常です。

市道などの道路法の道路を調査する場合は、道路管理課、建設管理課などの名前の部署となっていることが多いです。建築基準法の関係の調査は建築指導課です。

それぞれの課に行くことになりますが、調査に当たっては「家を建てられるかどうか」という観点で調査することが大切です。市道と確認できたから終わりではなく、「建築基準法第42条1項1号道路で良いですか?」と念入りに確認して調査漏れがないようにしたいものですね。




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