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土地の地目とは?種類にはどんなものがあるの?

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地目とは土地の登記事項の一つであり、土地の用途による分類をさします。登記官がその土地を総合的、客観的に判断して認定することとされており、不動産登記法によりその種類は23種類に区分されています。

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地目の認定は現況主義

地目を認定に当たっては、「土地の現況および利用目的に重点を置き、部分的にわずかな差異の存するときでも、土地全体としての状況を観察して定めること」とされています(準則第68条)。

これが地目の認定が現況主義といわれる所以です。

地目には登記、課税、現況など、複数の地目がある。

地目というと法務局の登記書いてある地目と考えがちですが、相続税や固定資産税の課税目的に使われる課税地目や現況地目など様々な種類があります。ここで解説しているのは登記地目です。

参考 法務局の登記地目、相続税や固定資産税の課税地目の種類

先ほど登記地目の認定は現況主義と書きました。それなら現況地目と登記地目は一緒にならなければいけないような気がします。

しかし実際の登記地目は現況地目と異なっている場合も多々あります。詳しくは別記事にて解説していますが、例えば農地です。農地(田・畑)を宅地に地目変更する場合は、農地転用許可書(農地法第4条又は第5条)が必要となります。しかし農地転用許可を得ないで勝手に農地を宅地や雑種地(資材置き場・駐車場)してしまう例は実際には多々あります(もちろん違法です)。このような場合、現況地目は宅地(又は雑種地)だけれども、登記地目は農地(田・畑)のままです。登記地目と現況地目が異なった状態になってしまう訳です。

参考 農地の地目変更、建物を建築中のときはどの段階から宅地となる?

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登記地目を調べるには?

登記地目を調べるには法務局にいって、登記事項証明書を取得する必要があります。昔は登記簿と言いましたね。現在は正式に登記事項証明書(全部事項証明書又は現在事項証明書)と言います。

全部事項証明書と現在事項証明書は様式が異なりますが、表題部には地目が記載されています。下の例は全部事項証明書です。下では地目が原野になっていることが確認できます。

中間地目の登記は可能?

また、地目の登記にあたってはいわゆる中間地目の登記はできないこととされています。中間地目とはある地目から他の地目に変更される過程にある土地の状況を通称する実務用語ですが、利用目的が変更される途中のものであることから、変更の過程では未だ地目の変更は認められず、中間地目の登記申請はできないとされています。

具体的には畑を宅地に転用する場合です。住宅を建築する場合において、土砂を搬入し粗造成が終わった段階で雑種地としての登記が認められるでしょうか?この場合は中間地目としての雑種地の登記は認められません

地目の種類

地目の種類についても23種類に限定されるのであって、これ以外の地目が認められることはありません。

建物の種類は主なものについては定めがありますが、定めに該当しないものについてはこれに準じて名称を付けられます。建物の種類(居宅など)は建物に応じた名前を付けられるが、土地の地目(宅地など)は23種類に限定されており、勝手に増やすことはできないんです。この違いは要注意ですね。

第99条(地目)
地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。

登記地目の種類と定義、その具体例をまとめてみました。

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地目の定め方の具体例

地目の定め方を個別具体的に説明したものをPDFにしました。不動産登記事務取扱手続準則第68条及び第69条を参考にしています。こちらも合わせて活用ください。

土地の登記地目

参考 土地の登記地目(PDF)

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