不動産鑑定士の発行する不動産鑑定評価書には利用者の範囲を明記することが国交省の定めたガイドラインにより定められています。
参考 不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン(PDF)
利用者の範囲として鑑定評価書に明記しなければならない事項は次のとおりです。
利用者の範囲
- 依頼者
- 成果報告書が依頼者以外の者に提出される場合には当該提出先
- 調査価格等が依頼者以外の者に開示される場合には当該開示先
- 調査価格等が公表される場合はその旨
では、提出、開示、公表とはどのように違うんでしょうか?似たような用語で公告もあるので、あわせて調べてみました。
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開示とは?
開示
他人に、物又は事柄の内容、性質、数量等が明らかに分かるように示す、見せるの意味。
法律で使われている開示の例
- 拘留されている被告人は、裁判所に拘留の理由を開示することができる(刑事訴訟法82Ⅰ)
- 犯即の事実を証明するに足りる物件を身辺にかくしていると認められる者ががあるときは、当該物件の開示を求めることができる(関税法120)
公表とは?
公表
一般国民若しくは一定地域の住民又は少なくとも不特定多数の人々が知ることのできるように、一定の事項を発表することをいう。発表の主体は、必ずしも国、地方公共団体に限らず、個人の場合もある。発表の形式は、特段の定めがない限り、必ずしも官報への掲載によることを要せず、新聞紙への掲載、掲示場における掲示、インターネットホームページへの掲載、刊行物の発行等によってすることを妨げないものと解される。
尚、公認会計士法においては「公表する」ということを定義して「広告をすることその他株主、債権者その他多数の者の知り得る状態に置くことをいう」としている(公認会計士法1の3Ⅱ)
法律で使われている公表の例
- 人事院は、毎年国会及び内閣に対し、業務の状況を報告しなければならない。内閣は、前項の報告を公表しなければならない(国家公務員法24)
- 前項の請求があったときは、当該普通地方公共団体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない(地方自治法74Ⅱ)
公告とは
公告
ある事項を広く一般の人に知らせることをいう。その方法、効力等は一律ではなく、その目的も種々である。すなわち、利害関係人の範囲が広範又は不特定であるとき、これらの者に対して、ある権利関係について、権利行使または異議申し出等の機会を与えるためのもの、一定の事項を社会一般に公示するためのもの、所在不明者に対する通知手段のためのもの、等がある。公告の効力は単なる告示方法として意義をもつものもあるが、これに対する適当な手続きを取らなかった場合、失権等の不利な効果を生ずるものが多く、公示催告における公告もこの性格を有する。
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提出とは
提出
書面その他の物件を相手方に差し出して交付すること。単にその物件を相手方に示して知らせるにとどまらず、その所持を相手方に移す点で、「呈示」又は「提示」と異なる。
まとめ
つまり、公表は広く一般の者に知らしめること、提出は書類などの物件を直接渡すこと、開示は一定の者に対してその内容を伝えること。です。