アパート、マンションを借りていると契約更新の際に更新料を請求される場合があります。
賃貸住宅の契約期間は2年が多いので、2年ごとに更新料が発生します。ではこの更新料。どのような性格のもので、本当に払わなければいけないのでしょうか?相場はどの程度でしょうか?
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更新料とは?
更新料は地域の慣習により、賃貸契約の更新時に、借り主から貸し主に支払われるものです。更新料のほかに、管理会社(不動産会社)に対して、更新手数料なるものも請求される場合もあります。
更新料は支払わなければならない?
更新料を支払わなければならないかについては、色々な場所で裁判で争われています。また、その判決も同じ結果ではなく、全く逆の結果となっているものもあり、一概にはいえません。
しかし、2011年7月15日の最高裁判所第2小法定の判決で「賃貸住宅の契約を更新するに当たり、賃料と比して高すぎるという事情がない限りは更新料を支払うことは有効である」とされていることから、一応は有効とされています。
更新料の相場は?
更新料は地域の慣習により発生していると書きましたが、更新料の有無はかなり地域差があります。
国土交通省の調査「民間賃貸住宅に係る実態調査」で、賃貸住宅の各種一時金の市場慣行を調査したものがあります。居住用の賃貸住宅について、賃貸住宅標準契約書の見直しや賃貸住宅の維持・管理の適正化の促進等の検討の参考とするための調査です。
相場を調べる前に、まず更新料のある地域について分析してみます。
更新料のある地域
更新料を徴収している割合を県毎に調べた調査です。
地域 | 更新料の割合 |
北海道 | 28.5 |
宮城県 | 0.2 |
東京都 | 65.0 |
神奈川県 | 90.1 |
埼玉県 | 61.6 |
千葉県 | 82.9 |
長野県 | 34.3 |
富山県 | 17.8 |
愛知県 | 40.6 |
京都府 | 55.1 |
大阪府 | 0 |
兵庫県 | 0 |
広島県 | 19.1 |
愛媛県 | 13.2 |
福岡県 | 23.3 |
沖縄県 | 40.4 |
関東圏では更新料の徴収率は高く、特に神奈川県では9割を超えます。関西圏では、更新料の慣習はほとんどありませんが、京都だけは例外で5割を超えています。
更新料の相場
更新料は1か月分という感覚的な相場がありますが、実際はどうなんでしょうか。月額賃料の何か月分かをまとめています。
地域 | 更新料の相場 |
北海道 | 0.1 |
宮城県 | 0.5 |
東京都 | 1.0 |
神奈川県 | 0.8 |
埼玉県 | 0.5 |
千葉県 | 1.0 |
長野県 | 0.5 |
富山県 | 0.5 |
愛知県 | 0.5 |
京都府 | 1.4 |
大阪府 | - |
兵庫県 | - |
広島県 | 0.2 |
愛媛県 | 0.5 |
福岡県 | 0.5 |
沖縄県 | 0.5 |
もう少し簡単に更新料の相場をまとめます。ただし、更新料は地域の慣行により授受されている側面が強いので、地域によって異なることを頭にいれておいてください。
更新料の相場
- 借家の場合、家賃の0.5~2か月分
- 借地の場合は、借地権価格の5~10%程度
なんのために更新料を徴収しているのか
この調査では、なぜ更新料を徴収するのか、その理由をヒアリングした結果も公表されています。
理由 | 回答数 | 回答割合 |
家賃が低い分の収入を確保 | 6人 | 12.2% |
損耗を補修するための財源 | 15人 | 30.6% |
大規模修繕を行うための財源 | 2人 | 4.1% |
立退料の支払い等への備え | 3人 | 6.1% |
一時金を払えない人は不安 | 9人 | 18.4% |
一時金収入として見込んでいる | 27人 | 55.1% |
長年の慣習 | 27人 | 55.1% |
家賃、共益費として徴収できない部分を更新料として徴収しているという回答がありました。
しかし、回答として一番多かったのは、「一時金収入として見込んでいる」「長年の慣習」ということで、今までもらえているのでなんとなくもらっているとのことでした。