士業という仕事があります。
弁護士などが代表的ですね。私もマイナーながら、不動産鑑定士という士業をしています。さて、士業とは元々どのような職業なのでしょうか?
また、医師のように「師」が付く仕事もあります。2つ合わせて士師業などとも言われますが、「士」と「師」違いは何なんでしょうか?
解説していきたいと思います。
最後に、無料で年収診断をしてくれるサイトの紹介もしてます。簡単に自分の年収が適正か判断してくれて面白いので是非試してみてください
士業とは?
士業について語る前に、そもそも「士」とは何なんでしょうか?士農工商という身分制度を学んだことがある人は多いと思いますが、士とは武士を指していました。
士業の士は武士なんでしょうか?
士とは
昔、中国では「士大夫」という身分階層がありました。士大夫とは、儒学の強要と知識を身につけた知的支配層のことです。西周や春秋の時代には、諸侯をトップに、卿、大夫、士、民という身分階層がありました。春秋中期以降は、この民の中から、能力のある者は「士」として登用されるようになります。
「士」は自らの能力によって君主に仕えるようになり、やがて、自ら修めた学問によって君主にアドバイスをするような士も登場します。
士は中国の身分制度の一つ。民間にあって、自らの高い知性や能力によって国に仕える。
士業とは
士とは、国に仕える民間の身分の一つだと説明しました。
士業は、自らの高い専門性知識や技術を認められて、国の業務に関わる分野、国民への奉仕に関わる分野において働くもの(国に仕える者)といえます。
士業では、その性格から、専門的知識だけではなく、高い倫理観も必要とされます。2015年4月に宅地建物取引主任者が宅地建物取引士として、士業の仲間入りをしましたが、その際、全宅連などの各種団体で倫理規定が改正されたことも記憶に新しいかと思います。
士業の読み方を説明していませんでしたが、「しぎょう」「さむらいぎょう」と呼ばれます。
士業は、法律で規定されており(弁護士ならば弁護士法)、名称が独占されていること(名称独占資格)に加え、専門的行う業務について業務の独占が与えられています(業務独占資格)。
参考 独占業務資格に類似した名前の資格はどこまで許されるのか。不動産鑑定士を例にして
各士業の使命とは
また、それぞれの士業には、明文化されてはいないもの使命が与えられています。具体的に書いていきます。
資格者(士業)の使命
- 弁護士 … 法制度、基本的人権の保持
- 税理士 … 納税義務の適正な実現
- 司法書士 … 登記、訴訟等手続きの適正な実施
- 公認会計士 … 財務情報の信頼性確保
- 不動産鑑定士 … 財産権の保障、憲法における正当な補償の実現
8士業とは
士業には8士業というものが存在します。なんか四天王みたいでかっこいいですね。
では8士業をすべて言えるでしょうか?
8士業とは
- 弁護士
- 弁理士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
- 社会保険労務士
- 土地家屋調査士
- 海事代理士
この8士業は、他の士業に比べて試験が難しいとか、専門性が高いとかそういう理由ではなく、職務上必要な場合において行う戸籍・住民票などについての請求権が認められていることから区別して8士業と呼ばれています。
また、10士業合同無料相談会などがよく行われていますが、この場合の10士業は、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁理士、公認会計士、一級建築士、不動産鑑定士、行政書士、社会保険労務士が行うことが多いです。
スポンサーリンク
士と師の違い
士業と紛らわしいのが〇〇師とつく職業ですね。
代表的な例としては、医師や教師でしょうか。歯科医師や看護師、薬剤師、助産師、あんまマッサージ指圧師、診療放射線技師など医療関係には師が付く職業が多いですね。
では、士と師では何が違うんでしょうか?まずは漢和辞典でその漢字の意味を調べてみました。
「師」=師匠、導く者。もろもろ。技術を修めた者
「士」=つわもの、すぐれた者。仕える者。技術を身に付けた者
師は導いたり、教えたりする者に使われそうですね。士は、さきほど国に仕える者と書きましたが、専門的技術・知識を持って国に仕える者というイメージが強いです。
漢和辞典をひもといても、まだ士と師の違いは不明確ですね。では、法律用語辞典ではどう書かれているでしょうか。
「士」と「師」のどちらを付けるか、また、その付け方の基準がどこにあるかは、必ずしも明らかではないが、上記の例(具体例)、医療系統の職業に「師」の語が比較的多く用いられているほか、「士」の語は、比較的幅広い使い方がされているといえよう。
医療系統の職業に「師」が多いようです。
「士のつく仕事」、「師のつく仕事」を次章でたくさん紹介していますが、歯科技工士は「士」、歯科医師は「師」、歯科衛生士は「士」と歯の医療に関わる仕事でも「士」がつく仕事と「師」がつく仕事が混在しています。
法律用語辞典でも、明確な基準はなさそうです。
また、違いについて調べていたら師は免許制、士は資格制と書かれているサイトがありました。そんなことはないですね。師でも資格が必要な職業はいくらでもあります。
もう少し士と師のつく仕事を例示していきたいと思います。
士のつく仕事。一覧
士のつく仕事を例示します。カッコ内の法律はその士業を規定する法律です。
士のつく仕事
弁護士(弁護士法)、公認会計士(公認会計士法)、税理士(税理士法)、計理士(計理士の名称の使用に関する法律及び旧計理士法)、弁理士(弁理士法)、司法書士(司法書士法)、行政書士(行政書士法)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法)、海事代理士(海事代理士法)、建築士(建築士法)、測量士(測量法5章)、技術士(技術士法)、計量士(計量法7章1節)、不動産鑑定士(不動産の鑑定評価に関する法律)、歯科技工士(歯科技工士法)、社会保険労務士(社会保険労務士法)
歯科衛生士(歯科衛生士法)、自動車整備士(道路運送車両法55)、作業環境測定士(作業環境測定法2章1節)、栄養士(栄養士法)、理学療法士、作業療法士(理学療法士及び作業療法士法)、視能訓練士(視能訓練士法)、臨床工学技士(臨床工学技士法)、救急救命士(救急救命士法)、
師のつく仕事。一覧
次は、師のつく仕事です。
師のつく仕事
医師(医師法)、歯科医師(歯科医師法)、薬剤師(薬剤師法)、獣医師(獣医師法)、家畜人工授精師(家畜改良増殖法)、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)、柔道整復師(柔道整復師法)、理容師(理容師法)、美容師(美容師法)
調理師、ふぐ調理師(都道府県条例)、クリーニング師(クリーニング業法6等)、診療放射線技師(診療放射線技師法等に関する法律)
〇〇者、〇〇司もあります。
資格制度の中には、士や師だけではなく、「者」や「司」が最後に付く職業も多々あります。最後に簡単に説明してみたいと思います。
〇〇者とは
具体例をあげると、放射線取扱主任者、衛生管理者などですね。
〇〇者は、その業務運営等に関し、監督指導管理等を行う技術的資格者として法令により配置を義務付けられるものに用いられることが多いです。
〇〇司とは
具体例は、保護司や身体障碍者福祉司です。
〇〇司は、公務員(国家公務員または地方公務員)またこれに準ずる者の職名として用いられています。
あなたの年収は適正ですか?
あなたの年収はいくらでしょうか?
400万円ですか?600万円ですか?
自分の今もらっている年収は少ないと感じている人も多いんじゃないでしょうか。
では「自分の今の適正年収はいくらなんだろう?」
気になりますね。
自分の会社の評価は今の年収ですが、他の会社では自分をいくらで評価してくれるんでしょうか?
それを調べてくれるのが「MIIDAS(ミーダス)」です。
「MIIDAS(ミーダス)」は、約200万人分のデータベースから、200以上の職種別、10段階以上の年齢別、学歴別の年収を公開。あなたのスキルや経験から、今のあなたの評価や立ち位置、年収が適切なのかどうかが分かります。
無料登録で、スマホから簡単に自分の市場価値・適正年収を調べることができます。
文章を入力することなく、一問一答に応えるだけなので気軽に使ってみてください。