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改正宅建業法。2018年4月に施行される内容は?インスペクションとは?

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平成28年法律第56号、宅地建物取引業の一部を改正する法律が制定され、平成29年4月1日に一部が施行されました。

残りについては平成30年4月に施行されます。

この改正宅建業法。不動産を扱う専門家である宅建業者のみならず、マイホーム取得を考える人すべてに影響を及ぼす法改正となっています。

宅建業法の改正がどのように市民生活に影響を与えるのか、法改正の概要とあわせて解説していきたAいと思います。

参考 国土交通省|宅地建物取引業の改正について(改正宅建業法に関するQ&Aを改定しました)

宅建業法改正の背景

人口減少・少子高齢化が進む中、マイホームの新築ばかりだけでなく、中古住宅の流通の活性化が重要な政策課題の一つとなっています。

というのも、空き家問題とも影響しますがÅÇ、中古住宅の流通市場を活性化させることによって、既存の住宅ストックを有効に活用できます。

また、ライフスタイルの変化が激しくなる昨今、多様なライフスタイルに適応するために住み替えの需要も高まっています。しかし、購入してしまったマイホームが足かせとなる場合があります。

中古住宅市場が透明化、活性化することによって中古住宅を売りたい人、買いたい人双方にメリットが生まれます。

消費者が安心して中古住宅の取引を行える市場環境を整え、流通市場が活性化させることを主たる目的に、今回の宅建業法の改正が行われました。

改正宅建業法の概要について

法改正の目玉はインスペクション(建物状況調査)です。

インスペクションに関しては次の3つが宅地建物取引業者に義務付けられることとなりました。

改正宅建業法のポイント

  • 媒介契約の締結時に建物状況調査(インスペクションのこと)を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面の依頼者への交付
  • 買主等に対して建物状況調査(インスペクションのこと)の結果の概要等を重要事項として説明
  • 売買等の契約の成立時に建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面の交付

では、建物状況調査・インスペクションとは何なんでしょうか?

インスペクション(建物情況調査)

建物情況調査はインスペクションとも言われます。

インスペクションという言葉はまだ一般的には浸透していませんが、不動産を扱う専門家にとっては、必須のフレーズとなりつつあります。

インスペクションと建物状況調査の違い

インスペクションは建物状況調査とはやや異なった意味合いで使われることが多いので、語句の整理をしましょう。

国土交通省の定義を確認してみましょう

建物状況調査とは

建物状況調査とは、既存住宅の基礎、外壁等の部位毎に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の有無を目視、計測等により調査するものです。建物状況調査は国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が実施します。

引用 改正宅地建物取引業に関するQ&A(PDF)

建物状況調査は、国土交通省が宅地建物取引業法の中で使う用語です。

インスペクションという用語はもう少し広く使われており、宅建業法の要件を満たさない建物の調査一般を含んでいます。

調査を行う者も、建物状況調査は既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士「既存住宅状況調査技術者」に限られますが、インスペクションはその他民間資格を有しているものがインスペクションを行うのが通常です。

インスペクション

専門的な知見を有する者が、建物の基礎、外壁等の部位毎に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化事象及び不具合事象の状況を目視、計測等により調査するもの。

建物状況調査を行うメリット

一般の中古住宅売買では、買い主は住宅についての知識を十分に持たないまま契約する場合がほとんどです。

購入後、実際に住んでみて「建具が壊れている」「床がきしんでいる」などの建物の傷みを発見することも多々あります。

建物状況調査は、建物の劣化・不具合などの住宅の状況を正確に把握した上で、住宅の売買を行うことができます。

法改正により建物状況調査はどうなる?

全ての中古住宅売買において建物状況調査が必要となると勘違いしている人も多いですが、違います

法改正によって、宅地建物取引業者は媒介契約書に「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」について記載する必要ができました。

買い主・売り主が建物状況調査をしたいと思ったときに、それに対応してくれる不動産業者かどうか、「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」を宅建業者との媒介契約書に記載しなければなりません。

実際に建物状況調査を行うかどうかは、依頼者である売り主、買い主が決めることです。




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