不動産鑑定士が不動産実務に役に立つ情報(TIPS)を綴ります

不動産実務TIPS

不動産実務

反社会的勢力と暴力団員の違い

投稿日:



不動産鑑定士には競売事件において評価書を作成する業務も担っていますが、競売評価書では暴力団員の占有があった場合はその記述することが求められています。

不動産取引の現場においても、暴力団や反社会的勢力の排除に力を入れており、社団法人不動産協会では、売買契約・賃貸借契約における反社会的勢力排除のためのモデル条項を公表しています。

何気なく使っている暴力団、反社会的勢力という言葉ですが、この違いは何なんでしょうか?

スポンサーリンク

反社会的勢力と暴力団員の違い

反社会的勢力、通称ハンシャなどと呼ばれます。

反社会的勢力の排除は、犯罪対策閣僚会議幹事会申し合わせとして取りまとめられた平成19年6月「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」で定められました。

参考 法務省|企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について

しかし、同指針及び指針に関する解説の中には反社会的勢力の定義は書かれているものの、具体的にどんな人、団体が反社会的勢力に該当するかは書いてありません。

反社会的勢力の定義

反社会的勢力とは、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である

反社会的勢力かどうかを判断するには、「暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。」との記述もあります。

反社会的勢力の具体例については、国による統一見解というものではありませんが、独立行政法人中小企業基盤整備機構の規程集の中に反社会的勢力を定義する規程がありました。

独立行政法人中小企業基盤整備機構反社会的勢力対応規程

第2条(定義) この規程において反社会的勢力とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

  1. 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「暴力団対策法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)
  2. 暴力団員(暴力団対策法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)
  3. 暴力団準構成員(暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの又は暴力団若しくは暴力団員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与するものをいう。以下同じ。)
  4. 暴力団関係企業(暴力団員が実質的にその経営に関与している企業、暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行う等暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与するもの又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し、暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいう。)
  5. 総会屋等(総会屋その他企業を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)
  6. 社会運動等標ぼうゴロ(社会運動若しくは政治活動を仮装し、又は標ぼうして、不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)
  7. 特殊知能暴力集団等(暴力団との関係を背景に、その威力を用い、又は暴力団と資金的な繋がりを有し、構造的な不正の中核となっている集団又は個人をいう。)
  8. 前各号に掲げる者と次のいずれかに該当する関係にある者
    イ 前各号に掲げる者が自己の事業又は自社の経営を支配していると認められること
    ロ 前各号に掲げる者が自己の事業又は自社の経営に実質的に関与していると認められること
    ハ 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって前各号に掲げる者を利用したと認められること
    ニ 前各号に掲げる者に資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められること
    ホ その他前各号に掲げる者と役員又は経営に実質的に関与している者が、社会的に非難されるべき関係にあると認められること

暴力団(員)やそれに関連する企業と共生者、そして総会屋、社会運動・政治活動を標榜したごろつきをひっくるめて反社会的勢力と定義しています。

つまり、暴力団員は反社会的勢力に含まれる考えのようです。

暴力団とは?

今までは反社会的勢力の定義に重点をおいて解説していたので、暴力団についても解説していきましょう。

暴力団は、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に定義されています。

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律

第二条(定義)この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

  1. 暴力的不法行為等…別表に掲げる罪のうち国家公安委員会規則で定めるものに当たる違法な行為をいう。
  2. 暴力団…その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。
  3. 指定暴力団…次条の規定により指定された暴力団をいう。
  4. 指定暴力団連合…第四条の規定により指定された暴力団をいう。
  5. 指定暴力団等…指定暴力団又は指定暴力団連合をいう。
  6. 暴力団員…暴力団の構成員をいう。
  7. 暴力的要求行為…第九条の規定に違反する行為をいう。
  8. 準暴力的要求行為…一の指定暴力団等の暴力団員以外の者が当該指定暴力団等又はその第九条に規定する系列上位指定暴力団等の威力を示して同条各号に掲げる行為をすることをいう。

まとめ

国土交通省では、不動産業における反社会的勢力排除のためのモデル条項を作成するなどして、反社会的勢力による被害を防止しようとしています。最後に関連リンクを貼っておきたいと思います。

参考 国土交通省|反社会的勢力排除のためのモデル条項について

PICK UP記事と広告



-不動産実務

Copyright© 不動産実務TIPS , 2017 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.