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埋蔵金を見つけたら誰のものに?どこに連絡すれば良い?法律関係をまとめてみました。

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埋蔵金。

なんとも夢の広がる言葉ですね。

私の世代ですと、小さい頃に糸井重里さんの埋蔵金発掘が定期的にテレビで放送されており、ドキドキしながら番組を見ていたことを思い出します。糸井重里さんが探していたのは徳川埋蔵金。江戸幕府が所有していたはずの御用金、金360万両が群馬県の赤城山付近に埋まっているのではないかと言われています。これが徳川埋蔵金で、なんと現在の貨幣価値にすると200兆円!!などとも言われています。参考とした記事によっては4000億円とも書かれていましたが、どちらにしても大金であることは間違いないですね。

ちょっと調べたら「埋蔵金発掘が趣味の人」という面白いホームページを見つけました。徳川埋蔵金のほか、武田埋蔵金や結城埋蔵金などもあるようですね。チラ見しただけですが、なかなか夢が広がります。

参考 埋蔵金発掘が趣味の人

埋蔵金を見つけたら、誰のものになる?

さて、話が反れてしまいましたが、埋蔵金を発掘!でも本当に自分のものになるんでしょうか?

私も不動産鑑定士という仕事上、文化財保護法の「周知の埋蔵文化財包蔵地」の調査をよくしますので、少し気になって調べてみました。

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フローチャート

発見された埋蔵金の中には歴史的な価値が高いものなどもあるでしょう。このような埋蔵金は文化財に指定される可能性もあり、この場合は「文化財保護法」が発見物の所有者を規定しています。その他のものは、遺失物法です。

各々の場合を個別に考えてみたいと思います。

文化的に価値のある埋蔵金の所有者

文化財保護法第2条第1項第1号では、建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で、日本国にとって歴史上または芸術上価値の高いもの、並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料を、「有形文化財」と定義しています。

徳川埋蔵金ぐらいになると、文化的な意義も大きいですし、歴史的価値も高そうなので文化財に指定される可能性は高いんじゃないでしょうか。

では発見された埋蔵金が文化財にしていされてしまったら、その埋蔵金の所有者は誰になるんでしょうか。

文化財を発見したら

埋蔵金を発見したら、モノがなんでもまずは警察に届け出をする必要があります。そして埋蔵金が文化財としての価値を有していそうであれば、その地域の教育委員会で文化財の鑑定がはじまります。

同時に真の所有者(遺失者)の捜索もはじまります。遺失者が発見された場合は遺失物を遺失者に返還の上、文化財に指定されます。

遺失者が見つからなかった場合。この場合は、文化財は国や都道府県に帰属することになります。発見者とその土地の所有者に対しては、その文化財の価値に相当する額の報償金が支払われることになります。

参考 文部科学省|埋蔵文化財の取扱いについて

報償金の額は、発見者とその土地の所有者が同一であれば満額ですが、別人であれば折半することになります。

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小松ストアー埋蔵金

東京都銀座で1956年(昭和31年)に小判が発見されました。今はユニクロ銀座店がある場所です。

小判の数は208枚。江戸時代に流通した小判の中では古く金の純度が高い(80%以上)ものもあり、文化財に指定されています。このときは、持ち主も発見されなかったことから、所有者である小松ストアーと発見した竹中工務店に報償金が支払われたようです。

文化財保護法の適用をうけない埋蔵金

文化財保護法の適用を受けない場合、遺失物法の適用を受けます(民法第241条)。

民法(第241条)

埋蔵物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する。

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遺失者が見つからなかった場合

埋蔵物(ここでは埋蔵金)を発見したら、警察にまず届けます。警察は遺失者つまり元々の所有者を調べるのですが、6か月間公告して遺失者が見つからなかった場合は発見した人が埋蔵金の所有権を取得します。

条文には但書もありますね。土地の所有者と発見者が異なる場合、2人で等しい割合で所有権を取得することになります。例えば、ビルの建築の最中に工事関係者が埋蔵金を発見した場合、その工事会社と土地の所有者で折半することになります。

また、発見者は遺失物を発見した場合は、7日以内に所轄の警察署長に届け出なければいけません。これを怠ると「遺失物等横領」になります。発見した場所が道などの公の場所でなくても、他人の土地や自分の土地!でも警察署長に届け出る必要があります。自分の庭から「なんか知らんもの出てきたなー」って場合でも届け出なければ刑事罰を受けてしまう可能性があります。

遺失者が見つかった場合

残念なことに(?)遺失者が見つかってしまった場合は、埋蔵金は警察から遺失者に返還されます。

そして遺失者は発見者に対して報労金を支払わなければいけません。報労金の額は物件の価格の5~20%。偶然に見つけた場合(財布を拾った場合などですね。)については、おおむね10%が相場となっているようです。

遺失物法(報労金)第二十八条

物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない

この報労金を請求できるのは、遺失者に返還されてから1か月以内です。

遺失物法(費用及び報労金の請求権の期間の制限)第二十九条

第二十七条第一項の費用及び前条第一項又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない。

財布を拾ったときの報労金については知識として知っていたんですが、遺失者の義務なんですね。

まとめ

埋蔵金って夢があると思っていたんですが、文化財に指定されてしまうと全部をもらえる訳ではないですし、実際の大人の世界は厳しいものがあるんですね。

また埋蔵文化財があると予想される土地の取引には色々な制限があります。気になる方は下の記事をお読みください。

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