相続税の財産評価(土地)の基礎となる路線価が7月1日に公表されました。7月1日に公表されますが、価格の判定の時点(価格時点)は1月1日現在の価格が公表されます。
平成20年のリーマンショック以降、下落を続けていた土地価格も上昇傾向に転じました。もちろん都市部などでは既に地価が反転し上昇傾向にありましたが、路線価が全国平均で上昇となるのは8年ぶりです。
参考 H28年地価公示発表!どこが一番高い?反対に安いのは?上がったのはどこ?を調べてみました。
3大都市圏の中心地の価格は次のとおりとなっています。
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3大都市圏の路線価
路線価は時価の8割水準に設定されています。価格について記載していますが、時価の8割水準であることを注意してください。
3大都市圏の最高価格地は以下のとおりですが、いずれも2桁の上昇を示しています。地方圏では反転の気配すら見えず下落を続けている地域もたくさんあります。大都市部が地方圏の下落を埋め合わせて平均を押し上げています。
東京都
東京で最も高い(つまり日本で一番高い)路線価は銀座4丁目の山野楽器銀座本店前です。
路線価は1平米あたり3200万円で、31年連続での日本一です。価格は昨年より上昇しており、上昇率は18.7%です。
大阪府
大阪で最も高い路線価は梅田駅近く、阪急百貨店うめだ本店の御堂筋です。
路線価は1平米あたり1016万円で、去年より22.1%の上昇です。
尚、価格の上昇率が最も大きいのは心斎橋2丁目の御堂筋沿いになります。地価公示地点「大阪中央5-23」のある地点ですね。
名古屋
愛知県で最も高い路線価は名古屋駅の正面口(東口)の名駅通りです。
路線価は1平米あたり840万円で、去年より14.1%の上昇です。
まとめ
大都市部では上昇、地方圏では下落。という2極化と言ってしまえば単純ですが、地方圏でも地価上昇を示している地域もたくさんあります。
特に、インバウンドによる外国人観光客需要が見込める地域は地価も底堅いです。観光地というよりもホテル用地としての需要が見込まれる土地は地価の上昇も著しいですね。最近の円高により需要もちょっと弱くなりがちですが、長期的にみればホテルはまだまだ足りていないので安定的に推移していくものと考えられます。
熊本地震は影響しているの?
尚、1月1日時点の価格を算定しているものなので、4月に発生した熊本地震の影響は反映されていません。したがって、地震による影響で評価額が低くなる地域もありそうです。国税庁は、熊本地震発生後に相続税が発生する場合、被害状況に応じた措置をとり、評価額を個別に算定して、時価よりも税負担が増えないように対応するようです。