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建築物の用途の区分・分類について

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居宅、共同住宅、事務所、工場、ホテルなど建物の用途には実にたくさんの種類があります。

不動産登記法ではこの用途的な分類のことを種類というのに対して、建築基準法などでは用途といいます。

不動産登記法の建物については、「建物の種類の一覧とその判断基準をまとめてみました。」で解説していますので、今回は建築基準法などの建築物の用途について解説していきたいと思います。

建築物の用途

建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする法律です。

建築確認申請の際も、第二面(8.主要用途)として、用途を記載する箇所があります。

建築基準法の中では、建築物の用途が書かれている箇所はあるものの、具体的な説明がある条文はありません。

参考 建築基準法第2条

二 特殊建築物 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

つまり、遊技場や公衆浴場などの記載は随所にあるものの、遊技場がどのようなものなのかを具体的に説明する条文はありません。

これは、それぞれの業態(用途の定義)は、個別の営業法によって定められるべきという思想からきます。

つまり旅館については旅館業法などでその定義を確認することが必要です。

建築物の主要用途一覧は建築基準法施行規則(別記様式)に記載されています。

建築確認申請に必要な主要用途の区分は建築基準法施行規則(別記様式)に記載されています。

一例を下の画像で上げます。

数が多く全部を書ききれませんが、一戸建ての住宅など数十の主要用途があり、これを建築確認申請などで記載することになります。

建築確認を行う会社のPDFが一番正確にまとめられているので、参考としてURLを貼ります。

参考 確認サービス|建築物の主要用途一覧 〔建築基準法施行規則 別記様式〕

主要用途とは

主要用途とは、建築物の主要な用途です。

建築物の所有者・使用者・利用者が一体で管理・使用・利用する建築物の全部又は部分の専らの用途のことをいいます。

玄関ホールやトイレなどは付属的な用途であり、これらを付属用途・従属用途と呼び、主要用途とは区別されています。

建築物エネルギー消費性能基準における用途分類

建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令では、非住宅の用途を事務所など8つに分類しています。住宅を含めると9つの用途分類になります。

参考 e-Gov法令検索|建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令

用途の区分 具体例
事務所等 事務所、官公署、税務署、警察署、消防署、地方公共団体の支庁、郵便局、銀行、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの
ホテル等 ホテル、旅館その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの
病院等 病院、老人ホーム、身体障害者福祉ホーム、診療所、助産所、児童福祉施設、「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づく施設、老人福祉法に規定されている老人福祉施設、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの
百貨店等 百貨店、マーケット、理髪店、美容院、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、貸本屋、日用品の販売を主たる目的とする店舗、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの
学校等 小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校、看護学校、盲学校、聾学校、保育所、幼稚園、自動車教習所、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの
飲食店等 飲食店、食堂、喫茶店、キャバレー、料理店、カフェ、ナイトクラブ、バー、専ら異性を同伴する客の休憩を用に供する施設、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの
集会所等

図書館、博物館、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの

体育館、公会堂、集会場、ボーリング場、劇場、アスレチック場、スケート場、浴場施設、競馬場又は競輪場、社寺、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの

映画館、カラオケボックス、ぱちんこ屋、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの

工場等 工場、畜舎、自動車車庫、自転車駐車場、倉庫、観覧場、卸売市場、火葬場、自動車修理工場、危険物の貯蔵又は処理に供するもの、物流施設、汚水処理施設、機械室・電気室のみの無人・若しくは巡回管理型の施設、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの
住宅等 一戸建住宅、長屋(連続住宅、重ね建住宅)、共同住宅、寮、寄宿舎、リゾートマンション、別荘、その他エネルギーの使用状況に関してこれらに類するもの

参考 東京都|建築物の用途区分 

類似の用途への用途変更

既存の建物の用途を変更する場合、原則として建築確認申請が必要とされています。

ただし、建築基準法施行令第137条の17では、各号内での用途変更は類似の用途とされ、確認申請が不必要とされています。

類似の用途
1号 劇場・映画館・演芸場
2号 公会堂・集会場
3号 病床のある診療所・児童福祉施設等
4号 ホテル・旅館
5号 下宿・寄宿舎(シェアハウス)
6号 博物館・美術館・図書館
7号 体育館・ボーリング場・スケート場・その他
8号 百貨店・マーケット・物品販売業の店舗
9号 キャバレー・カフェ・バー
10号 待合・料理店
11号 映画スタジオ・テレビスタジオ

3号、6号、7号には次の注釈がつきます。

注意

  • 3号 … 第一種・第二種低層住居専用地域内にある場合を除く
  • 6号 … 第一種・第二種低層住居専用地域内にある場合を除く
  • 7号 … 第一種・第二種低層住居専用地域、工業専用地域内にある場合を除く

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