不動産を調査していると、公図と現況がずれている地域ってだいたい決まっていますよね。法務局で公図を取得しても縮尺が600分の1だと、現況とのずれが大きいかも?と縮尺から予想できたりもします。
縮尺が600分の1の公図が現況と異なる理由
法務局に備え付けられている地図は、法14条地図と呼ばれますがその縮尺はほとんどの場合500分の1です。しかしながら正確な法14条地図が整備されている地域は少なく、全体のうちの10%程度と言われています。その他は地図に準ずる図面として昔ながらの地図を法務局にて提供しているのが実態です。
地図に準ずる図面には縮尺が600分の1の地図が多いです。縮尺が600分の1の地図は古くは明治の地租改正の時代に整備されたものであり、尺貫法により計測された地図です。その時代の地図ですので正確性に欠けるのが当然であり、現況と公図がずれている一つの理由です。
縮尺でも公図と現況のずれの大きさにあたりを付けることができますが、国土交通省のホームページでは、地図上で公図と現況のずれの大きさを表示してくれるサイトがあります。
今回はそんな便利なホームページを紹介していきたいと思います。
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都市再生街区基本調査及び都市部官民境界基本調査の成果の提供システム
なんとも長い名前ですね。事業の内容については割愛するとして使い方についてまとめていきたいと思います。
基本ガイドライン
公図と現況のずれを表示してくれるサイトのURLは次のとおりです。とりあえずクリックしてみましょう。
URL 都市再生街区基本調査及び都市部官民教会基本調査の成果の提供システム(国土交通省)
まず最初にお読みくださいということでガイドラインが出てきます。読みすすめて一番したのボタンから次に進みます。
サイトの使い方
このような地図が出てきますね。とりあえず新宿駅でも調べて見ましょうか。右には住所検索もありますし、左の地図をマウスで動かすことによって地点を探すこともできます。
公図と現況のずれをチェックしよう
そのままの状態だと国土地理院の地図が表示されるだけです。そこで、右のボタンをクリックしていきましょう。
- 表示項目選択
- 公図と現況のずれ
右下に凡例をつけました。青色が精度が高く、赤色が精度の低い公図だということです。
新宿駅南口付近は公図と現況のずれが大きいことが分かります。笑っていいともや待ち合わせの場所でお馴染みのスタジオアルタ、紀伊国屋書店のあたりはずれが小さいですね。
凡例が小さいので大きいものも貼っておきます。
比率も載っていますが、精度の高い地域は僅か5.5%!大きなずれがある地域は49.8%とほぼ半分もあります。
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まとめ
不動産の調査に行って、公図と現況が全然違うと調査に本当に困ります。このサイトを使って地元地域を調べておけば、心構えができますね。私が住む地域も赤と黄色ばかりでした...
このサイトは都市部における官民協会の調査(都市部官民境界基本調査)を基にしているので、地方都市ですと駅周辺ぐらいしか表示されないので注意してください。
また、同じサイトでは公図と現況のずれQ&Aということで、公図とは何か、なぜ公図と現況がずれてしまうのか、ずれてしまったときの影響などが説明してあります。読んでみると勉強になります。
参考 公図と現況のずれQ&A