固定資産税評価においては、土地の利用状況が同一であると判断可能な範囲を一つの評価単位として確定して評価を行います。
その利用面からの分類が地目です。
そして、地目ごとの評価方法で土地を評価し、税金を定めます。
地目の認定 → 画地・地積の認定 → 地目別評価方法による評価
課税の地目は法務局が定める登記地目とはやや異なります。
課税地目については別記事「法務局の登記地目、相続税や固定資産税の課税地目の種類」で詳しくまとめています。
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法務局の登記地目、相続税や固定資産税の課税地目の種類
土地の地目には種類があり法令などで定められています。 好きな名前を付けて定めることができないんですね。 建物の種類は、居宅や店舗、共同住宅などと主なものは定められていますが、該当しない建物についてはこ ...
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太陽光発電の事業者には土地と償却資産について固定資産税がかかりますが、今回は対抗用発電用地の土地固定資産税について説明します。
メガソーラー(太陽光発電用地)の地目認定について
固定資産税評価においては、9種類に区分された地目のうちのどれかに認定します。
- 田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地
メガソーラー用地(太陽光発電用地)の地目は雑種地とされることが多いです。
(一財)資産評価システム研究センターの調査(再生可能エネルギー発電施設の用に供する土地の評価)によると、実際の市町村では8割超の市町村が雑種地として地目認定しているということです(図表-1)。
尚、財産評価基準の解説においては、雑種は以下のように分類されており、地目の認定及び雑種地の分類によって当該土地の評価が決められます。
- ゴルフ場用地
ゴルフ場、遊園地、運動場、野球場、競馬場及びその他これらに類似する施設の用に供する土地 - 鉄道敷用地
鉄道又は軌道による運送のように供する土地 - その他の雑種地
鉄塔敷地、水路敷地及び稲干場、塚地、柴草地、不毛地、砂地、荒ぶ地、土取場後、へい獣捨て場等、上記1、2以外の土地
太陽光発電用地は、雑種地の中のその他の雑種地に主として分類されることになります。
メガソーラー(太陽光発電用地)の評価方法について
上記のとおり、メガソーラー(太陽光発電用地)はその他の雑種地に地目を認定されることが多いです。
財産評価基準ではその他の雑種地の評価方法は次のように記載されています。
雑種地の評価は、二及び三に掲げる土地(ゴルフ場等の用に供する土地及び鉄軌道用地)を除き、雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める方法によるものとする。
ただし、市町村内に売買実例価額がない場合においては、土地の位置、利用状況等を考慮し、附近の土地の価額に比準してその価額を求める方法によるものとする。
雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める方法のことを売買実例地比準方式、土地の位置、利用状況等を考慮し、附近の土地の価額に比準してその価額を求める方法のことを近傍地比準方式といいます。
売買実例地比準方式とは?
売買実例地比準方式はその他雑種地の評価の原則とされています。
売買実例地比準方式は、売買実例地と対象地の比較を行い適正な時価を求める方法です。
近傍地比準方式とは?
近傍地比準方式とは、附近の土地の価額に比準して適正な時価を求める方法です。