住宅を建てるときに気になるのは建築工事費。どこの工務店、ハウスメーカーが高い?などと比較する際によく使われる目安が坪単価です。
今日は便利だけど意外と勘違いしやすい落とし穴の多い坪単価について解説していきたいと思います。
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坪単価とは?
坪単価は次の計算式で表されます。
建物価格 ÷ 延べ床面積(坪) = 坪単価
坪と平米の換算は?
面積の単位は坪が使われます。坪と㎡の換算は次の計算式により行います。
1坪 = 約3.3平米 又は 1平米 = 0.3025坪
もっと簡単にいえば、1坪は畳2枚分です。坪と平米(へいべい)については、次の記事に詳しく説明しています。
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1坪は何平米(㎡)?間の読み方は?何メートル?坪、間などの尺貫法の単位について
1坪という単位をご存知でしょうか?1坪の読み方は、「ひとつぼ」又は「いっつぼ」と読みます。1坪は、縦横1間の正方形、つまり1間×1間の大きさの面積です。1間は「いっけん」と呼びます。 坪は古くから使わ ...
建物価格と延べ床面積について
坪単価は建物価格と延べ床面積から計算することができます。計算する要素が2つだけなんですね。それぞれについて説明していきたいと思います。
建物価格にはどこまで含まれる?
ここでいう建物価格は「建物本体価格」を意味します。
住宅の建築コストにはどのような種類のものがあるでしょうか。
住宅の建築コスト
- 本体工事費用(70~75%程度)
- 別途工事費(15~20%程度)
- 諸経費(10%程度)
本体工事費用以外の部分って結構多いことが下の図からも分かると思います。
広告などで「坪40万円で家が建てられる!」などと書いてあるとします。40坪の家を建てるとすると総額1600万円(坪40万円 × 40坪)。しかし1600万円は本体工事費のみの金額であることがほとんどです。実際にはその3~4割増の金額、つまり2000万円~2250万円程度の金額が必要になるということです。
ここで別途工事費と諸経費にはどんなものが含まれるのかをまとめておきます。
別途工事費とは?
- 給排水衛生設備工事
- 電気設備工事
- ガス工事
- 上下水道引き込み工事
- 外構工事
- 空調設備(エアコン等)工事
- その他
諸経費とは?
- ローン手数料
- 税金
- 火災保険料
- 地盤調査費
- その他
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延べ床面積には種類がある?
建物の金額には含まれるものと含まれないものがあるというのは、一般的に理解しやすいと思います。でも本当の落とし穴は延べ床面積。延べ床面積にも色々な種類があり、採用する延べ床面積によって、坪単価が大きく異なってくるのです。
延べ床面積と一言でいいますが、坪単価の計算の際に使われる床面積は、一般的にいう延べ床面積ではなく、施工床面積(せこうゆかめんせき)です。
延べ床面積の種類
- 一般的な延べ床面積
- 施工床面積
延べ床面積
延べ床面積は建築確認概要書や全部事項証明書(登記)に書かれている建物の面積です。(本当は延べ床面積といっても複雑なのですが、分かりやすく説明するために、簡単にして説明しています。)
下の例では140.04平米となっていますね。これが延べ床面積です。
施工床面積
次に坪単価の計算でよく使われる施工床面積です。
施工床面積は、バルコニーや吹き抜け、ベランダ、ポーチなどの建築基準法では延べ床面積に含まれない部分も含んだ面積です。文字のとおりですが、工事をしている場所の面積全部ですね。施工床面積もハウスメーカーによっては含めたり含めない項目が若干異なってきますので注意が必要です。
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延べ床面積と施工床面積の違い
つまり、バルコニーや吹き抜けなどの分だけ施工床面積の方が大きくなります。
延べ床面積 < 施工床面積
もう少し分かりやすく、具体的な間取りで確認してみましょう。これは住宅の2階部分だけを抜き出した間取りですが、延べ床面積には吹き抜けやベランダを含みません。
次に施工床面積です。色を変えて青で表示していますが、施工床面積の方が延べ床面積よりも大きくなっていることが分かると思います。
ハウスメーカーはなぜ施工床面積で坪単価を計算する?
建物の広告などでは、表示している坪単価はほとんどが施工床面積で計算したものです。ではなぜ、ハウスメーカーは施工床面積で坪単価を計算するのでしょう。
再度、坪単価の式を確認してみます。
建物価格 ÷ 延べ床面積(坪) = 坪単価
建物本体価格を延べ床面積で割ったものが坪単価でした。つまり、延べ床面積が大きくなればなるほど坪単価を安く計算できるからなんです。実際には同じ建物の坪単価でも安く表示した方が、「弊社ではこんなに安く家を建てられますよ!」というアピールになりますね。
こんな理由で施工床面積を採用するハウスメーカーが多いのです。
ですので、ハウスメーカーを比較してどれぐらいの建築費用がかかるのか、坪単価を見るときは是非床面積に何を使っているのかを注目して広告を見てみてくださいね。