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用途地域の一覧。調べ方についてもまとめました。

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都市計画法や建築基準法によって、土地の利用方法には様々な制限が定められています。

都市部の大半を占める「市街化区域」では優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として、原則として12種類の用途地域が定められてます。

市街化区域と市街化調整区域の違いは?

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用途地域とはどのような制限なんでしょうか?用途地域にはどんな種類があるんでしょうか?用途制限について解説していきたいと思います。

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用途地域とは?

都市における住居、商業、工業といった土地利用は、似たようなものが集まっていると、それぞれにあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができます。しかし、種類の異なる土地利用が混在していると、互いの生活環境や業務の利便が悪くなります。

例えば、良好な住宅エリアに危険性の高い工場や風俗店舗などが出来たりしたら...良好な地域の形成が難しくなりますね。そこで、都市計画では都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」として定めています。

用途地域の大別

  • 住居系(7種類)
  • 商業系(2種類)
  • 工業系(3種類)

用途地域が指定されることを、通称「色塗り」といいます。用途地域が指定されると、下のような地図に色分けされるからでしょうね(都市計画図)。

用途地域が指定されている地域においては、建築物の用途の制限とあわせて、建築物の建て方のルールが定められています。これによって、土地利用に応じた環境の確保が図られるようになっています。

建築物の建て方のルールとしては、土地の面積と建物の床の面積の比率(容積率や建ぺい率)、道路の幅に見あった建物の高さなどのルールがあります。

用途地域の一覧

用途地域の種類を一覧にしてみました。

用途地域の一覧

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

どんな制限が課せられる地域なのか、どのような建物を建築できる地域なのか、実際どのような地域なのかイメージできるでしょうか?

それぞれを簡単に説明してみます。

第一種低層住居専用地域

「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義され、2~3階建て以下の低層住宅のための良好な住環境を保護するための住居系の地域。一戸建ての住環境としてはもっとも優れている。

低層住宅のための地域です。小規模なお店や事務所をかねた住宅や、小中学校などが建てられます。

第二種低層住居専用地域

「主に低層住宅のための良好な住環境を保護するため定める地域」と定義され、建築できる建物の種類や高さ制限は第1種低層住居専用地域とほぼ同じ。
違いというと、第二種低層住居専用地域では、小規模な飲食店や店舗、病院、大学などの建築が可能です。

主に低層住宅のための地域です。小中学校などのほか、150平方メートルまでの一定のお店などが建てられます。

第一種中高層住居専用地域

「中高層住宅のための良好な住環境を保護するため定める地域」と定義され、低層住居専用地域のような絶対高さ制限がないので、容積率に応じて4階建て以上の中高層マンションなどが建築できる。

中高層住宅のための地域です。病院、大学、500平方メートルまでの一定のお店などが建てられます。

第二種中高層住居専用地域

「主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義されています。

主に中高層住宅のための地域です。病院、大学などのほか、1,500平方メートルまでの一定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられます。

第一種住居地域

 

第二種住居地域

「主として住居の環境を保護するため定める地域」と定義されています。店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。

準住居地域

「道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域」と定義されています。

近隣商業地域

「住居の環境を保護するため定める地域」と定義されています。3,000平方メートルまでの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。

商業地域

「主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域」と定義されています。

銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。住宅や小規模の工場も建てられます。

準工業地域

「主として環境の悪化をもたらす 恐れのない工業の利便を増進するため定める地域」と定義されています。

主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。

工業地域

「主として工業の利便を増進するため定める地域」と定義されています。

どんな工場でも建てられる地域です。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。

工業専用地域

「工業の利便を増進するため定める地域」と定義されています。

工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。

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用途地域の調べ方

用途地域は市役所などの自治体窓口で調べます。

自治体によって窓口の名前は異なりますが、都市計画課、まちづくり課などといった名称が多いです。小さい町村なら建設課で道路から用途地域まで全部対応してくれる場所もありますね。

窓口で「用途地域を照会したい(確認したい)」というと下のような色塗りされた地図で担当者が確認してくれます。ここで重要なのは、地図が窓口(カウンター)に置かれている場合でも、担当者と一緒に確認するということです。たまに地図が読めない担当者が出てくるときもありますが、ぐっと我慢して市役所担当者と一緒に確認しましょう。

最近はインターネットでも確認できます。

最近はインターネットで用途地域を確認できる自治体も多くなっています。調べたい土地の市町村のホームページを確認してみましょう。市町村で無ければ、都道府県のホームページで公開している場合もあります。

下の例は小田原市の地理情報システム「ナビ・オダワラnavi-O」です。

実際に使って確認してみましょう。小田原駅付近を調べてみました。色は全国共通ですので、慣れてくると色だけでなんの用途地域か分かるようになります。小田原駅周辺は商業地域ですね。駅裏は第二種住居地域や第一種中高層住居専用地域が広がった住居系のエリアだということが分かります。右上(北東)の辺りには工業系のエリアが広がっています。

インターネットによる確認は便利なので、活用してみると良いでしょう。ただ、基本は窓口確認です。

複数の用途地域がまたがっていたら?

用途地域の境はほとんどの場合が道路や河川、鉄道になっています。

下の矢印の家を見ると2つの用途地域にまたがっていますね。このような場合はどちらの用途地域が優先するんでしょうか。

用途地域は過半主義がとられているので、敷地の過半を占める用途地域の制限を受けることになります。

広く占めている用途地域の制限を受ける

建築基準法 第九十一条(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)

建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条の三第一項及び第二項並びに別表第三の規定を除く。以下この条において同じ。)による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域(第二十二条第一項の市街地の区域を除く。以下この条において同じ。)、地域(防火地域及び準防火地域を除く。以下この条において同じ。)又は地区(高度地区を除く。以下この条において同じ。)の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。

用途地域の色

用途地域は色が指定されています。具体的には日本工業規格に基づく三属性による色の表示方法による表示記号(いわゆるマンセル表色系)により次のとおり種別ごとの色が指定されています。

用途地域 マンセル表色系
第一種低層住居専用地域 緑色 3.5BG 6.6/10.6
第二種住居専用地域 薄緑色 2.0BG 7.7/6.7
第一種中高層住居専用地域 黄緑色 6.9GY 7.9/8.8
第二種中高層住居専用地域 薄黄緑色 4.4Y 8.9/5.5
第一種住居地域 黄色 7.6Y 8.8/8.1
第二種住居地域 薄橙色 1.3Y 8.6/4.8
準住居地域 橙色 4.4YR 7.8/7.4
近隣商業地域 桃色 6.8RP 7.4/7.5
商業地域 赤色 6.0R 5.5/14.0
準工業地域 紫色 2.5P 6.9/5.0
工業地域 水色 6.3B 7.8/5.3
工業専用地域 青色 8.0B 6.6/8.8

まとめ

用途地域は不動産取引、調査において非常に重要な項目です。なぜかは上で説明しましたが、端的にいうと、用途地域によって建てられる建物が変わってくるからですね。

建ぺい率や容積率と合わせて、覚えてください。




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